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トリマー
坂本 はるか
犬の歯は人間とどう違うの?歯の種類やかみ合わせについて解説

犬の歯は人間と同じように生え変わる?

人間は、6歳頃から徐々に乳歯から永久歯に歯が生え変わります。実は、犬にも乳歯と永久歯があり、生後4~6ヶ月の頃に生え変わりが始まります。生え変わりの時期の子犬は、口の中に違和感を感じ、歯がムズムズするため、さまざまなものを噛みたがります。噛んではいけないものは、犬の手の届かないところに片付け、噛んでもいいおもちゃなどを用意するようにしましょう。

犬の歯は生後10ヶ月頃にはすべて永久歯に生え変わります。生え変わりの間はこまめに口の中をチェックするようにしましょう。特に気を付けることは、乳歯が抜けきらずに永久歯が生えてきてしまったときです。乳歯が残った状態で永久歯が生えると、歯並びが悪くなり、歯垢や歯石が貯まりやすくなります。永久歯が生えて、2週間ほど経っても乳歯が残っている場合は、動物病院に相談することをおすすめします。

犬の歯の種類

犬の歯は4種類に分けられます。

・切歯(門歯)
切歯は、食べ物を噛み切る役割があります。口の中で一番前方に生えており、数は上6本、下6本の計12本です。

・犬歯
犬歯はすべての歯の中で一番長く、鋭くとがっているのが特徴です。獲物が逃げないように固定する役割があります。口の中で切歯の左右に生えており、上2本、下2本あります。

・前臼歯
前臼歯は、食べ物を細かく引き裂き、固定する役割があります。上下の歯がはさみのようにかみ合うようになっています。乳歯のときは上下6本ずつ計12本、永久歯は上下8本ずつ計16本生えます。

・後臼歯
後臼歯は人間の奥歯と同様に上部がすりこぎ状になっており、前臼歯で細かくなった食べ物をさらに細かくすり潰します。乳歯の時期には生えておらず、永久歯のみ生えてきます。数は上4本、下6本の合計10本です。

犬のかみ合わせの種類

犬には犬種や遺伝によってさまざまなかみ合わせがあります。順番に紹介します。

・シザーズバイト
シザーズバイトは、上顎と下顎がわずかに接し、ハサミのようなかみ合わせのことです。犬にとっては、一番正常なかみ合わせで、人間もシザーズバイトが正しいかみ合わせと言われています。

・レベルバイト
レベルバイトは、上顎と下顎の切歯がぴったりと水平に合わさるかみ合わせです。シザーズバイトと比べると、切歯と犬歯のかみ合わせが悪く、歯本来の力が発揮できず、歯が傷みやすく簡単に抜けてしまうこともあるようです。レベルバイトは犬にとってあまり相応しくないかみ合わせの一つです。

・アンダーショット
上顎より下顎が長く、下顎の切歯が、上顎の切歯に覆いかぶさってしまうかみ合わせです。人間でいうと顎がしゃくれているような状態です。アンダーショットは犬にとって良くないかみ合わせと言われていますが、犬種によってはスタンダードのかみ合わせで、ブルドックやパグなどがこれに当てはまります。

・オーバーショット
下顎より上顎は突き出している状態で、上顎の切歯が下顎の切歯に接することがないのが特徴です。人間でいうと「出っ歯」と同じかみ合わせになります。下顎の歯が上顎を傷つける恐れがあり、犬には良くないかみ合わせとされています。

歯周病には気を付けよう

犬の病気の中で比較的多いのは、歯に関する病気です。特に歯周病には注意が必要です。歯周病は、歯垢や歯石を放置することで、口の中で細菌が繁殖し、歯肉炎や歯周炎を引き起こす病気です。歯周病を引き起こすと、口臭の悪化や、食欲の低下、最悪の場合、心臓病や腎臓病を引き起こす恐れがあります。

歯周病を予防するためには、歯みがきをする習慣をつけましょう。犬は本来、口の中を触られることが得意ではありません。犬が高齢になってから歯みがきを始めることは、犬にとっても飼い主にとっても負担が大きくなります。子犬の頃から口の中を触る練習をし、歯磨きに慣れさせておきましょう。

まとめ

犬には乳歯と永久歯があり、生後4~6か月頃から徐々に生え変わります。生後10か月には、全ての歯が永久歯に生え変わり、歯の本数は、28本から42本に増加します。

犬の歯は、切歯、犬歯、前臼歯、後臼歯の4種類あり、後臼歯には乳歯はなく、永久歯だけが生えてきます。かみ合わせも4種類あり、一番スタンダードなのは、シザーズバイトです。レベルバイト、アンダーショット、オーバーショットは不正咬合と呼ばれ、歯石が溜まりやすかったり、歯に負荷がかかったり、歯の疾患がでやすいかみ合わせです。(アンダーショットは一部の犬種ではスタンダードです。)

人間と同様に、犬にもなるべく歯磨きを習慣づけるようにしましょう。特にかみ合わせが悪い犬は歯周病に注意が必要です。口の中で細菌が繁殖することで、心臓や腎臓の病気になる恐れもあります。愛犬が口の中を触っても嫌がらないように、小さなころから慣れさせることをおすすめします。

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