シーズーの特徴について
明るい性格で人間に友好的です。
絹糸のような美しい被毛、明るく友好的な性格が特徴です。1990年にはJKCの登録数でトップに輝いたこともある安定した人気のある犬種です。
体高は27cm以下、理想体重は4.5 kg~ 7.5 kgとされています。
四角く短いマズルと大きな瞳が特徴です。鼻の周りの毛が特徴的で、菊の花のような顔と言われます。防寒にもなる豊かな被毛が体を覆うように生え、優雅な雰囲気を醸し出しています。四肢の毛は特に豊かです。毛色は白、黒、茶がベースになりますが、あらゆる毛色が許容されています。身のこなしは軽やかですが、体つきは骨太で筋肉質です。
シーズーの性格について
明るく友好的です。
性格は明るく、人間に友好的です。飼い主や家族に愛情深く接し、子供の良き遊び相手になってくれます。
明るく素直ではありますが、頑固で気分やなところがあります。そのため、根気よくしつけしないとわがままになってしまい、反抗的になることもありますので、毎日のしつけをしっかりとおこないましょう。
シーズーの飼い方(日常の世話)について
被毛のケア、温度管理が重要です。
長い被毛を美しく保つため、毎日ブラッシングをおこないましょう。一般家庭では、短めのペットカットにすることが多いですが、短くしたからと言って被毛のお手入れをしないで良いということではありません。シーズーの皮膚は脂っぽいことが多いため、定期的なシャンプーやトリミングで体を清潔に保ちましょう。
シーズーは短頭種で被毛も豊であることから、暑さに弱い犬種ですので、温度管理が重要になります。高温多湿の時期は熱中症にかかりやすくなってしまうため注意しましょう。
シーズーは太りやすい犬種ですので、栄養管理をしっかりおこないましょう。適度な運動、短時間の散歩もおこないましょう。
シーズーの歴史・起源について
ラサアプソとペキニーズを祖先に持ちます。
チベットから清王朝に献上されていたラサアプソと中国原産のペキニーズを祖先に持つと言われています。1920年頃にイギリスに持ち込まれ、1934年にイギリスのケネルクラブ登録され、愛犬家たちに知られるようになりました。
シーズーの気を付けたい病気について
短頭種であること、皮膚疾患に注意しましょう。
短頭種であるため、呼吸器疾患や熱中症に注意が必要です。また、皮膚が脂っぽく弱い子が多いため、皮膚疾患が多く見られます。
・角膜炎
角膜とは、眼球の表面を覆う透明な膜であり、いわゆる黒目に当たる部分です。角膜は、光を通し網膜に届ける役割、外界からのホコリや細菌などから眼球を保護する役割、などを担っています。この角膜で炎症が起こっている状態のことを角膜炎と呼びます。
角膜炎になると、眼の違和感や痛みにより、眼をしばしばしたり、前肢で眼をこすろうとすることがあります。同時に、涙や眼脂が増える、白目が赤くなる、黒目に血管が伸びてくる、黒目が白く濁ってくる、といった症状が見られます。
・緑内障
緑内障とは、何らかの原因によって眼圧が上昇することで、眼の痛みや視覚障害を引き起こす疾患です。
緑内障になると強結膜の充血、角膜浮腫、散瞳が見られます。散瞳している状態で、眼球内の眼房水がたまっている状態ですと、眼が緑がかってしまいます。
・僧帽弁閉鎖不全症
犬で最も多い心臓病であり、左心室と左心房の間にある僧帽弁がきちんと閉まらなくなる疾患です。僧帽弁の機能不全により全身の血流低下と心負担増大を招き、様々な症状を引き起こします。
すぐ疲れる、散歩にいきたがらない、咳が出やすい、呼吸が浅く速い、チアノーゼ、咳をしたあと気絶する、ふらつく、突然元気がなくなり倒れ込むなどの症状が見られるときは、僧帽弁閉鎖不全や他の心臓病の疑いがあります。
・短頭種気道症候群
シーズーも短頭種の仲間に入りますので、短頭種に見られる気道の解剖学的な異常による呼吸器症状である短頭種気道症候群には注意が必要です。
