ケアーンテリアの特徴について
特殊な被毛のケアが必要です
テリア種特有のプラッキングという古い被毛を抜く手法で、特徴的な被毛のごわごわとして毛質をを維持できるとされています。
被毛の生え変わる時期にプラッキングをしてあげることが大切と言われています。
定期的にプラッキングを行なうとより良いとされていますが、独特の手法であるため、一般的なトリミングサロンでは行われていない場合もあり、希望する場合には行われているサロンを事前に調べておく必要がある可能性が高いです。
体力のあるテリア犬種です
テリア犬種とは農村でネズミなどの小獣を穴の中などに入り込んで猟をする犬種です。
ケアンテリアは岩場の穴や積み上げられた石の間に入り込んで小獣を追い出すのを得意としていました。
家庭犬となった現代でも、名残で狭いところに鼻を突っ込んだり、穴を掘るような仕草で楽しむ個体もいます。
小型犬ですが、活発でスタミナもある犬種と言えます。
ケアーンテリアの性格について
陽気で明るく活発です
小型ですが、陽気で明るく、活発な傾向があります。
他の人や動物とは相性を選ぶ部分もありますが、飼い主さんなど信頼関係が築けると友好的に一緒に遊べる犬種です。
信頼している相手に対しては忠実に行動できます。
警戒心が強く気も強い一面もあります
テリア犬種ならではの警戒心の強さから、飼い主さん以外の人や犬に対して警戒心を示し、打ち解けるまでに時間がかかったり、喧嘩に発展してしまう可能性があります。
頑固な一面も持つため、しつけを難しく感じるかもしれませんが、若齢のうちから根気強く社会性を持てるようしつける必要があります。
ケアーンテリアの飼い方(日常の世話)について
テリアの性格を理解してあげましょう
テリア犬種が本来持つ頑固さや、自分の意思の強さを残す犬種のため、しっかりしつけをして信頼関係を築けないと、飼育しづらいと感じることもある可能性が高いです。
独立心が強く、べたべたすることをそれほど好まないため、つかみにくい部分もありますが、信頼関係を築くことは可能です。
頑固さや意志の強さも賢さ故のものであることが多く、この賢さを利用して飼い主さんの生活に適応できるよう若齢の頃からきちんとしつけをしてあげましょう。
充分な運動をしてあげましょう
小型犬ですが活発な犬種です。
発散のためにも充分な散歩時間を確保し、体を動かす時間を作ってあげてください。
思い切り走ることが好きな犬種のため、ただ歩く散歩だけではなく、思い切り広い場所で走れる時間も作ってあげるとより良いでしょう。
信頼関係が築けると聡明な犬種であるため、一緒に体を使って遊ぶアジリティなど、飼い主さんと楽しめるスポーツなども、より絆を深めることもできる可能性が高いです。
関節も悪くしやすい犬種であるため、適切な運動量を確認したうえで運動することがおすすめです。
関節の状態があまり良くない場合に過度の運動をさせると状態の悪化が見られる場合もあるので、注意が必要です。
ケアーンテリアの歴史・起源について
テリアとして最古の犬種と言われています
その歴史は約15世紀くらいにまで遡ります。
ジェームズ一世は国の誇りとしてたくさんのテリアをフランス王室への贈り物としたとき、二隻以上の船に分乗させるよう命じたほどと言われています。
しかし、当時はケアンテリアという正式な名称はなく、テリアと総して呼ばれていました。
ケアンテリアという種名がついたのは1900年代になってからというだいぶ後になってからでした。
その際にすでにスコットランドの地名をもとにしたテリアが存在していたため、岩の中に潜り込んで小獣たちを追い出していたため、その特性から積石を意味するケアンテリアという名称がついたと言われています。
原種としての形を残しています
その後、正式に登録をされ、他のテリア犬種たちを含め、猟の場から遠ざかり、家庭犬として愛されることが増えましたが、ケアンテリアの愛好家たちは祖先のテリアに近い素朴な姿を好みました。
そのため、愛玩犬化したほかのテリアたちのように手を加えずに育種を続けています。
現代もケアンテリアたちは、本来のテリアらしい外見と気質を持った犬種として愛されています。
