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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

クリッパーキャットの特徴について

多指が特徴の猫です。

クリッパーキャットの最大の特徴は多指であることです。
通常は猫の指は前足に5本ずつ、後足に4本ずつのため、前後肢合わせて18本ですが、クリッパーキャットでは前足の指は5~7本、後足の指は4~7本であることがあり、最大で28本もの指を持つ猫もいます。
指の数は多ければ多いほど良いというものではなく、上記の数が基準となっています。

多指であること以外は他の猫と際立って異なるところはありません。
また、同じく多指であるアメリカンポリダクティルとは遺伝子の型が違うようですが、見た目に区別することは難しいほどよく似ています。
被毛の色には特に規定はなく、全ての毛色が存在します。

クリッパーキャットの多指は遺伝的なもので、親猫のどちらかが多指であれば高確率で子猫にも遺伝します。
多指であるため手が大きく見えます。

クリッパーキャットの性格について

人懐こく順応性が高い猫です。

クリッパーキャットは非常に人懐こく、社交性が高いためあまり人見知りをしません。
船という過酷な環境で生活していた歴史があるためか、環境に対する順応性も高く、しつけもよく覚えます。

活発な猫です。

船上でネズミを捕って生活していたため、ハンティング能力が高く、活発な猫です。
多指の大きな手を上手に使って物をつかんだりすることができます。

クリッパーキャットの飼い方(日常の世話)について

被毛のお手入れは比較的容易です。

クリッパーキャットは短毛種で、被毛のお手入れは週に1~2回ブラッシングする程度で十分なため、お手入れにあまり神経質にならなくても良さそうです。

ただし年に2回ほど訪れる換毛期にはたくさんの毛が抜けます。
時期によってはブラッシングの頻度を多くしたり、必要に応じてシャンプーなどをしてあげましょう。

爪切りを定期的にしましょう。

多指の指は通常の指ほどしっかり接地しないことが多いため、爪とぎをしてもうまく爪がはがれず巻き爪になって肉球に刺さってしまうことがあります。
それを予防するために、定期的に爪のチェックをしてこまめに爪を切ってあげるようにしましょう。

運動できる環境を整えてあげましょう。

もともと狩りをしていた猫ですので運動量は多く活発です。
室内でも運動不足にならないようにできれば広いスペースを確保してあげ、上下運動できるように家具の配置を工夫したりキャットタワーを設置してあげると良いでしょう。

飼い主さんと遊ぶのも大好きですので、時間のある時には遊び相手をして運動を促してあげましょう。

クリッパーキャットの歴史・起源について

イギリスから船で渡った猫と考えられています。

クリッパーキャットの祖先は1850年~1900年にかけてオーストラリアやニュージーランドに移民を運んだ大型の帆船(Clipper ship)に乗っていた猫と考えられています。

イギリス南部では多指の猫は航海における幸福のお守りと考えられており、船の船長に贈り物として贈られることが慣習となっていました。
さらに、長い航海の間、船の食料をネズミから守るために猫が必要であったため、イギリスからアメリカやオーストラリア、ニュージーランドまで渡る船には食料番として猫がよく同乗していました。

アメリカに渡る船に乗っていた多指の猫としてはアメリカンポリダクティルが有名で、外見もよく似ていますが、クリッパーキャットは遺伝子が「ヘテロ接合型」であることが条件、という点が異なります。
(ヘテロ接合体とはある一つの特徴に関連した遺伝子がAa-Bbのように対立した状態となっていること)
クリッパーキャット同士のかけ合わせは「ホモ接合体」となってしまう可能性があるため禁止されており、ニュージーランドショートヘアーおよびニュージーランドロングヘアーとのみ交配が許可されています。

現在もクリッパーキャットが多くみられるのは、当時の帆船がよく寄港したハウラキ湾・オークランドです。

クリッパーキャットの気を付けたい病気について

遺伝性の疾患は報告されていません。

多指の遺伝子は他の遺伝性疾患との関連はなく、クリッパーキャット特有の好発疾患なども報告されていません。

しかし猫に一般的に多いとされる泌尿器の疾患(尿石症など)や中高齢期からの腎疾患などには他の猫と同様に注意が必要です。
定期的に健康診断(血液検査や尿検査)を受け、中高齢期頃からは腎機能に配慮したフードを与えるなど、健康管理には気を付けるようにしましょう。

クリッパーキャットの価格相場について

日本での入手は難しい猫です。

クリッパーキャットは希少な猫で、日本ではブリーダーや販売しているペットショップの情報はありません。
家族に迎えたいという場合には海外のブリーダーを探して輸入することが必要です。

子猫の生体価格の詳細は不明ですが、それに加え輸入にかかる輸送費や輸入代行業者などへの仲介料などが加算されるため、価格は高額になることが予想され、50万円前後になるともいわれています。

獣医師から見たクリッパーキャットを飼う際のアドバイス

子猫の時の歩行は少しぎこちないことが多いようです。

多指の猫の特徴として、子猫の時期には大きな手足をうまく使えず、歩行がぎこちなく感じることが多いようです。
多くの場合は成長とともに上手に歩けるようになりますのであまり心配はいりませんが、いつまでたっても歩行がうまくできない場合は関節を傷めたりしている可能性もありますので、一度病院で相談してみましょう。

クリッパーキャットの飼育チャートについて

人懐こく社交的で順応性も高い猫ですので、飼いやすい猫と考えられます。
巻き爪などには注意が必要ですが、好発疾患なども特に報告されていません。
日本では入手自体が難しい猫です。

初心者  5 初心者には普通程度の飼いやすさ
しつけ  7 しつけはかなり簡単
お手入れ  8 お手入れはかなり楽
気性  8 気性はかなり穏やか
多頭飼育  5 多頭飼育のし易さは普通程度
運動量  3 運動量はやや多い
病気  5 病気への強さは普通程度
抜け毛  6 抜け毛の量は普通程度
鳴き方  5 普通程度に鳴く
におい  6 臭いは普通程度
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