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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

ウェルシュテリアの特徴について

小型犬の中では大きめの犬種です

ウェルシュテリアは小型犬に分類されますが、約9~10㎏と、少し大きめの犬種です。

体高も約35~40㎝と大きめで足が長めで、スクエア型の体型をしているのが特徴です。

筋肉量も骨量も豊富な個体が多い傾向があります。

エアデールテリアによく似た外見

エアデールテリアをそのまま小さくしたような外見が特徴的です。

育種の過程でエアデールテリアを交配に使ったことが理由とされています。

エアデールテリアは大型犬ですが、筋肉のつき方などもがっしりとしていて、ウェルシュテリアとよく似ています。

ウェルシュテリアの性格について

頑固で警戒心の強い一面も

テリア犬種ならではの警戒心の強さから、飼い主さん以外の人や犬に対して警戒心を示し、打ち解けるまでに時間がかかったり、喧嘩に発展してしまうなどの気難しい一面もあります。

頑固な一面も持つため、しつけを難しく感じるかもしれませんが、若齢のうちから根気強く社会性を持てるようしつける必要があります。

陽気で明るく活発です

陽気で明るく、活発な傾向があります。
とてもパワフルで人を喜ばせることも大好きです。

他の人や動物とは相性を選ぶ部分もありますが、飼い主さんなど信頼関係が築けると友好的に一緒に遊べる犬種です。

信頼している相手に対しては忠実に行動できます。

ウェルシュテリアの飼い方(日常の世話)について

充分な運動をしてあげましょう

小型犬ですが活発で運動を必要とする犬種です。

発散のためにも充分な散歩時間を確保し、体を動かす時間を作ってあげてください。
思い切り走ることが好きな犬種のため、ただ歩く散歩だけではなく、思い切り広い場所で走れる時間も作ってあげるとより良いでしょう。

信頼関係が築けると聡明な犬種であるため、一緒に体を使って遊ぶアジリティなど、飼い主さんと楽しめるスポーツなども、より絆を深めることもできる可能性が高いです。

関節も悪くしやすい犬種であるため、適切な運動量を確認したうえで運動することがおすすめです。
関節の状態があまり良くない場合に過度の運動をさせると状態の悪化が見られる場合もあるので、注意が必要です。

テリアの性格を理解してあげましょう

陽気なため、一緒に生活をして楽しい明るい犬種であると思います。
テリア種の中でも小型のため、比較的飼育しやすい犬種と言えるでしょう。

一方でテリア犬種特有の頑固さや、自分の意思の強さを持つため、しっかりしつけをして信頼関係を築けないと、飼育しづらいと感じることもある可能性が高いです。

頑固さや意志の強さも賢さ故のものであることが多く、この賢さを利用して飼い主さんの生活に適応できるよう若齢の頃からきちんとしつけをしてあげましょう。

ウェルシュテリアの歴史・起源について

猟犬として作出されました

18世紀に北ウェールズ地方で狐やアナグマ、また、カワウソを狩るために作出されたといわれています。

祖先はオールド・ブラック・タン・テリアで、レークランドテリアは共通の血統だった可能性が示されている。

2つの犬種の統括

同時期に北イングランドではオールド・イングリッシュ・ブロークンヘアード・テリアという犬種が存在し、当時のウェルシュテリアによく似ていたと言われています。

ドッグショーへの出場の際に、審査員などに混乱が生じました。

そのため、起源の違いに関係なく、二つの犬種を統括しようという動きが起こり、現在の犬種として認定されました。

ウェルシュテリアの気を付けたい病気について

皮膚トラブルに注意が必要です

皮膚のデリケートさから起こる皮膚トラブルが多い犬種とされています。

皮膚炎が起こることで痒みや違和感など犬の体にも負担がかかります。

犬種的にプラッキングという被毛を抜く方法が適切と言われていますが、皮膚がデリケートな個体の場合は控えた方が良い可能性が高いです。

また、スキンシップの一環としてこまめに皮膚のケア及びチェックを行うことで、負担なく皮膚トラブルの予防や早期発見につなげられます。

関節の病気に注意

小型犬に多い膝蓋骨脱臼という膝蓋骨と呼ばれる膝関節にある小さな骨の脱臼してしまう病気などが起こりやすいとされています。

歩き方や座り方などが普段と違うことや、犬自身が痛みや違和感を感じて気にすることなどでわかることが多いです。

変化を感じたら受診をしましょう。

この病気の場合、体重増加やすべりやすい床による関節への負荷は状態をより悪くさせます。
負担を軽減できるよう、肥満は予防して、すべりにくい床材の使用などの生活環境の工夫をしてあげてください。

ウェルシュテリアの価格相場について

40万円から50万円くらいの価格になります

珍しい犬種であるため、小型犬ですが価格は高めです。

血統によっては価格相場よりも高くなる個体もいます。
ただし、人気犬種と比較すると繁殖している個体数も少なく、あまり価格や性格、容姿などで比較できる選択肢は少なくなる可能性が高いです。

ペットショップよりもブリーダーからの購入の方が一般的

ペットショップで出会える可能性は低く、繁殖を行なっているブリーダーも限られる犬種です。

小型犬と比較すると、少し大きめのうぇるしゅてりあは繁殖に要するスペースも必要なため、郊外を繁殖場にするブリーダーが多い傾向があります。

繁殖を行なっているブリーダーを探して、見学や購入に行く流れになるケースが多いです。
日本国内で飼育頭数もあまり多くない犬種であるため、繁殖しているブリーダーも人気犬種と比較すると少なめです。

獣医師から見たウェルシュテリアを飼う際のアドバイス

皮膚のケアをこまめに行いましょう

皮膚トラブルを起こしやすい犬種です。

活発な子も多い犬種であることもあり、サロンでの被毛のお手入れだけでなく、自宅でもこまめにシャンプーを行い清潔に保つよう心がけましょう。

ケアをしながら皮膚チェックも行なう習慣がついていると、変化があった時に早期発見ができます。

食事の管理を行なってあげましょう

膝の関節などの疾患が多い犬種です。
肥満は関節への負荷を増やし、症状を悪化させる恐れがあります。

肥満の状態での運動は、さらに関節の負荷をかけてしまうため、ダイエット方法として適切ではありません。
基本的には食事による体重管理が管理が必要です。
食事の質や量は個体によって適切なものに調節して与えましょう。

ウェルシュテリアの飼育チャートについて

テリア犬種らしい性格が特徴であるため、関係性を築くためには犬の特性を理解して生活する必要があります。
特殊なお手入れなどの大変さなども含め、初心者には難しく感じる場合もあるでしょう。

小型犬の中でも大きめの体格で、体力のある犬種なので、一緒にアクティブに遊びたい飼い主さんには向いている犬種と言えます。
テリア犬種特有の性格ゆえのしつけづらさや一緒に体を動かしてあげる必要性から、犬に向き合う時間を要する犬種ですが、信頼関係が築けると良いパートナーになり得ます。

初心者  2 初心者にはやや飼いづらい
しつけ  2 しつけはやや難しい
お手入れ  2 お手入れはやや難しい
気性  2 気性はやや荒い
多頭飼育  2 多頭飼育はやや難しい
散歩  2 必要な散歩量はやや多い(2~2.5時間程度)
病気  4 病気への強さは普通程度
抜け毛  4 抜け毛の量は普通程度
吠え方  2 やや吠える
におい  3 やや臭う
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