ドンスコイについて【獣医師執筆監修】猫種辞典・猫図鑑
ドンスコイの特徴について
ロシア原産の無毛の猫です。
ドンスコイは毛のない無毛種の猫です。
「ドンスコイ」という名前の他に「ドンスフィンクス」とも呼ばれ、同様に無毛のスフィンクスと似ていますが、無毛になる遺伝子はスフィンクスでは劣性遺伝するのに対しドンスコイは優性遺伝であるという点が異なります。
体の大きさは中型で体型はセミフォーリン、ボディはがっしりとした骨太で筋肉質です。
胸と臀部の幅が広く、腹部は丸みがあります。
前足が後ろ足よりもやや短く、指の間には水かきがあります。
尻尾は中くらいの長さで先が細くなり先端は丸くなっています。
頭の大きさは中くらいでやや長めのくさび型をしており、額は平らで頬骨が高く、額には皺が目立ちます。
目はアーモンド型で大きく、目の色は豊富で毛の色との関連性はありません。
耳は大きくピンと立っていて目立ちます。
最大の特徴は被毛と皮膚です。
皮膚はほぼ無毛ですが、うっすらと毛が生えている個体もおり、その毛の生え方によって以下のように分けられています。
・ラバーボールド:生まれつき全く毛が無い
・フロックド:毛が無いように見えるがスエードのような起毛があるタイプ
・ベロア:頭頂部に濃い色のスポットがあり、体を巻き毛に覆われて生まれ、徐々に抜け落ちるタイプ
・ブラッシュ:身体の大部分が柔らかい巻き毛あるいは縮れ毛で覆われているタイプ
フロックドとベロアはわずかに毛が生えて生まれてきますが、成長とともにほとんどの毛が抜けてしまいます。
一方ブラッシュは唯一あまり毛が抜けないタイプです。
ドンスコイがこのように無毛になるのは、脱毛に関する遺伝子が優性遺伝することによっておこると考えられています。
皮膚は伸縮性があり額、顎、顎の下、頬、首の付け根、胸部や腹部、四肢や尻尾の付け根には皺が見られます。
手触りはしっとりと柔らかく、被毛がないためにダイレクトに体温を感じることができます。
毛がほとんどないため、皮膚の色がそのまま体の色になります。
バリエーションは割と豊富で、ピンク色の肌色の場合もあればライラック、フォーン、タビー(縞模様・不規則な斑点のブロッチ・斑点模様のスポットの総称)、ミケなども存在します。
人と同じように汗腺を持ち、汗をかくのも特徴です。
ドンスコイの性格について
社交的で穏やかです。
社交的で人懐こく、あまり人見知りしない猫です。
とても穏やかな性格で、小さな子供や他の動物ともすぐ仲良くなれます。
家族への愛情が深く、飼い主さんの膝の上で過ごすことも大好きです。
活動的で賢い猫です。
遊ぶのが好きで活動的な猫です。
好奇心旺盛なためいたずらすることもありますが、頭が良く飼い主さんには忠実ですのでしっかりしつけてあげることで危険を減らすことができます。
遊び好きなので一人遊びもできますが、寂しがり屋のため一人ぼっちで過ごす時間が長いのはあまり好きではありません。
ドンスコイの飼い方(日常の世話)について
肌のお手入れが必要です。
無毛~毛が非常に少ないため、分泌された皮脂が毛になじんで拡散されず、皮膚表面が皮脂でべたつきがちです。
そのため、体質に合わせてこまめにお手入れをしてあげる必要があります。
皮脂は暖かい蒸しタオルで拭き取ったり、定期的にシャンプーしてあげるようにしましょう。
特に皮膚の皺の間には皮脂が溜まりやすく、そのままでは皮膚炎の原因になることもありますので丁寧に拭き取ってあげましょう。
室温管理を徹底しましょう。
毛がほぼないため、寒さに対する耐性がありません。
寒くなり始める秋口から冬にかけては寒さ対策を徹底してあげる必要があります。
室温は暖房やエアコンなどでできるだけ暖かく保ち、必要に応じてペット用の服を着せたりヒーターマットを使用してあげましょう。
また夏場は逆に熱中症にもクーラーによる冷え過ぎにも注意が必要です。
室温管理は徹底して行うようにしましょう。
紫外線対策も必要です。
皮膚が毛で覆われず露出しているため、紫外線に対する配慮も必要になります。
強い紫外線にさらされることによって皮膚障害や皮膚の腫瘍などの発生リスクが上がってしまいます。
特に日差しの強い初夏~夏の期間は注意が必要です。
基本的には室内で飼育し、窓にはUVカット効果のあるレースカーテンやフィルムなどを設置して直射日光が肌に直接当たらないように工夫しましょう。
ドンスコイの歴史・起源について
