キプロスアフロディーテの特徴について
山岳地帯で発達した大柄な猫です。
キプロスアフロディーテはフサフサの毛を持つ大型の猫で、長い後ろ足で坂道を下っているような歩き方をするのが特徴の猫です。
山岳地方で生活していた猫で、長い後ろ足は山岳地帯で斜面を行き来しやすいように進化したものと考えられています。
体格は大型のロング&サブスタンシャルタイプで、雄では10~11kg、雌では5~7kg程とオスとメスで体格差があります。
体は骨太でがっしりしており筋肉質、首は長く、四肢は前述の通り前足よりも後ろ足が長いのが特徴で、尻尾は中程度から長めで先端に向かうにつれて細くなっています。
頭の形は逆三角形で、やや面長なすっきりとした顔立ちをしています。
卵型の目の色はイエロー、ブルー、グリーンなど様々な色があります。
大きく目立つ耳は小さな物音を聞くだけでなく、暑い時に体温を放散する役割も担っていると考えられています。
被毛は非常に柔らかく、被毛の長さはショートヘアー~ミディアムアムロングまで幅があります。
寒い冬に対応できるようにダブルコートで厚く密に生えますが、夏になるとアンダーコートがなくなりやや短めの被毛に変わります。
毛色や模様のパターンは様々で、ソリッド(単色)からバイカラー、キャリコ(三毛)などにポイントカラーなどもあり非常に豊富です。
同じく山岳地方で生活していた猫種ターキッシュバンとよく似ていますが、被毛の色やパターン、後ろ足の長さなどが異なります。
キプロスアフロディーテの性格について
穏やかで社交的な猫です。
キプロスアフロディーテは穏やかな性格の子が多い猫種です。
飼い主さんのことが大好きで人と触れ合うことを好み、膝の上でくつろぐことも多いようです。
遊ぶときは元気で活発です。
山岳地帯で生活していた猫ですので運動量は多く、遊ぶときは活発に遊びます。
キプロスアフロディーテの飼い方(日常の世話)について
被毛のお手入れをしてあげましょう。
被毛は密に生えていますが抜け毛の量はそこまで多くはなく、週に1~2回ほどのブラッシングでもあまり毛がもつれることはないようです。
ブラッシングをこまめにしてあげることでフサフサの被毛を美しく保つことができます。
ただし換毛期にはたくさんの毛が抜けますので、時期に合わせてブラッシングやシャンプーをしてあげましょう。
運動できる環境を整えましょう。
運動量は比較的多めで体も大きいため、室内で運動不足にならないようにするためにはある程度の広いスペースを確保してあげる必要があります。
上下運動できるようにキャットタワーを設置してあげることも良いですが、大柄な体で飛び乗ったり飛び降りたりしても倒れないようにある程度強度のあるものを設置するようにしましょう。
キプロスアフロディーテの歴史・起源について
キプロス山脈で自然発生した猫種です。
キプロスアフロディーテは地中海に浮かぶキプロス島で自然発生した猫であると考えられています。
キプロス島の山岳地帯で野生の猫として古くから生活していた猫ですが、品種として登録されたのは最近のことです。
猫種として初めに見出したのは、猫のブリーダーをしていたイギリス人女性です。
2005年、この女性がキプロス島を訪れた際、滞在先に迷い込んできた野良猫の特徴に注目し、繁殖させたのがきっかけでした。
この猫と新たに迷い込んできた同様の容姿の猫を交配させたところ、子猫も親猫と同様に逆三角形のシャープな顔立ちで長い後ろ足を持つ骨太な大型の猫となり、新しい品種であると確信した彼女は新品種として確立させようと決意したのです。
この子猫達を元に繁殖を進め、2008年、キプロスアフロディーテは新しい猫種として正式に登録されました。
比較的最近公認されたため、その歴史はまだ浅く認知度はまだ高くありません。
名前はギリシャ神話に登場する愛と美の女神の名前「アフロディーテ」に由来しています。
キプロスアフロディーテの気を付けたい病気について
進行性網膜萎縮症になることがあります。
目の奥にある網膜が徐々に萎縮・変性してしまい、視覚を失ってしまう病気です。
遺伝性の発症、またはタウリン不足や他の眼の病気が原因となって起こることがあります。
進行するとともに徐々に物が見えづらくなるため、ものにぶつかって歩いたり高いところに上らなくなることなどといった変化が見られますが、初期の段階で飼い主さんが気付くのは難しいことが多く、診断時にはすでに視覚の大部分を喪失してしまっていることが多い病気です。
効果的な治療方法はなく、最終的には完全に視覚をなくしてしまいますが、生活環境を整えてあげることで猫は室内でうまく生活できます。
白内障を続発して緑内障や水晶体脱臼に発展してしまうことがあるため、目の状態の経過観察が必要です。
キプロスアフロディーテの価格相場について
日本での入手は難しい猫種です。
キプロスアフロディーテは世界的にもまだまだ個体数が少ない希少な猫です。
日本にはブリーダーや販売しているペットショップの情報はありませんので、入手するためには海外で飼育しているブリーダーを探して輸入することになります。
しかし海外でもキプロスアフロディーテの子猫の情報を見つけるのは苦労するようです。
子猫の生体価格に加え、輸入にかかる輸送費や輸入代行業者などへの仲介料などが加算されるため、価格は高額になることが予想されます。
獣医師から見たキプロスアフロディーテを飼う際のアドバイス
成長がゆっくりです。
大型の猫は一般的に成長が遅い傾向がありますが、キプロスアフロディーテもその一つで、成猫になるまでに4~5年ほどかかると言われています。
そのため、成長期の間は必要な栄養が十分取れるように配慮する必要があります。
成長期用のフードは高栄養の組成となっているため、運動不足になってしまうと肥満傾向になってしまいます。
室内飼育であっても適度に運動を促し、太らせないようにしましょう。
キプロスアフロディーテの飼育チャートについて
人によく懐き、穏やかな性格のため飼いやすい猫種と考えられます。
体が大きいため、運動できる環境をしっかりと整えてあげ、長い成長期の間は栄養管理をしっかりしてあげることが必要です。
日本では入手が難しい猫種です。
初心者 | 5 初心者には普通程度の飼いやすさ |
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しつけ | 7 しつけはかなり簡単 |
お手入れ | 6 お手入れのし易さは普通程度 |
気性 | 8 気性はかなり穏やか |
多頭飼育 | 5 多頭飼育のし易さは普通程度 |
運動量 | 2 運動量はやや多い |
病気 | 5 病気への強さは普通程度 |
抜け毛 | 6 抜け毛の量は普通程度 |
鳴き方 | 5 普通程度に鳴く |
におい | 7 あまり臭いがない |