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猫に歯磨きは必要?そのやり方とコツとは?

愛玩動物飼養管理士
大雄寺輝美
[記事公開日]  [最終更新日]
日頃から猫のために行いたいのが歯磨き。
歯垢や歯石を放置すると歯周病など口の中の病気になるばかりでなく、他の内臓の病気まで引き起こしかねないので、適切なケアが必要です。
この記事では、猫に歯磨きが必要な理由と歯磨きのやり方やコツについてまとめました。
[ 目次 ]
    猫に歯磨きは必要?そのやり方とコツとは?

    猫に歯磨きは必要!歯磨きで予防できる病気とは


    日頃から愛猫のために行いたいのが歯磨き。
    現代に生きる特に家猫は歯石が付きやすいため、子猫の頃から歯磨きを習慣とすることをおすすめします。
    「猫と同じ肉食科の野生動物は歯を磨かないのになぜ猫は必要?」と思われるかもしれませんが、その理由としては食べ物の違いが挙げられます。野生動物は生の肉や腸管を食糧とし、その中の強靭な繊維によって歯の表面の歯垢が削ぎ落とされています。対して現代の家猫はドライフードはもちろん、ウェットフードやおやつなど柔らかく細かくなりやすいものを食べているため肉などに比べて食べかすが残りやすく、結果歯垢や歯石が付きやすくなっているのです。
    食べかすの中で細菌が増殖したものである歯垢は唾液によってある程度は取り除かれますが、それが溜まるとカルシウムなどが付着して歯石になります。歯石の表面には歯垢がたまりやすいのですが、付いてしまった歯石を落とすには動物病院でリスクを承知の上で全身麻酔をかけて行うほかありません。
    歯垢や歯石を放っておくと、口腔内の病気やそれをきっかけとした内臓の病気までも引き起こしてしまうリスクがあるため、猫の健康を守る上で歯磨きは必要不可欠なケアなのです。
    それでは、猫に歯磨きをすることでどんな病気を予防できるかを見ていきましょう。

    ◇歯肉炎
    3歳以上の猫の80%がかかっているとされるのが歯周病。
    歯周病は歯肉炎と歯周炎の総称です。
    歯石の表面にたまった歯垢の中の細菌が歯と歯茎の間に入って炎症を起こした状態を歯肉炎といいます。
    初期は歯肉(歯茎)が赤くなって腫れるくらいですが、やがて口臭がひどくなり、頻繁によだれを垂らすようになり、食欲不振にも。

    ◇歯周炎
    歯肉炎がひどくなったのが歯周炎です。歯の周りがえぐれていわゆる歯周ポケットができます。歯の周りは化膿し、歯周ポケットに膿がたまることも。
    歯の根元の骨も侵されて弱くなり、歯がぐらぐらしてついには抜けてしまいます。
    また歯の周りの細菌が毒素を作るため、軽い中毒症状を起こすことがあります。

    ◇心臓疾患・腎臓疾患・肝臓疾患
    炎症を起こした部分から細菌(歯周病菌)が侵入し、血流に乗って心臓や腎臓、肝臓など重要な臓器にまで運ばれ、病気を引き起こすおそれがあります。

    歯磨きのやり方とコツ


    歯磨きが猫の健康を守る上で大切であることを理解していただけましたでしょうか。ではここからは具体的に歯磨きのやり方とコツを紹介したいと思います。

    ◇子猫のときから歯磨きの習慣をつけさせると楽
    爪切りやブラッシングなどその他の手入れと同様に言えることですが、歯磨きも幼いうちから慣れさせておくと簡単にできるようになります。

    ◇口元をいじることに慣れさせる
    大抵の猫は始めは歯磨きを嫌がるので、飼い主が口をいじることに徐々に慣らしていきましょう。猫がリラックスしている時に、顔を撫でその延長で口や歯にタッチしてみてください。口周りを触らせてくれたら次は口の中、次に前歯、奥歯というように焦らずステップアップしていきましょう。

