キャットフード選びの参考に!老猫に必要な原材料とは?
キャットケアスペシャリスト
古川 諭香
[記事公開日] [最終更新日]
また、完全室内飼いだと刺激が少ないため、外へ自由に出られる猫よりも認知症にかかる確率が高いといわれています。
この記事では、老猫の健康をサポートできるキャットフードとはどんなものなのかをご紹介いたします。
[ 目次 ]
猫のシニア期は何歳からなのか?
猫は、人間のおよそ4倍速で年を重ねていき、6~7歳頃(人間の年齢にすると41歳~46歳程度)から徐々に老化現象が見られはじめます。
老化現象は12歳頃で顕著になり、見た目や行動にも変化が見られるでしょう。
1.視覚、聴覚などの五感が衰えはじめる
2.筋力が衰え、運動量が少なくなる
3.反射神経が鈍くなる
4.一日中、眠っているようになり、睡眠も深くなる
5.毛ヅヤがなくなり、白い毛が混じるようになる
6.活動量の減少に伴って飲水量が減るため、脱水を起こしやすい
愛猫のこうした変化は、老化のサインです。
また、完全室内飼いが増えてきた近年では、刺激の少ない生活を送る猫が認知症を患ってしまうことも多くなってきています。
認知症になると粗相が始まったり、徘徊をしたりするだけでなく、飼い主さんに噛みつくようになってしまうことも。
こうした老猫の体の変化は、キャットフードの原材料にこだわることでケアしてあげましょう。
どんな栄養素が入ったキャットフードを選ぶべき?
1.DHAやEPA配合のフードで認知症予防
青魚に多く含まれているDHAやEPAは脳の活性化や被毛の健康維持だけでなく、血液をサラサラにしてくれる効果が期待できるとされています。
ただし、青魚そのものを猫に与えてしまうと、不飽和脂肪酸の過剰摂取で「黄色脂肪症」という病気を引き起こしてしまう危険性があるので、キャットフードやサプリメントで補うようにしましょう。
また、同じく不飽和脂肪酸の一種で魚油に含まれているエイコサペンタエン酸も認知症の改善に効果が期待できます。
2.肥満予防は低カロリーフードで
シニア期は活動量が減るので、低カロリーキャットフードで肥満を予防していきましょう。
その際は、穀物ではなくお肉やお魚が第一原料(パッケージの最初に記載されている原料のこと)のフードを選ぶことがポイント。
猫は肉食動物なので穀物をうまく消化できず、下痢や嘔吐を引き起こすことがあり、穀物アレルギーを持っている子はアレルギー反応が見られてしまうこともあります。
下痢や嘔吐は体力のない老猫にとって大きな負担となるので、注意しましょう。
また、老猫は消化機能が低下しているため、高タンパクなフードだと便秘を起こしてしまいます。
ですから、高タンパクよりも良タンパクなフードを与えたり、食物繊維を適度に摂取させたりしていきましょう。
3.クランベリーで下部尿路ケア
猫は濃度の濃い尿を出すため、腎臓には大きな負担がかかります。
蓄積した負担は尿路結石や膀胱炎などの下部尿路系の病気になってしまうことも多いもの。
こうした病気を予防できるといわれているのが、クランベリーです。
クランベリーに含まれている「キナ酸」は尿を酸性に保ってくれるため、尿phがアルカリ性に傾くことで起きる「ストルバイト結石」を予防してくれるといわれています。
ストルバイト結石は猫が水を飲まないときに発症しやすいもの。
だからこそ、クランベリーは飲水量が減るシニア期にもおすすめです。
さらに、クランベリーには殺菌作用もあるので、膀胱炎予防にも繋がります。
ただし、尿phが酸性に傾くことで起こる「シュウ酸カルシウム結石」の猫には与えないよう気を付けましょう。
キャットフードの切り替え方
キャットフードは、老化の兆候が見られ始めた頃に切り替えていくことが大切です。
顎の力が衰えてきたり、歯周病を患っていたりする場合はシニア用の柔らかいフードをチョイスしていくのもおすすめです。
ただし、いきなりフードの切り替えは胃腸に負担をかけてしまうので、今まで食べていたものに新しいフードを1割ほど混ぜていき、徐々に割合を増やしていくことで切り変えていきましょう。
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