ウィズぺティ 国産ペットサプリメント
ウィズペティ【公式通販サイト】
初めての方へ会員登録ログイン買い物かご
TOP > 会報誌「ウィズペティ倶楽部」 > ペットの健康は自宅でチェック!愛犬・愛猫の健康管理
獣医師
齋藤厚子
ペットの健康は自宅でチェック!愛犬・愛猫の健康管理

犬と猫の健康管理に役立つ10項目のチェックポイント

動物の健康状態は様々なことから把握することができます。

定期的に健康診断を受け、血液検査やレントゲン検査なども受けている場合は安心しがちですが、中には検査上では異常が出ないうちから治療を始めた方がいい疾患や、検査上は明らかな異常が認められていなくても動物自身が痛みや苦しさを感じているケースもあります。

そんな時に重要になってくるのが自宅での様子の変化です。
元気がない、食欲が少ない、歩き方がおかしい、体の一部が腫れているなど、普段とは違う様子が見られたらより注意深くペットたちを観察し、病院に連れていくことを検討しましょう。

体の異常に早く気づいてあげることができれば、その分ペットたちの痛みや苦しみを早く取り除いてあげることができます。

まずは日々の生活の中で健康を守るために少し気を付けてほしいこと、時々チェックしてみてほしい項目を大まかに挙げてみたいと思います。

① 食事
② 尿の状態
③ 便の状態
④ 水を飲む量
⑤ 歯の状態
⑥ 毛艶と皮膚の状態
⑦ 歩き方、走り方
⑧ 体重の増減
⑨ 呼吸の状態
⑩ 表情


これらの項目は元気な時には気にならないことも多い内容ですが、体に異変・不調が起こった時にそのサインが出やすいポイントで、健康を維持するうえで重要な項目です。

こうした項目を普段から気にする習慣をつけ、健康な時の状態を把握しておくことで体に何か問題が生じたときにその変化を感じ取りやすくなり、ペットたちを苦しみから早く救うことにつながるのです。

またここに挙げられていない項目についても、普段からペットとよくスキンシップをとっておくことで様々な異常に気づくことができます。

つまりペットの健康を守るのは、日頃の観察とペットとの日々のふれあい、とも言えそうです。

食事管理を見直しましょう。

ペットの健康管理を語る上で、食事管理は欠かすことができない重要なポイントです。

食事は栄養となって体を作るとともに、体を動かすためのエネルギーとなります。
体の状態に合った食事を摂っていれば健康増進につながりますし、体の状態に合っていない食事を摂ってしまうと病態を悪化させてしまうこともあるのです。
また食欲は体調の良し悪しを判断するわかりやすいバロメーターでもあります。

食事に関するチェックポイントは、食事内容、食事量、食べる速さなどがありますが、それだけでなく食べている時の様子も少し気にしてみましょう。

まずは食事内容ですが、犬も猫もライフステージに合ったバランスの良い食事を選択することが重要です。
バランスの取れた食事としては総合栄養食として販売されているペットフードがおすすめです。
ホームメイドの食事を与えることも否定はしませんが、体が必要とする様々な栄養素をバランスよく配合して毎食作るのはなかなか難しく、相当な勉強が必要になります。

特に成長期の子犬・子猫には高栄養の成長期用のフード、高齢期の動物では胃腸に負担がかかりにくい消化性の高い低脂肪食をベースにするなど、食事選びには気を付けたいところです。
また消化器疾患を抱えている動物、食物アレルギーのある動物、腎臓疾患や尿路疾患のある動物では食事の選択自体が治療の一環にもなります。

食事を与える時は、一回に与える量をカップや計りで測って与えるようにしましょう。
そうすることで食べた量を把握することができ、残した場合もその量を把握することができます。
多頭飼育の場合は一頭一頭がちゃんと食べているかを確認しましょう。
ご飯を残しているのに他の犬猫がその残りを食べてしまい、食欲の低下に気づくのが遅れてしまうこともあります。

またいつもと同じ位食べていても、歯や顎、舌に異常がある場合には食べるのに時間がかかったり食べこぼしが増えたりします。
硬いものが食べづらくなっている場合は歯周病などの口腔内トラブルが起こっていることが多いため、一度病院でお口のチェックをしてもらうと良いでしょう。

