チワワの特徴について
全犬種の中で最も小さい犬種です。
現在公認されている犬種の中で最も小さい犬種です。日本やアメリカを中心に世界中で人気の犬種です。
チワワは被毛のタイプが2種類あり、しっぽや耳の周りに豊富な飾り毛があるロングコート、光沢がある短い被毛のスムースコートになります。
体高は15~25cm、体重は1~3kgとされています。理想体重は1.5~2.5kgになります。
リンゴのように丸みを帯びた額が特徴で、目はぱっちりとしています。マズルは短く小さめで、耳は大きな立ち耳です。毛色のバリエーションは豊富です。しっぽは上向きに少しカーブしています。スムースコートのしっぽは短い被毛ですが、ロングコートのしっぽは飾り毛が豊富に生えています。コンパクトな体形ですが、筋肉がほどよくつき引き締まっています。胸や四肢が発達し、がっしりとしています。
チワワの性格について
明るく快活ですが、繊細な部分もあります。
性格は活発で遊び好きですが、繊細で用心深い部分もあります。見知らぬ人には気を許さないこともありますが、飼い主家族には愛情深く接してくれます。
独立心が強くマイペースな犬が多いと言えます。そのため、飼い主さんがチワワの要求に応えてあげるなどして甘やかしてしまうと、わがままになったり反抗的になってしまうことがあります。気に入らないことがあると咬むようになってしまいますと、病気になった時の投薬が出来なくなってしまうこともありますので注意が必要です。
チワワの飼い方(日常の世話)について
適度な運動と体重管理をおこないましょう。
毎日の健康管理として、適度な運動をおこなうようにしましょう。また、よく食べる子や偏食の子は太りやすいため、食事管理によって適切な体重を維持しましょう。
チワワは屋外が苦手であったり、散歩に出ても歩かない子もいます。チワワは運動量の多い犬種ではありませんが、出来るだけ散歩に出かけていただけると良いかと思います。これは、屋外に出かけることで他の犬や家族以外の人と接することで、持って産まれた繊細さや用心深さが緩和される可能性があります。
チワワの歴史・起源について
メキシコ出身とされています。
諸説ありますが、メキシコに古くからいたテチチという犬種が祖先であると言われています。メキシコを支配していたアステカ族がテチチとチャイニーズクレステッドドッグを交配させ、その犬が1850年頃アメリカに渡り、小型化が進められ現在の姿になりました。
原産国であるメキシコにはチワワにまつわる伝承が残っています。アステカ族がおこなう儀式に、神聖な犬として死者へのいけにえとして捧げるものがあったそうです。
チワワの気を付けたい病気について
遺伝性の疾患などが見られます。
心疾患、気管の異常、関節のトラブルなどが多く見られます。
トイプードルと同様に膝蓋骨内方脱臼がよく見られるため、体重を増やさない、滑りやすいフローリングなどで生活させない、などの対策が必要です。
眼がぱっちりしていることから、眼のトラブルもよく見られます。異物が入ってしまい結膜炎を引き起こしたり、眼を傷付けて角膜炎を引き起こすことがあります。
額が張り、マズルが短く、斜視の個体が可愛いと人気が出たことによって、水頭症を発症するチワワが多くなったと言われています。
・膝蓋骨内方脱臼
膝のお皿である膝蓋骨が正しい位置からずれてしまう疾患です。パテラと呼ばれることがあります。後肢を挙上する、触ると嫌がる、後肢を引きずって歩くなどの症状が見られます。
・僧帽弁閉鎖不全症
犬で最も多い心臓病であり、左心室と左心房の間にある僧帽弁がきちんと閉まらなくなる疾患です。僧帽弁の機能不全により全身の血流低下と心負担増大を招き、様々な症状を引き起こします。
すぐ疲れる、散歩にいきたがらない、咳が出やすい、呼吸が浅く速い、チアノーゼ、咳をしたあと気絶する、ふらつく、突然元気がなくなり倒れ込むなどの症状が見られるときは、僧帽弁閉鎖不全や他の心臓病の疑いがあります。
