■病気や体調不良をいち早く発見できる
何よりも大きなメリットは定期的な健康診断を受けることで、愛犬・愛猫の病気や体調不良をいち早く発見できること。急病はもちろん、なんらかの持病を見つけやすいこともメリットです。
特に猫は、具合が悪いことを隠す傾向があります。定期的に検査をすることで、早めに体調不良を見つけることが可能です。
持病があっても定期的な通院をして検査をしていれば、他の病気にかかってもすぐに気づいてあげることができます。
■早期治療、治療費の軽減
早期に病気を発見できることは、それだけ治療にも早く取り掛かれるということ。早期治療は、治療費の負担の軽減にもつながっていきます。
■健康なときのデータをとることができる
健康なときのデータがあることで、体調の変化があったときも比較しやすくなります。具合が悪くなってからの検査データだけより、健康なときのデータがあれば「いつもと違う」ことが明確になります。
また前年度やその前の年など、データを比べることで「年々太ってきている」「少しずつ体重が減っている」などにも気づくことが可能です。「なんとなく太ったかな?」「少し食欲が落ちた?」という感覚よりも、獣医師が検査した値で判断できるので確実ですね。
たとえ検査結果の数値が正常範囲内だったとしても、急に数値が下がったり上がったりしたときは、病気の予測もしやすく「これから気を付けよう」ということもわかりやすくなります。健康診断をしてデータを取っておくことは、大変重要なことです。
■動物病院と親しく
いざ具合が悪くなってから初めて動物病院に連れて行くことは、愛犬・愛猫はもちろんオーナー様自身も不安なもの。健康診断はもちろん、ワクチン接種やノミ・ダニ予防などで動物病院に行くことは、愛犬・愛猫の不安もかなり減らすことができます。
愛犬・愛猫の健康を生涯にわたって見てもらうのですから、動物病院との相性も大切です。健康診断なら落ち着いて対応でき、獣医師やスタッフとの相性がわかるのがメリット。「元気なときこそ動物病院に行く」ということが愛犬・愛猫の健康管理には大切です。
■一般的な身体検査
問診:オーナー様は、愛犬・愛猫の生年月日や日頃の食事内容、量、頻度、尿や便の回数などを話します。気になる行動があったらここで相談してもいいでしょう。
■視診
愛犬・愛猫の体を見ます。体型や毛つや、目、耳、口の状態や歩き方もチェックします。
■触診
身体に触って、体型を確認します。また腫れやむくみはないか、できもの、皮膚の異常はないかなども確認します。
■聴診
聴診器を使って、心臓の音や心拍数、呼吸音などを聞き取ります。またお腹の動きも聴診器で聞き取ることができます。
■血液検査
血液を採って、白血球・赤血球・血小板など「血球数」を測定します。さらに血液検査では、肝臓や腎臓など臓器の働きも確認することが可能です。
■尿検査
おしっこを調べることで、腎臓や膀胱などに異常がないかがわかります。色や濁り、泡などの確認も診断には欠かせません。
■便検査
寄生虫やウイルス、細菌感染のチェック、出血の有無、消化の状態などを検査します。
■細かい受診項目は獣医師と相談
他にも検査項目には、レントゲンや超音波、心電図検査などもあります。愛犬・愛猫の健康状態や年齢、持病などによっては加えたほうがいいでしょう。他にも歯周病の有無、眼や耳、皮膚など細かい部分の検査も必要になってくることもあります。どの程度まで検査するか、どの項目を入れるかは、獣医師とよく相談することが大切です。
ワンちゃんやネコちゃんを「動物病院大好き」にするのはなかなか大変です。愛犬の場合は散歩のときに動物病院に寄って、大好きなおやつをスタッフから与えてもらうなどして楽しい思いをさせるのも手です。必ず事前に動物病院に相談してからにしてくださいね。
特に愛猫は連れて行くのが大変、というオーナー様も多いかもしれません。ネコちゃんの出し入れがしやすい天面が開くキャリーに日頃から慣れさせておく、猫が落ち着ける洗濯ネットや袋を用意するなど工夫してみてください。どうしても無理という場合は、かかりつけの動物病院に相談してみましょう。
お家に愛犬・愛猫がやってきた年から、1年に一度は受けましょう。また高齢になってきたら、半年に一度にすると安心です。そんなに頻繁に?と思うかもしれませんが、ワンちゃんやネコちゃんは、人間よりずっと早く年をとります。人間の1年が、ワンちゃんやネコちゃんの4年に相当することを考えると、しっかり受けさせてあげたいですね。