ワンちゃんがネコちゃんと暮らすときに知っておきたいこと
一緒に飼う前に、またはすでに一緒に飼っていても知っておきたいこと、確認しておきたいことがあります。
・期待し過ぎない
「仲良くしてほしい」と期待し過ぎないことが大切です。たとえ一緒に遊ばなくても「それぞれストレスなく元気に過ごしていればよい」くらいの気持ちでいる方がうまくいくでしょう。
・ワンちゃんとネコちゃんは違う生き物
ワンちゃんは群れで暮らす動物で、肉食よりの雑食です。一方ネコちゃんは、単独行動をする動物で完全肉食動物。習性や必要とする栄養も異なることを認識しておきます。
・ご飯は別々に
ワンちゃんもネコちゃんも、相手の食事が気になるもの。並んで食べさせるとトラブルの元なので別々に食べさせます。相手のご飯を食べないように注意しましょう。
ワンちゃんにとってキャットフードは、動物タンパクが多すぎるため栄養バランスが崩れてしまいます。
ネコちゃんにとってワンちゃんのフードは、必須アミノ酸「タウリン」が足りず栄養不足になるのです。
ワンちゃんの半生タイプドッグフードはネコちゃんが食べないように注意してください。ネコちゃんが食べると中毒を起こす湿潤調整剤「プロピレングリコール」が入っている場合があるためです。
初めて一緒に飼うときの注意点「徐々に慣れさせる」
ワンちゃんとネコちゃんがトラブルなく暮らすためには、飼い主さんが焦らないことがポイント。少しずつ慣れさせることを心がけましょう。
・病気や寄生虫のチェック
一緒に暮らす前に、動物病院でワンちゃんネコちゃんの健康状態をチェックします。寄生虫や感染症は治療を優先しましょう。特に保護した野良猫を新たに迎え入れる場合は、注意が必要です。
・それぞれの落ち着くスペースを作っておく
ワンちゃん、ネコちゃんがひとりで静かに過ごせるスペースを作っておきます。ネコちゃんは、ワンちゃんに邪魔されにくい高い場所に用意しておくといいでしょう。
・突然の対面はNG
早く仲良くさせようと、いきなり会わせるのはNGです。ほとんどの場合、ワンちゃんかネコちゃんどちらかを先に飼っていると思います。ワンちゃんは、初対面のネコちゃんに驚いて吠えるかもしれません。ネコちゃんは警戒するか怖がるでしょう。
特にネコちゃんは縄張り意識が強いので、見知らぬワンちゃんが入ってくることをなかなか受け入れられない恐れがあります。
・お互いの存在を徐々に気付かせる
健康に問題がなければ、いよいよ一緒に暮らすことをスタートされます。ただし、ワンちゃんとネコちゃんは別々の部屋でしばらく過ごし、お互いに顔が合わないようにします。
別々の部屋の確保が難しい場合、ワンちゃんもネコちゃんもケージに入れて、布をかぶせておくと安心です。徐々に、お互いのニオイや鳴き声で「何かいる」と気づいていきます。
ワンちゃんはネコちゃんの、ネコちゃんはワンちゃんのニオイが付いたタオルや敷物などをかがせてみるのもおすすめです。ニオイのあるものを置いても特に嫌がらず、ご飯も食べて眠るようなら相性がいいと予想できます。ニオイがついたタオルで体を拭いてみるのもいいでしょう。
ニオイがついたものがあると嫌がる、ご飯を食べないなど場合は、残念ながらまだ対面のときではありません。
・ケージ越しに合わせる
お互いの存在に気づいたことを確認し、ニオイもいやがらないようでしたら、ケージ越しに会わせましょう。興奮するかもしれませんが、唸ったり威嚇したりしなければ一安心です。少しずつ一緒にいる時間を長くしていきましょう。
・吠える、怒る場合は?
吠えてうなるワンちゃん、威嚇するネコちゃんもいます。このときは、お互いを自由にして遊ばせてはいけません。ケンカでケガをする恐れがあります。しばらくは、別々の部屋に戻しましょう。
再度対面する場合は、どちらかがケージに入っている状態にします。対面する際は大好きなおやつを食べさせるなど「一緒にいるといいことがある」と教えてあげましょう。
飼育のケース別難易度
ワンちゃんが先、ネコちゃんが先、同時に飼うなどさまざまなケースでみてみましょう。
・ワンちゃんが先、ネコちゃんがあとのケース
すでにワンちゃんがいるところに、あとからネコちゃんがくるケースは比較的うまくいくでしょう。特に子猫がくる場合はお世話をしてくれるワンちゃんもいます。
子猫は、だいたい生後2~7週齢が社会化期です。この時期に体験したことは、成猫になっても受け入れます。ほとんどの子猫がワンちゃんに慣れ、そのまま仲良くなってくれるでしょう。
ただし、ワンちゃんが子猫をおもちゃにして遊ばないように注意する必要があります。子猫の動きで狩猟本能が刺激されるリスクもあるので、目を離さないでください。
あまりにワンちゃんが高齢の場合、子猫の激しい行動やちょっかいに疲れてしまうので気を配ってあげましょう。
・ネコちゃんのところにワンちゃんがくるケース
仲良くなるのは難しいケースです。ネコちゃんは縄張り意識が強いため、なかなかワンちゃんを受け入れてくれないでしょう。フレンドリーなネコちゃんなら、徐々に心を開いてくれるかもしれません。ただし、時間がかかると覚悟しておきましょう。
・子犬と子猫を同時に飼うケース
比較的うまくいくでしょう。子犬と子猫時代は様々な経験を通して成長していく社会化期。子犬と子猫を同時に飼うことでお互いをすんなり受入れてくれるので、仲良くなるのも期待できます。ただし、食事などはしっかり分けることが大切です。
どうしてもうまくいかないときは生活スペースを分ける
どう頑張っても仲良くならない場合もあります。無理はせず、それぞれの生活スペースを分けて飼うようにしましょう。
例えば一戸建ての住宅なら、1階はワンちゃん、2階はネコちゃんなどにします。ネコちゃんがくつろげるように、高いところに居場所をたくさん作るのもおすすめです。
まとめ
ワンちゃんとネコちゃんを一緒に飼う際は、飼い主さんが焦らないことが大切です。いきなり対面させずに、徐々に慣れさせるとお互いを受入れやすいでしょう。ワンちゃんもネコちゃんも、1匹でくつろげるスペースを確保してあげるとストレスもたまににくくなります。
絶対に仲良くなって欲しいなどと強く期待せず、「元気に過ごせればいい」くらいに思っているほうが、うまくいきやすいでしょう。