短頭種気道症候群は、鼻から喉までの上部気道の閉塞が特徴とされています。上部気道の閉塞から、スターター音と呼ばれるいびきのような呼吸音が見られ、吸気努力と呼ばれる息を吸いにくい状態が見られるようになります。換気が難しくなってしまうことから、高体温もよく見られます。パンティングと呼ばれる開口呼吸が見られている時は、すぐに処置が必要です。
・熱中症
熱中症は、高温多湿環境下において、高体温および脱水によって生じる全身性の疾患です。
犬の熱中症は、高温多湿環境への長時間の曝露、熱放散能の低下、過度の運動、などが原因となりますが、条件が揃えば30分程度の運動でも熱中症が起こることがあります。
熱放散能が低下する要因としては、短頭種、肥満、呼吸器疾患や心疾患の悪化、などが挙げられます。
熱中症の症状としては、頻呼吸、頻脈、粘膜のうっ血や充血などが挙げられます。より重篤になりますと、虚脱、運動失調、嘔吐、下痢、流涎、意識消失などが認められます。
熱中症に伴い高体温になると、細胞を構成する蛋白質が変性し全身の臓器の機能が障害を受けます。高体温の状態が持続すると、脱水に加えて細胞障害がより一層深刻になり多臓器不全に陥ります。
・椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアにはHansen Ⅰ型とHansen Ⅱ型があり、Hansen Ⅰ型は椎骨と椎骨の間のクッションの役割である椎間板の弾力性の低下によって変性した髄核が脱出する急性の疾患です。Hansen Ⅱ型は椎間板の加齢性変化によって線維輪が背側へ突出する慢性の疾患です。
椎間板ヘルニアの発生個所には頚部と胸腰部があります。頚部椎間板ヘルニアでは、頚部痛、四肢の歩行異常などが見られます。胸腰部椎間板ヘルニアでは、背部痛、両後肢の歩行異常、深部痛覚の消失などが見られます。
・脂漏症
脂漏症は角化異常症に分類され、過剰な鱗屑やクリーム状の質感を呈する皮膚や被毛が認められます。様々な皮膚疾患や内分泌疾患に続発して見られる続発性脂漏症、遺伝的背景が疑われる原発性脂漏症に分類されます。
初期は紅斑や丘疹が見られ、慢性化すると脱毛、苔癬化、色素沈着が見られるようになります。
・外耳炎
耳の入り口から鼓膜までを外耳と言い、外耳の炎症を外耳炎といいます。犬がよくかかる病気のうちの一つです。外耳炎の犬は耳が痒いため、耳をよく掻く、頭を大きく振る、頭を傾け続ける、などの症状が見られます。マラセチア性外耳炎、細菌性外耳炎、アレルギー性外耳炎、ミミヒゼンダニ症などがあります。
シーズーの価格相場について
30万円前後になります。
シーズーの相場は30万円前後になります。血統によっては60万円程度と高価になる場合もあります。
獣医師から見たシーズーを飼う際のアドバイス
健康管理に気を付ける点はありますが、飼いやすい性格と言えます。
シーズーは、体質的な点や遺伝的な点で健康面には常に気を付ける必要があります。動物病院にかかる機会が多い犬種と言えますので、信頼出来るかかりつけの動物病院を見付けましょう。
シーズーは明るく社交的で、愛情深い性格ですので、飼いやすい犬種であると言えます。比較的無駄吠えも少ないため、集合住宅の飼育にも向いているかもしれません。
シーズーの飼育チャートについて
シーズーは抜け毛は少ないですが、皮膚が脂っぽいので少々におうかもしれません。健康管理に注意が必要ですが、性格が良いため初心者にもお勧めの犬種かと思います。
初心者 | 9 初心者でも非常に飼いやすい |
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しつけ | 5 しつけのし易さは普通程度 |
お手入れ | 2 お手入れはやや難しい |
気性 | 10 気性は非常に穏やか |
多頭飼育 | 5 多頭飼育のし易さは普通程度 |
散歩 | 5 必要な散歩量は普通程度(30分~1時間程度) |
病気 | 5 病気への強さは普通程度 |
抜け毛 | 10 抜け毛は非常に少ない |
吠え方 | 8 あまり吠えない |
におい | 2 やや臭う |