ロシアで偶然発見された無毛の猫がルーツです。
ドンスコイは1987年、ロシアのロストフ・ナ・ドヌという都市で発見された1匹の猫がルーツとなっています。
エレーナ・コバレワという一人の女性が、ある日少年たちにいじめられていた1匹のメスの子猫を助けます。
この子猫はバルバラと名付けられてコバレワに飼われることとなりますが、しばらくすると全身の毛が抜け始め、尾と足、耳の後ろにわずかに毛が残る程度となりました。
翌年、バルバラは子猫を生み、その中には毛のある子猫と毛のない子猫が混在していたのですが、成長とともにすべての子猫の毛が抜けてバルバラと同じ様にほぼ無毛になりました。
これを受け、コバレワはブリーダーである友人のイリーナ・ネミキナと共にバルバラと子猫達をキャットショーに出場させました。
そこで新しい特性を持つ猫であると認められたため、ネミキナは品種として確立しようと繁殖計画を進め、1997年には猫種登録団体のWCF、2005年にはTICAの公認を受けます。
WCFの登録名はバルバラが保護された川の名前と無毛の猫の代表的な存在であるスフィンクスに由来して「ドンスフィンクス」、TICAには「ドンスコイ」という名で登録されたため、品種名が2つありますが、同じ品種を指しています。
ドンスコイの気を付けたい病気について
歯の形成異常が起こることがあります。
ドンスコイの無毛の遺伝子には歯の形成異常が起こる可能性が指摘されています。
健康診断時には口の中もチェックしてもらい、歯の状態や口腔内の状態に合わせて行えるケアがあれば早めに対処するように心がけましょう。
皮膚病や皮膚の変化に気を付けましょう。
皮膚を守る被毛が少ない(または全くない)ため、外界の刺激がダイレクトに皮膚に刺激を与えやすく、紫外線による皮膚障害や細菌・真菌などの感染症に注意が必要です。
特に皮脂が皮膚の皺などにたまりやすく、皮脂を好んで増殖するマラセチア性皮膚炎などになりやすいと考えられます。
被毛が少ない分皮膚の状態は把握しやすいので、できるだけ清潔に保つようにこまめにケアし、皮膚が赤い、痒がっている、化膿している、フケが多いなど、いつもと違う様子があった場合にはできるだけ早く病院を受診しましょう。
ドンスコイの価格相場について
日本ではほとんど手に入らない猫です。
ドンスコイは日本ではほとんど見かけることはなく、国内ではブリーダーや販売しているペットショップの情報はありませんので、入手するためには海外のブリーダーを探して輸入することになります。
価格はブリーダーによって(あるいは被毛のタイプによって)かなり幅があるようです。
キャットショーなどに出場するような血統の場合はさらに高額になることもあります。
輸入の際には子猫の生体価格だけでなく輸入にかかる輸送費や輸入代行業者などへの仲介料などが加算されるため、価格は非常に高額になることが予想されます。
獣医師から見たドンスコイを飼う際のアドバイス
怪我に気を付けましょう。
体を守る被毛がほとんどないため、活発に遊んでいる最中に家具の角や突起物などに接触して思わぬ怪我をすることがあります。
あらかじめ怪我の原因になりそうなところにはコーナークッションを設置し、尖ったものや怪我の危険があるものは撤去するなど、予防策を講じておく方がいいでしょう。
また猫同士のケンカやじゃれあいでも爪や牙などによって怪我をするリスクが高いと考えられますので、多頭飼育する場合には特に気を付けて様子をみてあげる必要があります。
ドンスコイの飼育チャートについて
人懐こく社交的で飼いやすい猫です。
独特な皮膚・被毛を持つため、毎日お手入れしてあげる必要があります。
一人遊びもある程度はできますが、長時間一人でお留守番することはストレスになりがちですので、一人ぼっちの時間が長くならないように家族で協力して配慮してあげるようにしましょう。
| 初心者 | 3 初心者にはやや飼いづらい |
|---|---|
| しつけ | 8 しつけはかなり簡単 |
| お手入れ | 2 お手入れはやや難しい |
| 気性 | 8 気性はかなり穏やか |
| 多頭飼育 | 8 多頭飼育はややし易い |
| 運動量 | 5 運動量は普通程度 |
| 病気 | 6 病気への強さは普通程度 |
| 抜け毛 | 10 抜け毛は非常に少ない |
| 鳴き方 | 5 普通程度に鳴く |
| におい | 3 やや臭う |











