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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

アラスカンマラミュートの特徴について

そり犬として飼育されていた歴史もあります

寒い地域でそりを引く犬として飼育されていた歴史もあります。

ふわふわとした被毛の下には、がっちりとした体が隠れています。
力も強く、穏やかですがスイッチが入った際は強い力で引っ張られてしまうこともあるため注意が必要です。

しつけでコントロールできるよう、普段から心がけましょう。

豊富な被毛の量が特徴的です

寒冷地の犬種なので、外気を遮断し体温を下げないための分厚い被毛に覆われています。

そのため、熱を放散しにくく、夏の暑さなどには弱いです。

トリミングは必要のない犬種ですが、こまめにブラッシングを行なって毛量の調節を行なう、室温を調整するなどして熱中症を予防しましょう。

アラスカンマラミュートの性格について

見た目は狼に似ていますが優しいです

狼のような外見と、大型の体型から一見怖そうに見えますが、優しく穏やかな性格をしています。

友好的で従順な性格であるため、信頼関係が構築できると飼い主さんとも良いパートナー関係が築けるでしょう。

頑固な一面も

一方で頑固な一面も持ち合わせます。
威厳を持ち、マイペースに行動する部分もあります。

穏やかで飼いやすい犬種ですが、頑固さでトラブルにつながることもあります。
体格が大きいため、興奮につなげてしまうとけがをする危険性もあるでしょう。

飼い主さんはコントロールできるように、しつけをきちんと行いましょう。

アラスカンマラミュートの飼い方(日常の世話)について

充分な運動量を確保してあげましょう

本来はそり犬として活躍していた犬種です。

体力もあり、体を動かすことが好きな傾向があります。

ストレスを溜めないよう、お散歩などで充分な運動量を確保してあげてください。

関節なども負担がかかることもあるため、体重管理も合わせて行い、その個体にとって負担にならない適切な運動量を維持してあげましょう。

こまめな手入れを心がけましょう

寒冷地の犬種であるため被毛の量は豊富です。

換毛期には大量に毛が抜けるので、こまめにブラッシングをする必要があります。
抜け毛を放置してしまいますと、皮膚トラブルの原因になってしまうことがありますので注意が必要です。

若齢のうちからスキンシップの一環としてブラッシングを嫌がらないよう習慣づけましょう。

アラスカンマラミュートの歴史・起源について

アメリカでそり犬として活躍していました

アラスカ西部の海岸地方に住んでいたエスキモーのマラミュート族がそり引きなどに使用していた犬種と言われています。

祖先犬はシベリア地方のそり犬とされており、体格が一回り小さく見た目がよく似たシベリアンハスキーとも血縁関係があるとされています。

他にも狩猟や漁業でもアラスカンマラミュートの力強さが活かされていました。

改良を経て純粋な種の保存へ

白人がアラスカに上陸し、そり引きレースが行われるようになると、他の犬種との交配をすることで改良が行われました。
そのため、純粋なアラスカンマラミュートは激減してしまったと言われています。

しかし、アメリカ本土へそり引きレースが広まると、純粋な犬種の確立の必要性が叫ばれ、種の保存のための繁殖活動が行われました。
その後、1930年代にアメリカンケネルクラブに登録されました。

アラスカンマラミュートの気を付けたい病気について

関節の病気に注意

大型犬で体力もあるアラスカンマラミュートは運動も好きな子が多いです。

しかし、股関節の形成不全と呼ばれる股関節の病気などが見られることもあります。

関節の負担にならないよう、肥満には注意をし、歩き方や座り方などに変化が見られたら、受診や検査をして早期発見及び治療をおこなうことが大切です。

胃拡張胃捻転症候群に注意

体型や食事の際の興奮などから、アラスカンマラミュートは胃拡張胃捻転症候群に注意が必要です。

食事の際に空気を一緒にたくさん吸い込んだり、食後すぐに激しい運動をした場合などに起こりやすくなるとされています。

手術の必要な病気で、ひどい場合死につながる危険性もあります。

日常的な行動の中で予防を行い、腹部の膨満感や呼吸の異常、行動の変化など見られたらすぐに受診してあげてください。

アラスカンマラミュートの価格相場について

80万円から100万円くらいの価格になります

大型犬であるため、価格も高めです。

日本国内では飼育頭数が少ない犬種ということも理由の一つに関係しています。

血統によっては価格相場よりも高くなる個体もいます。

ペットショップよりもブリーダーからの購入の方が一般的

ペットショップで出会える可能性は低い犬種です。

繁殖を行っているブリーダーも人気犬種と比較すると少ないです。

繁殖を行なっているブリーダーを探して、見学や購入に行く流れになるケースが多いです。

獣医師から見たアラスカンマラミュートを飼う際のアドバイス

暑さに弱い犬種です

寒い地域が原産の犬種のため、暑さには弱いです。

大型犬なので外での飼育を検討しがちですが、夏は室内を涼しくしたうえでの飼育などの対策が必要です。

熱中症にも注意しましょう。

食事の管理をしてあげましょう

胃拡張・胃捻転症候群を起こしやすい犬種です。
空気を一緒に吸い込むような食べ方は、胃を拡張させ、胃捻転につながりやすくなる危険性があります。

空気を一緒に吸い込むような早食い行動が見られる場合、早食い防止の食器を使用するなど工夫するようにしてください。

また、アラスカンマラミュートは関節の疾患にも注意が必要と言われています。
肥満になると、四肢に大きな負担をかけてしまう可能性があります。
食事の質や量は個体によって適切なものに調節して与えましょう。

アラスカンマラミュートの飼育チャートについて

大型で体力もあるため、初めて犬を迎える方や、犬のためにたくさんの時間を割くことが難しい場合は、あまり飼育することをおすすめできない犬種です。

基本的には穏やかで愛情深い犬種ですが、信頼関係を築くためにはたくさんの時間が必要です。
また、周囲とのトラブル防止のためにも、しつけは飼い主さんのいうことを確実に聞くように、徹底して行なわなければなりません。

しつけや生活面で、アラスカンマラミュートのために時間を割いてあげられるのであれば、信頼関係を築いて一緒に活動的に遊んだり、お互いよいパートナーとなるでしょう。

初心者  2 初心者にはやや飼いづらい
しつけ  2 しつけはやや難しい
お手入れ  2 お手入れはやや難しい
気性  7 気性はかなり穏やか
多頭飼育  5 多頭飼育のし易さは普通程度
散歩  1 必要な散歩量は非常に多い(2.5~3時間程度)
病気  1 病気には非常に弱い
抜け毛  2 抜け毛はやや多い
吠え方  2 やや吠える
におい  5 臭いは普通程度
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