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最先端の獣医療。ペットの医療もここまで来た!

獣医師
齋藤厚子
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様々な分野に期待される再生医療

ヒトの医療では近年iPS細胞などを使用した再生医療が話題になっていますが、獣医療の世界でも10年以上前から培養幹細胞による再生医療が研究され、臨床に応用されてきました。
当初は実施できる病院が少なかった治療方法ですが、現在では研究・教育が進み、トレーニングを受けた一般開業医も増えつつあるため、各地で治療が可能となったほか、中には再生治療を専門とするセンターなども設立されています。

今後も非常に期待の高まる分野の一つですが、再生医療とはどんな治療なのでしょうか?

生物の体は、幹細胞という未熟な細胞が分裂して増殖しながら分化(成長)して、神経細胞や皮膚の細胞、筋肉の細胞など、それぞれの器官を構成する細胞となり、それらが集合して体全体を作っています。
この幹細胞を人工的に培養して増殖させて投与することで、損傷した組織の回復を図る治療が再生治療です。

再生医療に利用が期待される幹細胞にはいくつか種類がありますが、犬猫の医療では主に体性幹細胞と呼ばれる骨髄や脂肪組織内に存在する幹細胞(間葉系幹細胞)を使用しています。
投与された幹細胞は、体内で損傷や炎症が起こっている部位から出る信号をキャッチして移動し、そこで修復に必要な様々なサイトカインという物質を分泌して組織の回復を促進すると考えられています。

再生医療が治療方法として期待される疾患は、一般的な外科治療・内科治療では治療困難な難治性の疾患が対象で、代表的なものは椎間板ヘルニアなどによる脊髄損傷です。
重度の椎間板ヘルニアは、手術を行っても下半身の麻痺が残ることがあり、車椅子での生活を余儀なくされてしまうことが多い疾患としてもよく知られています。

このような症例に骨髄や脂肪細胞をもとに培養した幹細胞を投与することで、損傷した脊髄の神経組織が修復され、麻痺症状の改善が見られることがあります。

この再生医療は、骨折後の骨癒合不全や肝不全、腎不全の治療にも効果を発揮することがある他、間葉系幹細胞には過剰な免疫反応を調整する作用もあると考えられており、難治性の自己免疫疾患(乾性角結膜炎、免疫介在性溶血性貧血、慢性腸炎、アトピー性皮膚炎など)の治療にも応用されています。

とはいえ、幹細胞による再生医療は万能薬ではありません。
期待した効果が見られる場合もあれば、思ったように改善が見られない場合もあります。
また、治療費用は高額となることが多く、疾患に対する基本的な内科治療を併用することも必要です。
治療を検討する場合には、担当の獣医師から十分なインフォームドコンセントを受けましょう。

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腫瘍疾患への治療の変化

ペットの高齢化に伴い、シニア猫・シニア犬での腫瘍性疾患の発生率は非常に高くなりました。

腫瘍の治療方法は、腫瘍の発生部位や腫瘍の種類、進行程度によって様々ですが、悪性固形腫瘍の場合は外科切除+補助療法(抗がん剤や放射線療法、ホルモン治療など)がメインでした。
この基本的な流れは今も変わらず、早期発見・早期治療が最も重要であることは言うまでもありませんが、補助療法には少し変化が起こっています。

① 分子標的薬の登場
以前は「腫瘍の内科治療=抗がん剤療法=副作用が強い」というイメージが強く、さらに経済的な負担も大きいという理由から、治療をあきらめてしまう飼い主さんも多くみられました。

しかし近年は「分子標的薬」というお薬が一部の腫瘍の治療に有効であるとして使用されることが多くなってきています。

分子標的薬とは、ある種のがん細胞に特異的に発現する異常増殖に関わる分子をターゲットとし、その機能を抑制するお薬です。
特に肥満細胞腫という腫瘍の治療に使用されることが多く、治療薬として動物用の分子標的薬が認可され販売されてもいます。

分裂が盛んな細胞に作用する従来の抗がん剤と異なり、正常な骨髄細胞や消化管の細胞には作用しないため、重篤な副作用が出にくいというメリットがあります。
また飲み薬として投与できるため、自宅での治療が可能です。

さらに分子標的薬は肥満細胞腫の治療だけでなく、他の腫瘍の治療にも応用されつつあり、今後もその適用範囲が広がることが期待される治療方法です。

② 放射線療法の進化
放射線治療も、従来のものより安全性の高いものに進化しつつあります。
放射線治療は、腫瘍部位に放射線を照射することで腫瘍を縮小させたり、腫瘍による疼痛の緩和を目指す治療方法ですが、隣接する正常部位に起こる放射線障害が副作用として問題になるため、一度に照射できる放射線量や適応できる部位が限定されます。

最新の放射線治療装置ではコンピューターによる位置決めや放射線量計算を行うことで、より精密で、できる限り正常組織への被爆を防ぎながらより効果的な腫瘍への照射ができるようになってきています。

しかし放射線治療設備は大学病院や高度医療センターなどにしか設置されていないため、治療可能な施設数はまだ限定的です。

③ 免疫療法
免疫療法もまた、新しい治療方法の一つです。
この方法は体内の免疫細胞を使用した細胞治療で、以下の様な方法があります。

・活性化自己リンパ球移入療法
患者の血液から、免疫細胞であるリンパ球を取り出して活性化・増殖させ、体に戻す治療方法です。
体の免疫力を高める効果があり、ガンの進行を抑制する効果や生活の質を改善する効果が期待されます。