    ◇歯磨きペーストやペースト状おやつを上手に利用する
    日頃からのケアとして歯磨きを定着させるためには猫に歯磨きを好きになってもらうのが一番の近道です。口元を触る際に、チキンなどのフレーバー付きの歯磨きペーストやペースト状おやつを使うとスムーズに進むでしょう。猫にとって「口を触られる」=「良いことがある」というポジティブなイメージをつけ、歯磨きへの抵抗をなくしていってください。無理やり事を運ぶと猫との関係にも影響するので、焦らずじっくり、腰を据えて取り組むことが大切です。

    ◇指に巻きつけたガーゼで優しくこする
    口を触ることに猫が慣れてくれたら、次は指を使っての歯磨きに進みます。
    猫の唇をめくり、歯をむき出しにさせます。口を大きく開かせようとすると嫌がるので気をつけてください。ガーゼなどキメの粗い布を指に巻き、歯磨きペーストを付けて、歯全体を優しくこすりましょう。磨きやすい犬歯と切歯(前歯)から始め、汚れやすい奥歯は丁寧に。猫が嫌がったらその時点でストップして後日に持ち越し。1日1本磨ければ良しとするくらい根気よくいきましょう。

    ◇猫用の歯ブラシで優しく磨く
    ガーゼでの歯磨きに慣れたらいよいよ歯ブラシでの歯磨きへ。ただし人間用の歯ブラシを使うのはNGです。大きさが猫の口に合っていないのはもちろんですが、猫の歯のエナメル質は人間よりずっと薄いため、専用の柔らかい毛で磨かないと歯を傷つけてしまうからです。動物病院やペットショップで購入できるので、必ず猫用の歯ブラシを入手してください。猫の口に優しく歯もしっかり磨くことができる、ヘッドが小さいタイプがおすすめです。無理に口を開かせようとせずに、唇だけを広げるようにします。
    磨く際は、歯の付け根部分が最も汚れやすいので、歯と歯茎の境目に斜め45度くらいの角度で歯ブラシを当て、歯垢をかき落とすように磨きましょう。ゴシゴシするのではなく小刻みに動かして1本ずつ磨いていきます。汚れがひどい黄色や茶色の部分を重点的に行いましょう。

    ◇歯磨きが終わったらご褒美をあげる
    先程も触れましたが、猫にとって「歯磨き」=「良いことがある」というイメージを定着させましょう。おやつ、遊び、マッサージなど猫が好きなものを与えてください。そうすることによって徐々に歯磨きが好きにさせ、結果的にそれが猫の健康を守ることにつながっていきます。

    ◇歯磨きの頻度の理想は毎日
    歯垢が石灰化して歯石になるまでの期間は猫の場合1週間程度といわれているので週に2〜3回は磨きたいところです。1日1回を目標に、少しずつ頻度をあげていけるとよいでしょう。

    歯磨きと併せて取り入れたいデンタルケア


    愛猫に歯磨きをする具体的なイメージが湧いてきましたでしょうか?それでは最後に
    歯磨きと併せて取り入れていただきたいデンタルケアをご紹介します。

    ◇動物病院で歯石を除去してもらう
    すでに猫の歯に歯石がびっしりと付いてしまっている場合、その状態で歯磨きをしても効果的ではないため、動物病院での歯石除去を検討してはいかがでしょうか。
    全身麻酔をする必要があるため、体へのリスクについて医師と充分相談の上行ってください。

    ◇毎年の定期検診で獣医にチェックしてもらう
    毎年の定期検診やワクチン接種の際に口腔内の状態も必ずチェックしてもらってください。歯磨きのやり方が適正であるかも判断してもらい、より効果的な方法をアドバイスしてもらうとよいでしょう。

    ◇デンタルケア用ドライフード・おやつ
    大きさや形を工夫することで歯垢・歯石が蓄積しないブラッシング効果が期待できるものがたくさんありますので試してみてはいかがでしょう。

    ◇デンタルケア用おもちゃ
    噛んで遊ぶことで歯垢をかきとることができるおもちゃです。メッシュ素材、
    麻縄素材など様々なので愛猫の好みのものを選んであげてください。

    歯磨きは猫の健康作りに欠かせないケアです。毎日少しずつでもよいので定着させていきましょう。猫にとって「歯磨き」=「良いことがある」というイメージを持ってもらうことを念頭に、根気よく挑戦してみてくださいね。
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