・気管虚脱
気管虚脱とは、気管軟骨が弱くなってしまうことと気管筋が伸びてしまうことで気管の機能が低下してしまう疾患です。気管虚脱は、非常によく見られる呼吸器疾患の1つです。
軽度の気管虚脱の場合、とくに症状が見られないこともあります。進行してきますと、咳やアヒル様呼吸音と呼ばれる「ガーガー」鳴くような呼吸が見られるようになります。さらに進行してきますと、呼吸困難が見られます。舌の色が色になっている場合、チアノーゼと呼ばれる低酸素状態で非常に危険な状態です。最悪の場合は呼吸停止を引き起こし、死に至ることがあります。
・結膜炎
結膜とは、まぶたの裏側と白眼の部分を覆っている膜のことです。まぶたの裏側の結膜を上眼瞼結膜、白眼の部分の結膜を眼球結膜と呼びます。結膜炎とは、様々な原因によって結膜に炎症が引き起こされている状態のことを言います。白眼が赤くなっていることで気付くことが多いです。
・角膜炎
角膜とは、眼球の表面を覆う透明な膜であり、いわゆる黒目に当たる部分です。角膜は、光を通し網膜に届ける役割、外界からのホコリや細菌などから眼球を保護する役割、などを担っています。この角膜で炎症が起こっている状態のことを角膜炎と呼びます。
・水頭症
脳は頭蓋や脊柱内にぶらさがり脳脊髄液の中に浮かんでいます。水頭症とは、脳脊髄液が異常にたまり脳を圧迫した状態のことを言います。脳を圧迫することで、脳の正常な機能が失われることがあります。
チワワの価格相場について
35万円前後になります。
コロナの関係でここ2年ほどで犬の価格が上がっています。
チワワは大体35万円前後になります。チワワの毛色は豊富ですが、その中でもレアとされるブルーやイザベラのチワワはさらに高額になる場合があります。
獣医師から見たチワワを飼う際のアドバイス
繊細な部分がありますので注意しましょう。
チワワは明るく快活な子が多い反面、繊細な子も多いと言えます。繊細な部分が強くならないような接し方、しつけ方が必要です。繊細で怖がりな子や攻撃的な子もいますので、飼い主さんだけで改善するのが難しい場合は、ドッグトレーナーや訓練士に相談していただくと良いかと思います。
チワワは寿命が15~18歳と長寿な犬種であると言えます。そのため攻撃的なチワワの場合は、高齢になってからの介護や投薬が困難になることもあります。そうならないためにも若いうちから正しい接し方をしていただきたいと思います。
チワワは寒さに弱い犬種であると言えます。愛犬が冬の屋外に連れて行った際に震えるなど寒がっているような場合は、洋服を着せることを検討していただければと思います。
チワワは骨が細いとされていますので、骨折に注意しましょう。抱っこしている高さから落としてしまうだけでも骨折することがあります。また、チワワの頭蓋骨は、頭頂部が癒合していない場合があります。そのため、頭をぶつけないように注意しましょう。
チワワの飼育チャートについて
定期的なトリミングは必要ありませんが、抜け毛は比較的多いと言えます。
性格が繊細であることからよく吠えたり攻撃的になる、骨が細く折れやすいなど怪我しやすい、といった理由から初心者にとって飼いにくい部分もある犬種ではないかと思います。
初心者 | 6 初心者には普通程度の飼いやすさ |
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しつけ | 5 しつけのし易さは普通程度 |
お手入れ | 8 お手入れはかなり楽 |
気性 | 5 気性は普通程度 |
多頭飼育 | 8 多頭飼育はややし易い |
散歩 | 7 必要な散歩量はやや少ない(10分以内) |
病気 | 5 病気への強さは普通程度 |
抜け毛 | 2 抜け毛はやや多い |
吠え方 | 2 やや吠える |
におい | 5 臭いは普通程度 |