・樹状細胞療法
患者の血液から免疫細胞の一種である単球という細胞を取り出して腫瘍細胞を認識させ、腫瘍細胞に対する免疫を持つ樹状細胞を培養し、体に戻す治療方法です。
この樹状細胞は、体内でリンパ球にガン細胞を攻撃するように命令を出すため、ガンに対して特異的な免疫を活性化させることができます。

このように、腫瘍に対する治療には選択肢が増え、それらを組み合わせることによって動物の体にかかる負担を抑えつつ、効果的な治療を行うことができるようになってきました。

しかし、先にも述べましたが、腫瘍の治療の大原則は早期発見・早期治療です。
治療法が進化しているとはいえ、腫瘍を効果的に治療するためには、飼い主さんがペットたちの体調不良により早く気付いてあげることが最も重要なのです。

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重度の心臓病への外科適応

心臓病は高齢の動物で多く見られる疾患ですが、特定の品種では比較的若いうちに発症することがあり、一部では先天的な異常(奇形)として1歳未満の動物でも問題になる疾患です。

若齢での発症や先天性心疾患では重症度によっては寿命を非常に短縮してしまうこともあり、早期診断・早期治療開始が重要な疾患の一つでもありますが、内科的に治療を行っても完全に進行を止めることはできません。
症例によっては外科手術が必要となるケースもあります。

近年は動物の循環器に特化した専門医教育が積極的に行われ、以前から行われていた先天性心疾患に対する治療に加え、非常に難易度の高い開心手術(僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術など)も各地域で行われるようになってきています。

動物の心臓病の外科手術適応には以下の様なものがあります。

・動脈管開存症
大動脈と肺動脈の間には、血液循環を効率よくするために胎児期にだけ動脈管という血管があります。
通常は生後間もなく閉じて血流がなくなるのですが、稀に動脈管が残り心臓に負担をかけてしまうことがあります。
この場合、カテーテルを介して動脈管を閉塞させる医療器具を入れたり、開胸して動脈管を直接結紮して閉じる手術が必要になります。

・心房中隔欠損、心室中隔欠損
正常な心臓は右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋に分かれていますが、右心房と左心房の間あるいは右心室と左心室の間に穴が開いた状態で生まれてしまうことがあります。
これを心房中隔欠損あるいは心室中隔欠損といいます。

穴が小さい場合には経過観察することもありますが、穴が大きく心臓に負担をかけてしまう場合は、カテーテル治療または人工心肺を用いて手術で穴を閉じます。

・肺動脈狭窄症
肺に血液を送る肺動脈が狭くなり、血液が流れにくくなる病気です。
軽度の場合は無治療あるいは投薬治療で経過観察することもありますが、重度の場合は右心系に負担がかかるため、カテーテルを介してバルーン拡張術という治療を行います。
カテーテル治療では効果が不十分な場合には、人工心肺を用いて肺動脈を切開し拡張する手術が必要になります。

・僧帽弁閉鎖不全症
高齢の動物(特に小型犬)でよく見られ、特定の犬種では若齢でも発症することがある心臓疾患です。
左心房と左心室の間にある僧帽弁という弁がうまく閉じなくなり、左心房に血液が逆流してしまうことで心臓や肺に大きな負担をかけるようになります。
一般的には内科治療を行いますが、投薬していても進行を完全に止めることはできず、重症化すると肺水腫などを起こし命の危険に陥ります。

重度の僧帽弁閉鎖不全症は、人工心肺装置を使用した僧帽弁形成術を行うことで、症状の改善、投薬量の減量や休薬が可能となることがあります。
手術では心臓を切開し、弁を支える腱索の再建や、伸びきった僧帽弁の付け根を縫い縮める弁輪縫縮などが行われます。
非常に高い技術を要する手術ですが、少しずつ実施可能な病院が増えてきています。

・徐脈性不整脈
不整脈によって失神する、ふらつくなどといった症状が現れる病気です。
心臓を動かす電気信号が正常に発生しなくなっているために起こります。
ヒトと同様に心臓にペースメーカーを装着して治療します。

このように、ヒトで行われるような心臓の手術も少しずつ動物の医療の世界で行われるようになってきました。

しかし、ヒトに比べ体の小さい動物ではより繊細な技術が必要となり、特殊なトレーニングを受けた専門医と、それを支えるチームが存在しなければ手術はできません。
そのため、治療可能な施設は非常に限定的となり、手術が必要と診断されても手術待ちの期間が長く発生することもあります。
また、心臓が悪い状態で麻酔をかけるリスクや、高額な治療費がかかることもよく理解しておかなくてはなりません。

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終わりに

今回は最先端の治療のなかから一部を抜粋してご紹介しました。
これらの他にも例えば予防歯科の意識の高まりや、皮膚病治療における脱ステロイド傾向など、様々な分野において新しい知識や治療方法が研究され、獣医療は日々発展しつつあります。

しかし、ご紹介させていただいた治療方法は、全ての症例に直ちに実施できる方法とは限りません。
病気の進行状況や他の病気との兼ね合い、また治療可能な施設が近隣にあるかどうかなどの制約があり、治療費は高額となることが多く、また同じ病気のペットに同じ治療を行ってもその治療反応はそれぞれ異なります。
特に再生治療などは、万能薬であるかのような誤解をされてしまうこともありますが、中には思ったような良い結果が出ないこともあります。

それらを踏まえたうえで、大事な家族に万が一の場合が起こった際に後悔のない選択ができるよう、これからの獣医療の展開にも興味を持っていただければ幸いです。

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