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ペットフード/ペットマナー検定
北村満保
猫の変顔「フレーメン反応」にはどんな意味があるの?

猫のフレーメン反応とは

フレーメン反応は、フェロモンのにおいに反応した猫におきる生理現象の一種です。口を開けて驚いたような、虚空を見つめて呆けているような表情をします。思わず「どうしたの?」と声をかけたくなるような表情です。

では、なぜそのような表情になるのでしょうか?

猫の口の中にはフェロモンのにおいを感じ取るヤコブソン器官(鋤鼻器)に繋がる穴が開いています。そのため、フェロモンのにおいを感知すると口を開けて少しでも多くの情報を得ようとしてフレーメン反応をおこします。

その結果なんとも言えない微妙な表情になってしまうのです。

フレーメン反応はどんなときにおこる?

フレーメン反応がおきるきっかけはフェロモンのにおいです。

フェロモンには、性別、年齢、発情の有無などの情報が詰まっています。においの持ち主がどんな猫なのかといったことを確認しているのです。

とくに、オス猫は発情中のメス猫から出た性フェロモンのにおいによく反応します。

ほかには、はじめてのにおいを嗅や強烈なにおいに対して警戒したようなときにもフレーメン反応をおこします。安全かどうかを確認する必要があるためだと言われてます。

どんなにおいに反応する?

猫がフレーメン反応をおこすのはフェロモンのにおいを感知したときだということがわかりました。そのほかにも、フェロモンに似たにおいにも反応します。では、具体的にどのようなにおいでしょうか。

■同居猫のフェロモンのにおい
同居している猫のお尻や排泄物のにおいを嗅いでフレーメン反応をおこすことがあります。上にも書きましたが、オス猫は発情中のメス猫が発するフェロモンのにおいに反応しやすいと言われています。

また、発情に関係なく、同居猫同士でもお互いのフェロモンのにおいを確認してフレーメン反応をおこすことも。この場合は情報収集の意味合いがあるため、メス猫もフレーメン反応をします。

■自分のにおいにも反応する
毛づくろいをしている猫が突然フレーメン反応をしているのを見たことはありませんか?

なぜ猫が自分のにおいに反応するのか、今のところ明確な理由はわかっていません。

一説では、自分のにおいを確認するのが癖になっている、縄張りに侵入者がいないか(自分以外の動物のにおいがしないか)確認していると考えられているようです。

■人間の靴下・靴・足のにおい
猫は人間の足のにおいを嗅いでフレーメン反応をおこすことがあります。

人間の足の汗に含まれている成分には、猫のフェロモンに似たものがあり、ついつい反応してしまうようです。つまり、靴下や靴のにおいを嗅いだ際にフレーメン反応するのも、しみ込んだ汗のにおいに反応しているのです。

決して足がくさいからと言ってフレーメン反応をしているわけではありませんのでご安心を!

■ハッカ・キャットニップ・マタタビ
ハッカに反応してフレーメン反応をおこす猫もいます。これはハッカにフェロモンと近い成分が含まれているためだと考えられているようです。また、ハッカの一種であるキャットニップに反応する猫もいます。

植物系ではマタタビもあげられます。猫はマタタビで陶酔状態になるだけでなく、フレーメン反応をおこすことがあります。やはりフェロモンと似ている成分が含まれているためではないかと考えられています。

中にはマタタビ科マタタビ属の植物であるキウイに対してフレーメン反応をおこす猫もいるようです。

■塩素系漂白剤
猫は塩素系漂白剤の匂いに対してフレーメン反応をおこす場合があります。

塩素系漂白剤のにおいが好きだという猫は多く、マタタビのにおいを嗅いだときと同じような反応をします。マタタビと同じ成分、もしくは似た成分が含まれているためだと考えられています。

塩素系漂白剤は誤飲も心配ですが、発生したガスで呼吸困難をおこした事例も報告されていますので、使用中は猫を近づけないようにしましょう。

猫以外の動物もフレーメン反応をする

猫以外にも牛、馬、羊、ライオンなど一部のほ乳類でフレーメン反応をおこすことが知られています。

フレーメン反応の仕組みはどの動物も同じですが、表情やしぐさは動物によってさまざまです。

たとえば、ネコ科のライオンは顔にしわを寄せ、口を開けます。まるでしかめっ面をしているかのような表情です。

また、馬のフレーメン反応は笑っているような顔と表現されることが多いです。フェロモンのほかにもたばこの煙に反応することが確認されています。

身近な動物では犬もフレーメン反応をする場合があります。ただし、個体差が大きいうえに、猫のようなはっきりした表情の変化はあらわれません。犬のフレーメン反応では、口をパクパクさせる、歯をカチカチさせるといった行動が見られます。

ちなみに、人間やその他の霊長類はフェロモンのにおいを感知するヤコブソン器官が退化しているため、フレーメン反応はおきません。

まとめ

猫の変顔としても有名なフレーメン反応。あのコミカルな表情に猫が生きていくうえでとても重要な意味があるのは意外だったかもしれませんね。

猫はフェロモンのにおいを嗅ぐことで、仲間の年齢や性別などの情報から安全確認までおこなっています。

生きるために大まじめにやっているのですから、愛猫がにおいを嗅いで変顔をしている姿を見かけたら邪魔せずにそっと見守ってあげましょう。

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