エイジアンの特徴について
エイジアングループとして5つに分類されています。
エイジアンとはオスのチンチラとメスのバーミーズの間に生まれた子猫を元に生み出された猫の亜種を総称した名前で、被毛の特徴によってバーミラ、スモーク、セルフ、タビー、ティファニーの5つに分類されています。
エイジアングループ共通の特徴は以下の通りです。
体の大きさは中型で、一見ふんわりとした丸みのある体型ですが、筋肉質で引き締まった体をしており細身です。
四肢はすらりと長く、尻尾はまっすぐです。
目の周りにはアイラインのような縁取りがあり、眼の色はイエローです。
5つのグループに分けられた被毛の特徴。
1. バーミラ
シルバーやクリームの被毛をベースに毛先の1/2~1/4にライラックやブラックなどの別の色が入っている被毛を持ちます。
2. スモーク
シルバーのアンダーコートにブラックのトップコートを持つため、体全体にスモークがかかっているように見える色合いが特徴です。
3. セルフ
1本1本の毛に他の色が混じらない単色の被毛です。
ブルー、ブラック、チョコレート、ライラック、レッドなどが存在します。
真っ黒な被毛を持つ「ボンベイ」はこのセルフに属するとされています。
4.タビー
縞模様が特徴で、ティックド(1本の毛に3~4色の縞模様が入る)、スポット(斑点)、マッカレル(サバ柄)、クラシックの4種のサブクラスに分類されます。
5.ティファニー
毛色や柄に指定はなくセミロングの被毛を持つものです。
「エイジアン・セミロングヘア」とも呼ばれます。
エイジアンの性格について
甘えん坊で愛情深い猫です。
エイジアンは基本的には穏やかな性格をしており、飼い主さんに構ってもらいたがる甘えん坊な猫です。
家族に対する愛情が深く、構ってもらいたいときには大きな声でよく鳴きます。
活発な一面もあります。
冒険好きで、家の中を探検するのが大好きです。
遊ぶときは活発で、愛嬌があります。
大きな音は苦手です。
自動車やトラックの音などの大きな音で騒がしいのは好きではありません。
静かに落ち着いて過ごすのが好きなので、騒々しい都会より静かな田舎暮らしが向いていると言われます。
エイジアンの飼い方(日常の世話)について
被毛のお手入れはある程度必要です。
エイジアンは短毛ですが毛が密に生えており抜け毛の量は多めです。
他の短毛種に比べるとややお手入れが必要ですが、週に2~3回程度ブラッシングしてあげる程度で十分です。
セミロングの毛を持つティファニーの場合や、換毛期などの場合は毛球症を予防するためにも少しこまめにブラッシングしたりシャンプーなどで抜け毛を取り除いてあげましょう。
エイジアンの歴史・起源について
チンチラとバーミーズのかけ合わせで誕生した猫種です。
エイジアンの始まりは1981年オスのチンチラペルシャとメスのバーミーズの間に生まれた4匹の子猫です。
この子猫達はそれぞれ特徴的な銀色の美しい被毛をしていたことから、この4匹を元にブリーディングが始められ、ブラウン以外のバーミーズを独立した一つの品種として確立する試みが行われました。
初めに作出されたのはバーミラで、バーミラを元にして他の亜種が作出され、エイジアングループとなりました。
品種の確立にはロシアンブルーのブリーダーであるミランダ・フォン・キルヒベルク女史が大きく貢献したとされており、彼女の他界を機にエイジアン協会が発足し、2001年にイギリスの猫種登録団体GCCFに加盟しています。
エイジアンの気を付けたい病気について
ペルシャの遺伝性疾患に注意が必要です。
エイジアンが誕生する元猫となったチンチラはペルシャの一種で、ペルシャで報告されている遺伝性疾患を受け継いでしまう可能性があるため注意が必要です。
多発性嚢胞腎に気を付けましょう。
多発性嚢胞腎は腎臓に多数の嚢胞が形成されて正常な腎臓の組織が徐々に減少してしまう遺伝性の疾患です。
発症は比較的若い内からみられ、発症してしまった場合には治す方法はありません。
いくつかの品種がその発症に関わる遺伝子を持つことがわかっていますが、ペルシャでは最も多く、約40%もの個体が多発性嚢胞腎に罹患しているという報告もあります。
この病気は腎機能の低下に伴って多飲多尿、食欲不振、嘔吐などの症状が現れ、最終的には腎機能不全を起こして死亡してしまう病気です。
発症した場合には症状を緩和し、残っている腎臓の組織をできるだけ保護するために、食事療法や内服薬での治療、点滴などを行います。
エイジアンの価格相場について
国内では入手が難しい猫です。
エイジアンは国内ではブリーダーや販売しているペットショップの情報はありません。
家族に迎えたい場合にはロシアなど海外のブリーダーを探して輸入が必要になります。
手続きには英語によるやり取りが必要になるため、多くの場合は猫の輸入を請け負っている輸入代行業者などに依頼することになるでしょう。
価格はブリーダーによって異なり、猫の生体価格に加え輸入にかかる輸送費や輸入代行業者などに支払う仲介料などが加算されるため、高額になると考えられます。
獣医師から見たエイジアンを飼う際のアドバイス
鳴き声が大きくよく鳴きます。
エイジアンの鳴き声は大きく、よく鳴く個体が多いと言われています。
トラブルの原因になりかねないため、マンションやアパートなどの集合住宅の飼育にはあまり向いていないと考えられます。
またエイジアン自身も車のクラクションなどで騒々しい環境はあまり好きではないため、飼育する環境としては郊外の静かで落ち着いた一軒家などが適していると考えられます。
エイジアンの飼育チャートについて
穏やかで優しい性格の猫ですが、声が大きくよく鳴くため、集合住宅では飼いづらい猫です。
遺伝性疾患などにも注意が必要ですので、定期的に健康診断を受けるなど健康管理に気を付けましょう。
日本ではなかなか入手が難しい猫種です。
初心者 | 3 初心者にはやや飼いづらい |
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しつけ | 7 しつけはかなり簡単 |
お手入れ | 4 お手入れのし易さは普通程度 |
気性 | 9 気性は非常に穏やか |
多頭飼育 | 8 多頭飼育はややし易い |
運動量 | 6 運動量は普通程度 |
病気 | 3 病気にはやや弱い |
抜け毛 | 3 抜け毛はやや多い |
鳴き方 | 1 非常に鳴く |
におい | 5 臭いは普通程度 |