排尿・排便のチェック

尿や便の状態も健康のバロメーターの一つです。

まず尿ですが、排尿の回数、尿の色、臭い、一回の排尿量、排尿時の行動に変化がないか気を付けてみてみましょう。

ペットシーツで排泄するワンちゃんは比較的尿の状態を把握しやすいですが、外での排泄が習慣になっているワンちゃんや猫砂に排泄する猫では尿の色や一回の尿量などがわかりにくいことがあります。
そんな時は排泄中の様子を観察し、尿の量(排尿時間)や排泄時の異常(尿が出にくい、排泄時に鳴くなど)がないかどうかチェックしましょう。

尿の異常がみられる疾患には様々なものがありますが、中でも多いのは秋~冬の寒い時期にかけて増加する尿石症や膀胱炎などの下部尿路疾患です。
これらの疾患では頻尿・血尿・排尿時の痛み・排尿困難などがみられます。

また尿量が異常に増える疾患として、糖尿病、子宮蓄膿症、ある種の腫瘍疾患、犬では副腎皮質機能亢進症、猫では慢性腎臓病や甲状腺機能亢進症などが比較的多く挙げられます。

逆に尿が出なくなる疾患もあります。
急性腎不全や腎臓病の末期には尿が作られなくなってしまうことがあり、また重度の脱水、尿路閉塞(尿管結石・尿道結石・膀胱腫瘍など)などで尿が排泄できなくなってしまうこともあります。
このような場合には吐き気など尿毒症に伴う他の症状も同時に現れるはずです。
尿が出ていない場合は緊急治療が必要ですので、排尿状態は必ずチェックしましょう。


尿だけでなく、便のチェックも健康状態の把握に役立ちます。

便は適度な硬さの固形状の便が一日に1~2回出るのが理想的ですが、食事内容による部分や個体差もあるため、愛犬・愛猫の一日の排便回数はそれぞれ把握しておくと良いでしょう。
成犬・成猫で普段から便の回数が一日に6~7回など多い場合には、食物アレルギーなど食事が体に合っていないケースが考えられます。
ただし子犬や子猫の場合は消化管が未発達で排便回数が多いこともあるため、異常かどうかわからない場合はかかりつけの病院で便検査も兼ねて一度相談してみましょう。

お腹の調子が悪くなると便が軟便~下痢便となり、排便の回数が増え、病態によっては出血を伴って便の色が黒くなったり血が混ざって赤くなることもあります。
また消化不良などが起こると便のにおいがいつもよりきつくなり、大腸炎などでは便が出ないのに排便姿勢を繰り返す「しぶり」などがみられることもあります。

便の異常がみられる子犬・子猫期に多い疾患は消化管内部の寄生虫です。
回虫や条虫、原虫など様々な消化管内寄生虫がいることがあり、吐き気や下痢の原因となるだけでなく、体の小さな子犬や子猫では下痢による脱水も起こりやすいので、できるだけ早く駆虫してあげたいところです。

また命を脅かす病気としてはパルボウイルス感染症があげられます。
重度の腸炎によって血便や下痢を繰り返し、脱水や白血球の減少によって幼犬・幼猫では致死率も高い怖い病気です。

成犬・成猫期~高齢期の便の異常は消化管の炎症や食物アレルギー、腫瘍などが原因のこともあります。
また猫(稀に犬でも)では慢性的な便秘の原因として「巨大結腸症」になっていることがあり、自力での排便が難しい状態に陥っていることもあります。

便が毎日出ているか、便の状態や回数に異常はないか、便の中に異物や虫のようなものが入っていないかどうか、トイレを掃除する時に軽くチェックしておくようにしましょう。

尿や便の異常がみられた場合は、できれば尿や便を持参して、できるだけ早く病院を受診しましょう。

飲水量の増加に注意!

