アルパインリンクスの特徴について

ヤマネコの血を引く真っ白な猫です。

アルパインリンクスはデザートリンクスグループに属する猫の一種で、全身が真っ白な毛に覆われた猫です。

「デザートリンクスグループ」とは、アメリカやカナダ、メキシコ北東部などに生息するオオヤマネコとイエネコのハイブリッド種と考えられる似たような容姿の猫で、アルパインリンクスの他デザートリンクス、モハーベボブ、ハイランドリンクスなど４つの品種が含まれています。
それぞれは毛の色（白か否か）、毛質（巻き毛か否か）、耳の形（直立かカールしているか）などで区別されており、アルパインリンクスの特徴としては真っ白な被毛、毛質は直毛または巻き毛、耳の形はまっすぐ立っているまたはカールしていることが挙げられます。

体は中型からやや大きめで、体重は４～８ｋｇ程度、ヤマネコの血を引くため骨太でどっしりとしており、バランスよくついた筋肉はワイルドな印象を与えます。
前足よりも後ろ足の方がやや長めで、尻尾は短いものやマンクスのようにほとんどないものなどバリエーションに富んでいます。

頭は大きめでマズルは四角形に近い形、目は少し離れてついており、目の色はブルー、グリーン、ゴールド、オッドアイなど様々です。
特徴の一つでもある耳はピンと直立している場合と後ろにカールしている場合のどちらもあり、先端には房毛があります。

被毛は短毛も直毛もあり、巻き毛の場合もあります。
毛色は全身真っ白で、デザートリンクスグループの中で白い被毛を持つのはアルパインリンクスのみです。

指は多くの個体でポリダクティル（多指症）で、指の間にも房毛が生えています。

アルパインリンクスの性格について

社交的で優しい性格の猫です。

ヤマネコの血を引くため野生の気質が強く人には慣れなさそうな印象を持たれがちですが、実際は非常に社交的で、他のペットや小さな子供とも上手に付き合うことのできる適応力の高い優しい猫です。

飼い主さんに対する愛情も深く、飼い主さんの言うことをよく聞くのでしつけにも苦労することはありません。

一人ぼっちは苦手です。

家族と過ごすことが好きなため、逆に一人で留守番をすることは少し苦手です。
長時間一人でいるとストレスを感じてしまうようです。
留守が多い家庭では多頭飼育を検討すると良いかもしれません。

アルパインリンクスの飼い方（日常の世話）について

毛質に応じて毛のお手入れをしましょう。

アルパインリンクスには短毛・直毛・巻き毛などがあるため、それぞれに応じた被毛のお手入れが必要です。

短毛であれば週に１～２回、長毛や巻き毛であれば週に２～３回はブラッシングする程度でも十分ですが、こまめにブラッシングしてあげることでアルパインリンクスの美しい被毛をさらに際立たせることができます。

シャンプーは抜け毛の多い換毛期や汚れたとき以外は特に必要ありません。

爪切りはこまめにしましょう。

アルパインリンクスは多指症の個体が多い猫種です。
多指症の指は他の指のようにしっかりと接地しないことも多く、爪とぎをしても爪がうまく剥がれないため、巻き爪になりやすい傾向があります。
こまめに爪のチェックをしてあげ、爪が巻いて刺さってしまう前に爪切りをしましょう。

十分運動できる環境を用意しましょう。

野生の気質を受け継いでいるアルパインリンクスは室内では運動不足になりがちです。
走り回れるスペースを確保したり、キャットタワーを設置する、家具の配置を工夫して上下運動できるような環境を整え、室内でも運動できるようにしてあげましょう。

体が比較的大きいため、キャットタワーなどは強度のあるものを設置するようにしましょう。

アルパインリンクスの歴史・起源について

ヤマネコとイエネコのハイブリッド種と言われています。

アルパインリンクスのルーツについて詳細は分かっていませんが、北米の小型のオオヤマネコとイエネコのハイブリッド種ではないかと言われており、人工的に掛け合わせて誕生したのではないかとも言われていますが真偽のほどは定かではありません。

同様の容姿を持つ「デザートリンクス・グループ」の中の１種です。

名前の「アルパイン」はアルプスや高山、「リンクス」はオオヤマネコを意味しています。

野生のヤマネコの血を継いでいることから多くの猫種登録団体はその公認に慎重な姿勢をとっており、CFAやTICAでは公認されていません。

アルパインリンクスの気を付けたい病気について

遺伝性疾患などの報告はありません。

アルパインリンクスについて遺伝性疾患の報告は特にありません。
しかし飼育頭数の少ない猫のため、これから頭数が増えることによって新たな疾患が見つかる可能性もあります。
体調に異変を感じたらできるだけ早く病院を受診しましょう。

また、一般的に猫がかかりやすい病気には同様に注意が必要です。
猫に多いといわれる下部尿路疾患や、中高齢期から増加する腎臓病などには他の猫と同様に気を付けましょう。

アルパインリンクスの価格相場について

国内では入手が難しい猫種です。

アルパインリンクスは日本ではまだあまり知られていない猫で、日本国内ではブリーダーや販売しているペットショップの情報はありません。

家族に迎えることを希望する場合には海外のブリーダーなどを探して輸入することになりますが、タイミングによっては希望の子猫が見つからない可能性も十分にあり得ます。

価格の相場は不明ですが、猫の生体価格に加え輸入にかかる輸送費や輸入代行業者などに支払う仲介料などが加算されるため、高額になると考えられます。

獣医師から見たアルパインリンクスを飼う際のアドバイス

成長がゆっくりとした猫です。

アルパインリンクスは比較的体が大きめの猫で、他の大型猫と同様に成長がゆっくりとした猫です。
成長期の健康的な発育をサポートするために、食事は良質なタンパク質を含んだ成長期用のフードを与えるようにしましょう。

成長期が終わった後も筋肉質な体の維持には食事内容が重要ですが、室内飼育では運動不足にもなりがちなため、食事量を調整しつつ運動を促し、肥満にならないように気を付けましょう。

アルパインリンクスの飼育チャートについて

温厚な性格で飼い主さんの言うこともよく聞く比較的飼いやすい猫です。
多頭飼育や小さなお子さんとの生活もできますが、一人ぼっちは苦手ですので留守がちな家庭にはあまり向いていないかもしれません。
体は少し大きめなので、飼育環境は少し広めである方が良いでしょう。
日本ではなかなか手に入らない猫です。