ケアーンテリアの気を付けたい病気について
皮膚トラブルに注意が必要です
皮膚のデリケートさから起こる皮膚トラブルが多い犬種とされています。
皮膚炎が起こることで痒みや違和感など犬の体にも負担がかかります。
中高齢になって内分泌疾患になると被毛の量も変化が見られる場合があるので注意が必要です。
犬種的にプラッキングという被毛を抜く方法が適切と言われていますが、皮膚がデリケートな個体の場合は控えた方が良い可能性が高いです。
また、スキンシップの一環としてこまめに皮膚のケア及びチェックを行うことで、負担なく皮膚トラブルの予防や早期発見につなげられます。
眼の病気に注意が必要です
眼の病気になりやすい犬種と言われています。
緑内障や白内障などの視力の低下にもつながり得る病気には注意が必要です。
定期的な健康チェックや、ものにぶつかる、ものを探しづらくなるなどの視力の変化が疑われる行動変化が見られたらすぐに受診することが大切です。
ケアーンテリアの価格相場について
30万円から50万円くらいの価格になります
珍しい犬種であるため、小型犬ですが価格は高めです。
血統によっては価格相場よりも高くなる個体もいます。
ただし、人気犬種と比較すると繁殖している個体数も少なく、あまり価格や性格、容姿などで比較できる選択肢は少なくなる可能性が高いです。
ペットショップよりもブリーダーからの購入の方が一般的
ペットショップで出会える可能性は低く、繁殖を行なっているブリーダーも限られる犬種です。
小型犬と比較すると、少し大きめのワイヤーフォックステリアは繁殖に要するスペースも必要なため、郊外を繁殖場にするブリーダーが多い傾向があります。
繁殖を行なっているブリーダーを探して、見学や購入に行く流れになるケースが多いです。
日本国内で飼育頭数もあまり多くない犬種であるため、繁殖しているブリーダーも人気犬種と比較すると少なめです。
獣医師から見たケアーンテリアを飼う際のアドバイス
しっかり適応できるようにしつけをしてあげましょう
活発で、猟をしたいという欲が強く、動くものが気になったり、追いかけてしまう、興奮しやすいなどの傾向があります。
テリアらしい性格もあって、他の犬や人とトラブルにつながることもあります。
テリアの性格は、飼い主さんでもなれるまでは難しく感じる場合もあるかもしれませんが、周りの環境に適応できるようにしつける必要があります。
何かあった時に飼い主さんが制御できるようにしつけることが大切です。
皮膚のケアをこまめに行いましょう
皮膚トラブルを起こしやすい犬種です。
活発な子も多い犬種であることもあり、サロンでの被毛のお手入れだけでなく、自宅でもこまめにシャンプーを行い清潔に保つよう心がけましょう。
ケアをしながら皮膚チェックも行なう習慣がついていると、変化があった時に早期発見ができます。
ケアーンテリアの飼育チャートについて
テリア犬種らしい性格が特徴であるため、関係性を築くためには犬の特性を理解して生活する必要があります。
特殊なお手入れなどの大変さなども含め、初心者には難しく感じる場合もあるでしょう。
体力のある犬種なので、一緒にアクティブに遊びたい飼い主さんには向いている犬種と言えます。
テリア犬種特有の性格を愛する飼い主さんは、本来のテリア犬種の特性や性格が色濃く残るケアンテリアは、テリアの良さを満喫できるでしょう。
テリア犬種特有の性格ゆえのしつけづらさや一緒に体を動かしてあげる必要性から、犬に向き合う時間を要する犬種ですが、信頼関係が築けると良いパートナーになり得ます。
初心者 | 2 初心者にはやや飼いづらい |
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しつけ | 2 しつけはやや難しい |
お手入れ | 2 お手入れはやや難しい |
気性 | 3 気性はやや荒い |
多頭飼育 | 3 多頭飼育はやや難しい |
散歩 | 2 必要な散歩量はやや多い(2~2.5時間程度) |
病気 | 3 病気にはやや弱い |
抜け毛 | 4 抜け毛の量は普通程度 |
吠え方 | 2 やや吠える |
におい | 4 臭いは普通程度 |