水を飲む量は季節によって、あるいは生活環境や運動量によって変わりますが、明らかに異常な量の水を飲んでいると感じたら一度病院を受診しましょう。

飲水量が増える病気には様々なものがあります。
比較的多いものとしては、糖尿病、腎臓病、ホルモン疾患(副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能亢進症)、子宮蓄膿症などです。
稀ですが尿崩症という病気もあります。

犬で割と多くみられるのは糖尿病、副腎皮質機能亢進症、猫では糖尿病と慢性腎臓病、10歳以上の高齢猫では甲状腺機能亢進症です。

飲水量が増えている時には必ずと言っていいほど尿量も増えているため、合わせて「多飲多尿」とも言われます。
体重1kgあたり100ml(3kgの犬猫では300ml)以上の水を飲んでいるようであれば注意が必要ですので、上記のような疾患が起こっていないかどうか尿検査・血液検査などをしてもらいましょう。

多頭飼育の場合、食事量や飲水量の変化に気が付くのが遅れがちです。
水飲み場に長くいる、水入れが空になっていることが多いなどといった変化があった場合には、どの子がたくさん水を飲んでいるのか一頭一頭、個別に観察してみましょう。

スキンシップで健康チェック!

ペットとのスキンシップは健康状態をチェックする絶好の機会です。

体を触ることで、例えば毛や皮膚の状態、口や耳のにおいや眼の状態の変化、体の表面にできるしこりの有無などに気づくことができますし、お散歩や室内での遊びを通しても、歩き方や行動の変化(ジャンプしなくなった、段差を越えられないなど)に気づけます。
中にはペットの表情から不調のサインを感じて病院を受診される飼い主さんもいます。

健康な動物は毛並みがよく、目も潤ってキラキラと輝いており、飼い主さんとのコミュニケーションも良くとれるものです。

そんな犬猫に不調が起こった時、比較的変化が出やすいのが毛や皮膚の状態と表情です。
普段ツヤツヤとしている毛がパサついていたり、抜け毛が多い、異常にフケが出る、また猫では毛づくろいをしなくなるために毛玉ができやすくなることがあり、お散歩や遊びに誘っても上目遣いになってあまり動きたがらず元気がない様子などが見られます。

顔の変化では、目の開きが小さい、瞬膜(目の内側にある白い膜)が出たままになっている、目やにや鼻水が出ている、涎を垂らしている、鼻や舌が乾いている、舌や歯茎の色が白っぽい・黄色っぽいあるいは青っぽい、などといった変化がみられることがあります。

運動に関しては、普段走り回るような子がとぼとぼと歩いている、遊びに誘っても遊ばない、ジャンプしない、びっこを引いて歩く、寝てばかりいる、抱き上げるとどこかを痛がって鳴く、少し動くと呼吸が荒くなるなど、様々な変化が不調のサインとして現れます。

このような変化は体調不良を検出できるだけでなく、体に起こっている異常がどこにあるのかを突き止める重要なヒントにもなりますので、おかしいと感じたポイントをメモしておき、病院を受診する際に伝えられるようにしておきましょう。


ペットが寝ている時はその胸の動きに少し注目してみてください。

ゆっくりとしたリズムで穏やかに呼吸している場合は問題ありません。
犬猫の呼吸数の目安は安静時(睡眠時など)には15~25回程度です。
個体差や環境温度にもよりますが、一般的に小型犬や猫など体の小さい動物の方が少し呼吸数が多く、大型犬など大きな動物の方がより深いゆっくりとした呼吸をします。

寝ているのに呼吸が浅くて速い場合や、咳などで起きてしまう場合、起きている時も呼吸が速く舌の色が青っぽい、鼻がつまっているような音がする、猫が口を開けて呼吸しているなどという場合は、呼吸器や心臓に問題があることが考えられます。

普段の安静時の呼吸数を知っておくと、そのような異常が起こった場合にも早く気づいてあげられます。
起きている時は興奮状態などによって呼吸数は変化しますので、寝ている時に一度数えてみると良いでしょう。

お口の中を覗いてみましょう。

飼育されている多くの動物が歯や歯茎に何らかの異常を抱えていることが多いのをご存じでしょうか?

