■犬の体感時間は人間と違う?
私たちの1日の時間は24時間ですよね。
朝がきて夜がきて、というサイクルは生物によって変わるわけではないので、 犬も人間が決めた「1日は24時間」という中で暮らしています。
しかし、体感時間が違うということを考えたことはありますか?
どんなに健康に気をつけていても、医療が発達しても、犬が私たちと同じ年月を生き抜くことはできませんよね。
犬たちの時間の流れは、私たちよりもずっと早いスピードで進んでいきます。
犬の平均寿命と人間の平均寿命から「犬の1日は人間の約7時間分」といわれています。
■現在・過去・未来
人間以外の動物は時間の概念を持っていないので、愛犬たちが今この瞬間を生きていることは確かですよね。
しかし、犬を見ていると、未来や過去も感じているように思うことはありませんか?
■現在■
犬は「現在」を思いっきり生きています。
「今が何時何分か?」という細かい時間がわからなくても「起きる時間だよ」「朝ごはん欲しいよ」と表現してくれる愛犬も多いのではないでしょうか?
■過去■
1ヶ月前、1年前、自分の誕生日などの認識はできませんが、「過去」も間違いなく認識していると思います。
初めて会う犬と前に遊んだことのある犬への態度は、全然違いますよね。
場所に関しても「あ、ここ知ってる。こっちだよ」と前に歩いた道のりを同じように歩いたりします。
これは過去という認識より、経験値や記憶というべきかもしれませんが、少なくとも過去の出来事を認識しているということですよね。
■未来■
1週間後、1年先、などという概念は持ち合わせていないですが、現在よりあとに起こることを理解しているので、「未来」も感じているのではないでしょうか。
「あとでね」という言葉を愛犬にいったことはありませんか?
その言葉のあと、数分いい子で待ってくれたり、催促してきたりということがありますよね。
「明日おでかけする?」「あとで友達がくるよ! 」などの言葉も、私の愛犬は理解できています。
また「帽子をかぶったからお散歩だ! あそこに行くぞ」とワクワクしたり、お化粧をしていると「ああ、お留守番だ」とショボンとしたりもします。
過去にあった記憶や経験から、これから起こることを予測しているのですが、未来を認識しているといえますよね。
■犬は時間の長さを認識できる?
ある研究で、長時間お留守番をしている犬は、短時間のお留守番をしている犬よりも、飼い主さんの帰宅に大きく反応することがわかりました。
愛犬たちは、飼い主さんが10分程度の少しの時間で帰ってきたのか、4時間後に帰ってきたのかを区別することができました。
(30分・2時間・4時間とお留守番をさせ、飼い主さんと会ったときのしっぽの振りかたや興奮度合い、熱心さやエネルギー量などを分析した結果)
実際私の犬も、ちょっと買い物にでかけて帰ってきたときと、朝からでかけてしまい夜に帰宅したときの態度は全然違います。
皆さんの愛犬はどうですか?
短い時間のときは「あれ?どこにいってたの?」という顔をしながら迎えにきますが、
長い時間のときは「お帰りお帰り」という喜び声と共に、しっぽがちぎれそうなくらい身体全体で嬉しさを表現しています。
そして、スンスンいいながら「なんだよー! 遅いよー! 」みたいな気持ちまで伝わってきます。
お留守番の長さで犬の態度が変わるので、時間の長さを認識していると言えるのではないでしょうか。
飼い主さんがいないことで、犬が不安を感じてしまう「分離不安症」から考えても、犬たちは時間経過を認識できていると思います。
時間の概念はなくても、時間が経過している感覚は私たち同様に感じていると言うことがわかりますよね。
■犬が時間を判別する方法は?
■体内時計(概日リズム)■
犬は体内時計によって朝・昼・夜の時間を判別することができます。
体内時計のほかに、生物時計、概日リズム、サーカティアンリズム、と呼ばれることもあります。
人間同様に、眠ったり起きたり、体温が上がったり下がったり、ホルモンの分泌なども含めて体内時計によって身体を働かせています。
■光と気温■
犬は光の強さや影、温度などによって、朝・昼・夜の時間を判別することができます。
深夜から朝にかけては気温が低く、太陽が昇って行くにつれて気温があがっていきます。
そして、光が差して紫外線の量も変わります。
犬は気温や光の強さによって、時間を判別しています。
■パターンを読んでいる■
犬は日々の私たちの行動を読んでいます。
帽子やコートを着ると「あっ、お散歩かな?」と気づいて玄関に走っていったり、ご飯を作りに行くとお座りして準備していたり。袋のガサガサする音に反応し「おやつくれるんだよね」とはしゃいだりしますよね。
飼い主さんの動きから推理して、犬は「この時」を感じています。私たちのなにげない動きや癖を、犬たちはしっかり見ているんですね。
■犬仲間との連絡■
犬はほかの犬と連絡を取り合うことで、時間を判別しているとも考えられています。
例えば、近所の犬たちが家の前を通り過ぎる音を聞いて「あの子がきたから、朝だな」とか、吠えて情報を交換しあったりするようです。
「ねぇ、そろそろご飯だよね?」と、同居している犬と話しているんじゃないか?と思うこともありますよね。
■におい
においによっても時間の経過を判別することができます。
強い匂いを感じたときは「あまり時間が経っていない」ということがわかります。
匂いが弱くなっていけば「だいぶ時間が経っているな」ということがわかります。
■時間を感じて生きている
何月何日、何時何分、ということはわからなくても、犬たちの行動を見ていると「時間」という流れはしっかり感じているようです。
「犬は今この瞬間を生きている」というのはもちろんその通りだと思いますが、現在だけでなく、過去や未来もしっかり認識して生きているのではないかと思います。
そして、私たちの行動や周りの状況を観察して、時間と紐づけて理解しているようですね。
愛犬との今までの過去を振り返って懐かしんだり。
現在となりにいる愛犬を撫でたり。
「これから何をしようか?」と未来を考えたり。
犬がいる生活は、私たちに潤いを与えてくれますよね。そんな可愛い愛犬との時間を大切にしてくださいね。
★飼い主の皆さんと大切なワンちゃんが、1日でも1分でも、長く一緒に過ごせますように★