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TOP > 会報誌「ウィズペティ倶楽部」 > ペットのおうちシャンプー、夏は熱中症にご用心!
獣医師
齋藤厚子
ペットのおうちシャンプー、夏は熱中症にご用心!

シャンプーの目的

ペットのシャンプーには以下のようにいくつか目的があります。
・皮膚や被毛に付いた汚れを落とす
・被毛を美しく保つ
・皮膚を健康に保つ
・皮膚病の治療効果を得る

シャンプーは皮膚や被毛を清浄化しますが、やりすぎてしまうのもよくありません。
皮膚の表面には分泌された皮脂が薄い膜を張っており、それが皮膚を守るバリアの役割を果たしています。
そのバリアをとりすぎてしまうことで皮膚が乾燥しやすくなり、感染などを起こしやすくなってしまうこともあるのです。

皮膚に疾患がない場合は、皮膚や被毛を清潔に美しく保つために月に1~2回ほどシャンプーする程度がちょうどいいでしょう。

また猫の場合は自身で毛づくろいをする習性があるため、定期的なシャンプーはあまり必要ありません。
しかし一部の脂漏体質の猫種は、皮脂の分泌が盛んで皮膚がべたついてしまうことがありますので、その場合にはやはり自宅でシャンプーしてあげる必要があります。

膿皮症、マラセチア性皮膚炎やニキビダニ症などの皮膚疾患のある犬猫では、治療の一環として薬用シャンプーでのシャンプーや薬浴が行われます。

治療効果を得るためには適したシャンプー剤の選択が必要になりますので、皮膚に異常がみられる場合は一度病院を受診して、使用しているシャンプー剤の内容を確認してもらうようにしましょう。

自宅で行うシャンプーの基本的な流れ

自宅でシャンプーを行うときの一般的な流れを確認しましょう。

1.ブラッシングする
シャンプーをする際には、まずは全身ブラッシングをしましょう。
ブラッシングをすることで毛のもつれをほどき、抜け毛をあらかじめ除去できるのでシャンプーを行いやすくなります。

また皮膚に異常がある場合、ブラッシング時に発見することができるでしょう。
フケがいつもより多くないか、脱毛している部分がないか、赤みの強い部分や湿疹がないか、皮膚の表面にノミやマダニが付着していないかどうかをチェックするようにしましょう。

2.全身をしっかりと濡らす
ブラッシングが終わったら全身をぬるま湯でしっかりと濡らします。
お湯の温度は35~36℃が目安ですが、暑い夏季には少し低めの温度(34~35℃)の方が良いでしょう。

3.シャンプー剤をつけて洗う
使用するシャンプーを洗面器とスポンジなどを使ってよく泡立て、できるだけきめの細かい泡を作ります。
作った泡を動物の全身にのせ、皮膚や被毛をやさしくマッサージするように洗いましょう。
顔を洗う場合は目にシャンプーが入らないように気を付けましょう。

4.シャンプーをすすぐ
シャンプーで洗い終わったらお湯で泡を洗い流します。
シャンプーのぬるぬるした感じがなくなる位しっかりとすすぎますが、顔周りは怖がる場合も多いので、スポンジや手で少しずつお湯をかけてすすぐと良いでしょう。

5.保湿剤を使う
すすぎが終わった後、必要に応じて保湿剤を使用します。
シャンプーをすると体の表面の皮脂が取り除かれ、皮膚は乾燥しがちです。
乾燥している皮膚はバリア機能が低下してしまい、皮膚炎を起こしやすくなってしまいますので、セラミドやヒアルロン酸などといった保湿成分の含まれた保湿剤を使い、皮膚の乾燥を防ぎましょう。

保湿剤には様々な使用方法のものがあり、お湯で希釈して全身になじませるタイプのものやスプレータイプのもの、スポットオンタイプのものなどがあります。
皮膚の状態に合っていて使いやすいものを選ぶと良いでしょう。

最近はシャンプーの中に保湿成分が含まれているものが多くなってきています。
シャンプーが苦手で手早く終わらせたい子の場合は、そのようなシャンプーを使用するのも良いかもしれません。

