マンチェスターテリアの特徴について
小型犬ですがパワフルです
猟犬としても活躍しているテリア犬種のため、小型ですが身体能力が高く、体力もあります。
猟では狙った獲物を追い続ける執念深さとスタミナを発揮させていました。
そのため家庭でも多くの運動量を要する犬種です。
小型犬とアクティブに楽しみたい飼い主さんには向いている犬種です。
引き締まった体が特徴的です
小型のテリア犬種ですが、ミニチュアピンシャーのような引き締まった筋肉質の体と短毛が特徴的です。
この特徴的な体系や被毛は犬種を固定する過程でウィペットも配したことに由来しています。
断耳をしてピンと耳を立たせていたこともありますが、動物愛護の観点から断耳もあまり行われなくなり、本来の折れ耳をしていることが多く見られます。
マンチェスターテリアの性格について
愛嬌のある性格です
テリア特有の繊細さや頑固さも持ち合わせますが、陽気で明るく愛嬌のある性格です。
飼い主さんに対しても愛情深く接し飼い主さんの気持ちを察することのできる良いパートナーとなり得る犬種です。
テリア特有の繊細さによる興奮
もともとネズミを狩る犬種でした。
テリア特有の繊細さを持ち、動くものなどに敏感に反応し、興奮のスイッチが入ってしまうことがあります。
しつけで上手にコントロールできるよう、普段から注意しましょう。
マンチェスターテリアの飼い方(日常の世話)について
充分な運動をしてあげましょう
小型犬ですが高い運動能力を持つ犬種です。
発散のためにも充分な散歩時間を確保し、体を動かす時間を作ってあげてください。
思い切り走ることが好きな犬種のため、ただ歩く散歩だけではなく、思い切り広い場所で走れる時間も作ってあげるとより良いでしょう。
関節も悪くしやすい犬種であるため、適切な運動量を確認したうえで運動することがおすすめです。
関節の状態があまり良くない場合に過度の運動をさせると状態の悪化が見られる場合もあるので、注意が必要です。
テリアの性格を理解してあげましょう
陽気で友好的であるため、一緒に生活をして楽しい犬種であると思います。
テリア種の中でも小型のため、比較的飼育しやすい犬種と言えるでしょう。
一方でテリア犬種特有の頑固さや、繊細さを持つため、しっかりしつけをして信頼関係を築けないと、飼育しづらいと感じることもある可能性が高いです。
頑固さや繊細さも賢さ故のものであることが多く、この賢さを利用して飼い主さんの生活に適応できるよう若齢の頃からきちんとしつけをしてあげましょう。
マンチェスターテリアの歴史・起源について
名前の由来は作出された地域によるものでした
マンチェスターテリアの起源となった犬は、イギリスに古くからいたブラック・アンド・タン・テリアでした。
もともとは食物を狙うネズミ捕りのための猟犬として飼われてきたブラック・アンド・タン・テリアでしたが、より俊敏性や足の速さを持てるように掛け合わされたのがウィペットやグレーハウンドだったとされています。
賭博の場での活躍と現在
ネズミ殺しゲームという賭博ゲームで優秀な成績をあげたマンチェスターテリアはイギリス国内で人気の犬種となりました。
その後動物愛護の観点からネズミ殺しゲームは廃止され、その流れとともにマンチェスターテリアの人気も衰えていきました。
第二次世界大戦時には、祖先犬であるブラック・アンド・タン・テリアは絶滅し、マンチェスターテリアの頭数も減りました。
しかし、愛好家たちの手により交配を行い、アメリカからの輸入も行って復活を遂げました。
ドッグショーでの出陳も認められ、日本国内での飼育頭数は多くはありませんが、現在も愛されています。
マンチェスターテリアの気を付けたい病気について
椎間板ヘルニアに注意しましょう
椎間板と呼ばれる背骨の椎骨と椎骨との間のクッションをする物質が本来ある場所からはみ出してしまい、神経を圧迫することで痛みや麻痺がおこる病気が椎間板ヘルニアです
椎間板ヘルニアの発生個所には頚部と胸腰部があります。頚部椎間板ヘルニアでは、頚部痛、四肢の歩行異常などが見られます。胸腰部椎間板ヘルニアでは、背部痛、両後肢の歩行異常、深部痛覚の消失などが見られます。
椎間板ヘルニアにならないために、肥満の予防をすることが有効です。
関節のトラブルに注意が必要です
大腿骨頭と呼ばれる骨盤に接する大腿骨の一部が壊死してしまうレッグペルテスという病気になりやすいとされています。
歩き方や座り方などが普段と違うことや、犬自身が痛みや違和感を感じて気にすることなどでわかることが多いです。
変化を感じたら受診をしましょう。
この病気の場合、体重増加やすべりやすい床による関節への負荷は状態をより悪くさせます。
負担を軽減できるよう、肥満は予防して、すべりにくい床材の使用などの生活環境の工夫をしてあげてください。
マンチェスターテリアの価格相場について
40万円から50万円くらいの価格になります
珍しい犬種であるため、小型犬ですが価格は高めです。
血統によっては価格相場よりも高くなる個体もいます。
ただし、人気犬種と比較すると繁殖している個体数も少なく、あまり価格や性格、容姿などで比較できる選択肢は少なくなる可能性が高いです。
ペットショップよりもブリーダーからの購入の方が一般的
ペットショップで出会える可能性は低く、繁殖を行なっているブリーダーも限られる犬種です。
繁殖を行なっているブリーダーを探して、見学や購入に行く流れになるケースが多いです。
日本国内で飼育頭数もあまり多くない犬種であるため、繁殖しているブリーダーも人気犬種と比較すると少なめです。
獣医師から見たマンチェスターテリアを飼う際のアドバイス
食事の管理を行なってあげましょう
関節の疾患や椎間板ヘルニアなどの疾患が多い犬種です。
肥満は関節への負荷を増やし、症状を悪化させる恐れがあります。
肥満の状態での運動は、さらに関節の負荷をかけてしまうため、ダイエット方法として適切ではありません。
基本的には食事による体重管理が管理が必要です。
食事の質や量は個体によって適切なものに調節して与えましょう。
被毛や皮膚のケアをしっかりしてあげましょう
短毛なので基本的にはトリミングでのカットなどは必要のない犬種です。
抜け毛の量は多めなので、こまめなブラッシングで不必要な毛は除去してあげてください。
また、活発な犬種であるため、運動で皮膚が汚れることもあり得ます。
こまめに皮膚のケアをして清潔に保ちましょう。
嫌がらないようであれば、運動時は洋服を着せても良いでしょう。
マンチェスターテリアの飼育チャートについて
小型犬ですが体力もあり、運動量を要する犬種です。
また、テリア特有の性格を持つため、しつけで困難に感じる場合もあります。
初心者の飼い主さんの場合、まずはその犬の特性を把握することや信頼関係を築くことが難しく感じる場合もあるかもしれません。
犬と向き合う時間やしつけ、運動などで時間を多く作ってあげることのできる方に向いている犬種と言えます。
初心者 | 2 初心者にはやや飼いづらい |
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しつけ | 3 しつけはやや難しい |
お手入れ | 7 お手入れはかなり楽 |
気性 | 5 気性は普通程度 |
多頭飼育 | 5 多頭飼育のし易さは普通程度 |
散歩 | 2 必要な散歩量はやや多い(2~2.5時間程度) |
病気 | 3 病気にはやや弱い |
抜け毛 | 5 抜け毛の量は普通程度 |
吠え方 | 2 やや吠える |
におい | 5 臭いは普通程度 |