犬や猫の場合、2歳以下であっても約70~80%が歯肉炎を起こしており、そのままにしておくと将来的に歯周病などを起こす可能性が高いと言われています。

歯磨きができる子や、歯磨き以外のデンタルケア(歯磨きガムやデンタルケアに特化した食事、デンタルリンスなどの口腔ケア用品)を行っている場合は歯周病の発生リスクをある程度抑えることができますが、歯磨きを嫌がる子、特に猫では歯磨きが難しいことが多く、ヒトのように毎食後歯磨きをすることが習慣化している動物の方がまだ少ないかもしれません。

しかし歯の状態は年をとるにつれて徐々に悪化していきます。
ヒトのように齲歯(虫歯)になることはあまり多くありませんが、むしろ多いのは歯周病です。

歯肉炎や歯周病を起こすと硬いものが噛めなくなる、食べる時に痛みが出る、食事に時間がかかる、口の片側でしか噛まなくなる、口臭がきつい、涎で口の周りが汚れがちになる、口の中から出血する、歯が抜けるなどといった症状が現れます。
また歯根部に膿が溜まり顎や頬が大きく腫れたり、その一部が破れて膿がたくさん出てくることもあります。
さらに、顎の骨が小さくて薄い小型犬では、歯周病によって下顎骨が溶け、硬いものを噛んだ際や転んだ際に顎骨を骨折してしまうこともあります。

歯の異常は食べる楽しみを奪い、慢性的な痛みによって生活の質を大きく損なうだけでなく、歯周病菌が体内に入ることで心臓などの内臓にも悪影響を及ぼすことが知られています。

そうならないためにも、小さい時から口を触られることに慣れさせておき、できれば歯磨きやそれに代わるデンタルケアなどを積極的に取り入れるようにしましょう。
口臭や歯茎の状態も定期的にチェックできるようにしておくとより安心です。

健康診断を上手に活用しましょう。

多くの場合、予防接種や寄生虫予防(ノミ・ダニ予防や犬ではフィラリア感染症予防など)のために年に一度は病院を受診する機会があると思います。

その際、一緒に健康診断をしてもらうことをお勧めします。
特に犬の場合はフィラリアの抗原検査などで採血をすることが多いため、その時に少しだけ血液を多くとってもらえば内臓や血液の状態を把握する検査ができます。
また病院を受診する際に尿や便を持参すれば尿検査や便検査も可能です。

健康診断をどこまで行うかは動物の年齢や持病の有無、ペットが検査を許容できるかどうかなどによっても選択肢が異なるでしょうが、少なくとも体重を測り、体を触ってもらい、心臓・肺の音をチェックしてもらうことはできますので、予防接種などを定期的に行い、病院で診てもらう機会を逃さないようにしましょう。

病院受診時には、体重の増減などについてアドバイスをもらえることがあります。

ヒトにとってそうであるように肥満は万病の元と言われ、動物にとっても健康を害する原因の一つです。
心臓や関節への負担に加え、糖尿病の原因にもなり、暑い夏季には熱中症を発症しやすくなります。
また麻酔処置が必要な際に麻酔リスクが高くなることも重大な問題です。
愛犬・愛猫を肥満にさせないために、適切な食事管理と適度な運動を心がけましょう。

また極端に痩せているのも病気のサインです。

高齢期には筋肉が落ちやすいため若い時に比べて痩せて見えることが多いものですが、猫の甲状腺機能亢進症などのホルモン疾患や、持病の内臓疾患(心臓病、腎臓病、糖尿病など)の経過があまり良くない場合、消化管内に寄生虫がいる場合や腫瘍性疾患等では食べているのに痩せてしまうことがあります。

動物病院でなくても、抱っこが可能であれば中型犬くらいまでは自宅でも体重測定は可能です。
飼い主さんがペットを抱っこしてヒト用の体重計に乗り、そのあと飼い主さん自身の体重を測って差し引くだけです。

見た目の太り具合、痩せ具合で判断がつくことも多いですが、時々飼い主さんの体重測定と同時にペットたちの体重も測ってみて、体重の推移を記録してみるのはどうでしょうか?
もしかしたらそれが重大な病気の早期発見につながるかもしれません。

終わりに

ペットは言葉を話せませんが、体に不調が起こった場合にはここでご紹介したような何らかのサインを示してくれています。
そんなSOSサインをいち早く感知するためには、日頃からペットの様子をよく観察し、より多くのスキンシップを図っていることが大きな助けになります。

我々ヒトが落ち込んでいたり具合の悪い時には癒してくれることもあるペット達、そんな彼らがいつまでも健康で元気でいてくれるように、私たちもペットとのふれあいを大切にし、体調不良を見逃さないようにしたいものですね。

ページ先頭へ SSL グローバルサインのサイトシール