6.しっかりと乾かす
最後はよく拭いて乾かします。
まずはタオルでよく拭いてできるだけ水分を吸い取りましょう。
マイクロファイバー入りのタオルなど、吸湿性の良いタオルを使用すると効率よく水分を吸い取ることができます。

タオルドライの後はドライヤーで風を当てて乾かします。
ドライヤーは温風の方が早く乾きますが、近い距離で同じ場所に長く当ててしまうとやけどの原因になりますので、適度に離した場所から風を当て、ブラッシングしながら根元から乾かすとしっかり乾きます。

また四肢の先端もよく拭いて乾かしましょう。
パッドの間が皮膚炎をおこしやすい子の場合は、濡れたままにしておくと蒸れて雑菌が増えやすくなってしまうため、タオルドライした後、風を当ててしっかりと乾かしてあげましょう。

夏のシャンプーの注意点

極端にシャンプーが嫌いな子でなければ、毎回トリミングに行かなくても上記のような方法で自宅でのシャンプーが可能です。

ただし、暑い時期のシャンプーにはいくつか気を付けてほしい点がありますのでご紹介します。

1. 熱中症に気を付ける
暑い時期は熱中症に気を付けるように言われていますが、それはシャンプー時も同様です。

お風呂場のような狭い場所でお湯を使用していると湿度が上昇し、室温がそこまで高くなっていなくても熱中症になりやすくなってしまいます。
特にシャンプーが嫌いな子の場合は緊張や興奮で体温が上昇しやすく、呼吸も速い傾向にありますので注意が必要です。

熱中症にならないようにするために、手早くシャンプーを終わらせることができるように準備を万全にしておくこと、お風呂場などの換気を良くしておくこと、使用するお湯の温度をいつもより少し低めにしておくことなどに気を付けましょう。

シャンプー後のドライヤーも体が熱くなりやすいため要注意です。
熱がこもらないような少し広めの部屋へ移動し、室温を少し涼しく設定して体温の上昇を抑えましょう。
まずはタオルでできるだけ水分をふき取り、ドライヤーを当てる時間を短縮できるようにすると良いでしょう。
長毛種は毛を乾かすのに時間がかかりますが、半乾きでやめてしまうと中の毛が蒸れて熱がこもりやすくなってしまう場合もあります。
ブラッシングしながら毛の根元に風を当て、密に生えているアンダーコートもしっかりと乾かしましょう。

2.ノミやマダニがいないかチェックする
夏は動物に寄生する寄生虫も活発に活動する季節です。
外でたくさん遊んだ後はブラッシングしながら体にダニなどがついていないかどうかチェックしましょう。
万が一、ダニが被毛についていても皮膚に食いつく前であれば手で払うだけで取り除くことができますが、皮膚に食いついてしまっている場合は病院へ行き、頭を残さないようにとってもらう必要があります。

ノミがいる場合、ブラッシングした時に黒いツブツブが落ちることでわかります。
その正体はノミの糞で、水につけると赤くなるのが特徴です。
被毛をかき分けたときに素早く走る虫体を見かけることもありますが、それを手で全て捕まえることは非常に困難です。

ノミやダニは草むらや木などに潜んで吸血する動物が来るのを待っています。
お散歩程度であっても途中で草むらに入ったりする場合は注意が必要です。
いずれの場合も、あらかじめノミ・ダニの予防薬を使用しておけば万が一体に付着しても駆除しやすくなりますので予防しておくことをお勧めします。

3. 夏に多い皮膚疾患に気を付ける
夏は膿皮症やマラセチア性皮膚炎、外耳炎などが多く起こりがちな季節です。
原因や状態によっては薬用のシャンプー剤、抗真菌剤の入ったシャンプーなどが勧められることもありますので、ブラッシング時などに皮膚病変を見つけた場合には、シャンプーする前に動物病院で診てもらいましょう。

終わりに

自宅でのシャンプーはペットの健康管理としてはもちろん、ペットとのスキンシップとして役立つこともあります。
外へ出かけることが多い夏ですが、熱中症などにも気を付けつつ、シャンプーで皮膚の健康を守り、ペット達との絆を深めていきましょう。

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