食事場所は落ち着ける場所に
ワンちゃんもネコちゃんも、食事場所は静かで落ち着けるところに設置します。テレビや洗濯機の近くなど、騒がしい場所では気が散ってしまうでしょう。小さなお子さんがのぞきに来るなども、ストレスになるので注意が必要です
玄関など人の出入りが激しい場所も、食事の場としてはふさわしくありません。ネコちゃんは特にデリケートなので注意してあげましょう。ワンちゃんのように「おいしいね」など声掛けの必要はありません。かえってストレスになってしまいます。
寒すぎないか、暑すぎないかも確認
食事の場所の気温にも配慮が必要です。冬は冷たい風が吹き込んでいないか、逆に暖房が当たりすぎていないかなども注意してあげましょう。夏は冷房の効いた涼しい場所で食べさせてください。直射日光が当たる場所は、気温が高くなりやすく熱中症になるリスクも高まります。
食器の置き場所にも注意
猫の場合、食器と水入れはなるべく離して置きましょう。野生の猫は、獲物を食べたあと遠く離れた水飲み場で水を飲んでいたといわれています。食器の横に水入れを置いていると、水を飲まなくなる恐れがあるので注意してください。ワンちゃんは隣においても大丈夫です。
愛犬も愛猫も、トイレ近くに置くのはよくありません。嫌な臭いがするとフードを食べなくなる場合があります。
多頭飼いは別々に食べさせる
多頭飼いの場合は、部屋を分けるなど別々の場所で食べさせることをおすすめします。並んで食べている姿は本当にかわいいですよね。しかし、ほとんどのワンちゃんやネコちゃんは「他の子に食べられては大変」と大急ぎで食べるようになってしまいます。急いで食べるのは、吐き戻しや消化不良などの原因にもなりかねません。部屋がない場合は、「クレートに個別に入れる」「1匹はケージ内でもう1匹はケージ外」などと分けるのをおすすめします。
多頭飼いでの食器の共有もやめましょう。どの子がどのくらい食べているかがわからなくなるのもデメリットです。「強い猫が弱い猫のフードを横取りしている」といったトラブルも起こりやすくなります。弱い猫はストレスを感じるだけでなく、栄養不足による体調不良などを生じやすくなるので気を付けてあげましょう。
愛犬・愛猫の食器をチェック
実は食器は食欲を左右するほど重要なアイテムです。好みを探って、愛犬・愛猫にぴったりのものを選んであげましょう。
●食器が気に入っていないサイン
ワンちゃんやネコちゃんの次のような「食器がイヤ」サインを見逃さないようにしましょう。
・前足でフードをかきだして食べている
・フードを出して遊びだす
・途中で食べるのをやめてしまう
・フードが入った食器を見て、鳴いたり吠えたりする
ただし、食欲が急に落ちた場合は食器のせいだと決めつけず、必ず動物病院を受診してくださいね。
●食器は高さがあるものがおすすめ
ワンちゃんもネコちゃんも、食器は高さがあるタイプがおすすめです。首を下げてかがむ姿勢で食事をするのは、体に負担がかかります。特に高齢のワンちゃんやネコちゃんは、首や背中の痛みなどから途中で食事をやめることも。高さのある食器を選ぶほか、台の上に置くのもおすすめの方法です。
●食器は滑り止めが付いているタイプを選ぶ
食べるたびに食器がずるずると動くのは、ワンちゃんもネコちゃんもストレスです。食器の底に滑り止めが付いているタイプを選びましょう。
●ネコちゃんはヒゲが当たらないか確認
ほとんどの猫は、食器にヒゲが当たるのを嫌がります。食べるたびに食器にヒゲが触れていると途中で食べるのをやめてしまうときもあるほど。猫専用の浅めのお皿を選ぶと安心です。水入れも同様に、ヒゲが当たらないものを選んであげましょう。
●首輪が当たらないかチェック
意外と見落としやすいのが、食器に首輪や首輪の鈴、プレートが当たることです。当たっているとカチャカチャ音がするため、いやがるワンちゃんやネコちゃんもいます。聴覚が優れているワンちゃんやネコちゃんにとって、耳元で音がするのは苦痛です。食事中は首輪を外すなど配慮してあげましょう。
●食器の素材も確認
ペット用食器は陶器製や磁器製、ステンレス製、プラスチック製などが販売されています。素材の違いでも愛犬や愛猫の食欲が左右されるので、好みを探ってみてください。わからない場合は、いくつか買ってどのタイプが一番食べるか観察してみましょう。
陶器製や磁器製は、適度な重さがあり汚れも落としやすい点がメリットです。ニオイもつきにくく、多くのワンちゃん、ネコちゃんが好むでしょう。落とすと割れる心配がある点がデメリットです。
ステンレスは丈夫で汚れも落としやすく、扱いやすい食器です。やや軽いタイプもありますが、食器の底に滑り止めが付いていれば動く心配もないでしょう。冬は食器が冷たくなるため、ネコちゃんは嫌うかもしれません。
プラスチックは安価で手に入りやすい点がメリット。ただ使っているうちに傷がつきやすく、汚れが入り込んでなかなか取れなくなってしまいます。そのため、ニオイが残りやすい点がデメリットです。こまめに買い替えることをおすすめします。
●食器は毎回きれいに洗う
好みの食器を使っていても、食器に汚れがあれば食欲も減退します。衛生面でのトラブルにもつながるので、使った食器はきれいに洗って清潔を保ちましょう。洗う際は、ペット用の洗剤などを使うと安心ですよ。
まとめ
食事環境は食欲を左右するため、愛犬・愛猫の健康を維持するためにも大変重要です。トイレから離れた、静かに落ち着いて食べられる場所を用意しましょう。騒がしい場所ではないか、人の出入りが激しくないか、寒さ暑さは大丈夫かなど確認してください。多頭飼いは、別々の場所で食べさせると落ち着けます。
猫の食器と水入れは離して設置しましょう。愛犬・愛猫のお気に入りの食器を見つけてあげることも大切です。
食事環境を確認して、おいしく食べられる環境を作ってあげましょう。