ピレニアンマスティフについて【獣医師執筆監修】犬種辞典・犬図鑑
ピレニアンマスティフの特徴について
がっしりとした体形です
クマや狼などを相手にする護衛犬として使役していたことからもわかるように、筋肉質のがっしりとした体格をしていて、体力も力強さも持っています。
オスのほうがメスより一回りほど体が大きくなる傾向があります。
いろいろな犬種の中で、重量がある部類に属する犬種と言えます。
寒さに耐えられる豊富な被毛が特徴的です
ピレネー山脈での活躍をしていた犬種であるため寒さには強い犬種です。
豊富なダブルコートの被毛で、体が寒さに耐えられるようなつくりをしています。
密集して生えたアンダーコートと長めのオーバーコートから成ります。
そのため寒さには強いですが暑さには弱く、湿度の高く暑い日本の夏は、熱中症に注意が必要です。
ピレニアンマスティフの性格について
大型犬ならではの穏やかさ
大型犬ならではの穏やかさを持っています。
穏やかで落ち着いており、全体の仕草ゆっくりでおっとりしている印象を受けることが多いです。
警戒心が強い一面も
護衛犬としての使役からもわかるように、警戒心が強い一面も持ちます。
普段の性格の穏やかさや表情が豊かでないため、イヌが警戒しているか、威嚇しているか、ただ注目しているかなど、体全体の様子をみて読み取る必要があります。
体格も大きく、警戒心や独立心から攻撃に変わった際に、強い力での攻撃になる可能性が高く、致命的なけがを負わせてしまう危険性があります。
問題につながらないよう、攻撃などにつなげないために、制御できるようにしつけることが大切です。
ピレニアンマスティフの飼い方(日常の世話)について
温度管理は充分に注意をしましょう
暑さには弱いため、温度管理が必要です。
被毛も豊富で熱の放散も苦手な傾向があります。
熱中症へのなりやすさや、興奮による体温上昇などもあるため、夏の暑い時期はエアコンで室温を下げる管理は必須です。
大型犬ですが室内で温度管理が出来る場所での飼育が必要です。
しつけをきちんと行いましょう
性格が穏やかな犬種ですが、成犬になると体格は大きくなり、強い力を持ちます。
興奮や警戒による噛みつきや飛びつきが周りの犬や人をけがさせてしまったり、大きなトラブルになる可能性があるため、普段からしつけをきちんと行う必要があります。
飼い主さんが制御できるよう、普段から信頼関係を築いておくことも大切です。
ピレニアンマスティフの歴史・起源について
スペインのピレネー山脈で発展した犬種です
スペインのアラゴンからナヴァラに広がるピレネー山脈で発展しました。
そのため、以前はナヴァラマスティフという呼び名もあったほどです。
クマや狼などの害獣からの護衛犬として長く使役してきました。
犬種の持つ警戒心の強さや独立心の強さを活かした使役だったと言えるでしょう。
絶滅の危機を乗り越えて現代へ
1900年代になると、ピレネー山脈でクマや狼の頭数が減少したため、ピレニアンマスティフの活躍する場は減少し、ピレニアンマスティフ自体も絶滅の危機を迎えました。
しかし、スペインの団体により保護活動が行われ、絶滅の危機を乗り越えました。
現在では希少犬種ではありますが、超大型犬として長所をたくさん持つピレニアンマスティフは世界で愛されています。
ピレニアンマスティフの気を付けたい病気について
関節の病気に注意
体格が大きく、活発な犬種です。
先天的な股関節形成不全などの疾患が起こりやすいとされています。
歩き方や座り方に変化を感じたら受診をしましょう。
また、食欲も旺盛な犬種ですが、肥満は関節への負担をかけます。
後天的な靭帯の異常などにつながる可能性も高いです。
肥満にならぬよう、食事量をコントロールしてあげてください。
胃拡張胃捻転症候群に注意
胃拡張胃捻転症候群に注意が必要です。
食事の際に空気を一緒にたくさん吸い込んだり、食後すぐに激しい運動をした場合などに起こりやすくなるとされています。
興奮しながらごはんを食べることも多いピレニアンマスティフは食事の際に空気をたくさん吸い込みがちとされています。
手術の必要な病気で、ひどい場合死につながる危険性もあるため注意が必要です。
日常的な行動の中で早食い防止食器を使用するなどの予防を行い、腹部の膨満感や呼吸の異常、行動の変化などが見られたらすぐに受診してあげてください。
ピレニアンマスティフの価格相場について
国内ではほとんど流通していない犬種です
国内での飼育頭数は少なく、繁殖を行なっているブリーダーもほとんどいない犬種です。
そのため、ペットショップやブリーダーを探して購入することが難しいことが多いです。
海外での繁殖を行なっているブリーダーとつながりのあるペットショップやブリーダーを通じて海外からの輸入を検討する必要がある可能性が高いです。
海外からの輸入の場合にかかる費用
国内でのブリーダーやペットショップで購入することが難しい場合、海外で繁殖を行なっているブリーダーからの輸入を検討しなければいけません。
その場合、それぞれの国での出入国での手続きや空輸の費用などが生体の価格と併せて必要になります。
また、海外のブリーダーとのやり取りなども含めて代行業者に依頼する場合は手数料も必要になる可能性が高く、高額になるケースも多いです。
獣医師から見たピレニアンマスティフを飼う際のアドバイス
熱中症には注意しましょう
寒い地域に住む犬種だったため豊富な被毛に覆われていて、暑さに弱いです。
熱中症になりやすい傾向があります。
散歩の時間の温度への配慮や室内で温度を管理した上で飼育してあげてください。
また呼吸が荒かったり、触って体温が熱いと感じた場合は熱中症の可能性が高いため、すぐに受診しましょう。
肥満に注意しましょう
体も大きく、関節にかかる負担は大きいです。
肥満になると、より関節への負荷は大きくなり、関節疾患になりやすくなったり、元々の状態が悪化する傾向があります。
食事量や質はその個体に合ったものにしましょう。
個体の関節の状態などにより、適切な運動量は様々です。
肥満の状態で過度の運動になると関節などに負担がかかる恐れもあるので、かかりつけの先生と相談しながら適切な運動量を維持するよう心がけましょう。
ピレニアンマスティフの飼育チャートについて
犬種ならではの特性をしっかりと理解する必要があるため、初心者向きとはいいづらい犬種です。
寒い地域原産の犬種と言うこともあり、日本で飼育するにはたくさんの配慮が必要です。
しつけや管理にもたくさんの時間を費やす必要があり、犬との生活に慣れていないと難しい可能性も高いです。
大型犬へのあこがれだけで、知識が不十分なまま飼い始めると、飼育に困難を感じるケースもあります。
飼育するにあたって迎え入れる覚悟が必要な犬種と言えます。
| 初心者 | 1 初心者には非常に飼いづらい |
|---|---|
| しつけ | 1 しつけは非常に難しい |
| お手入れ | 0 お手入れは非常に難しい |
| 気性 | 9 気性は非常に穏やか |
| 多頭飼育 | 1 多頭飼育は非常に難しい |
| 散歩 | 1 必要な散歩量は非常に多い(2.5~3時間程度) |
| 病気 | 1 病気には非常に弱い |
| 抜け毛 | 1 抜け毛が非常に多い |
| 吠え方 | 1 非常に吠える |
| におい | 4 臭いは普通程度 |











