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Youtube 病気辞典
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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

スコティッシュフォールドの特徴について

全体的に丸みのあるフォルムをしています。

スコティッシュフォールドの最大の特徴は何といっても耳の形です。
よく知られるスコティッシュフォールドは耳が前側に折れた形をしています。
もともと頭の形が丸く、マズルはふっくらとして比較的短い上に、耳が前側にペタリと折れているために頭全体のフォルムが丸っこく、「フクロウのような顔」と表現されることもあります。

手足の先はやや小さめで丸みを帯び、体全体も筋肉質ですがやはり丸みがあり、全体的に丸みを帯びたフォルムと愛らしい顔をしていることから非常に人気の高い品種です。

耳の折れ具合は個体によって様々で、ペタリと折れた個体から緩く折れた個体までバリエーションがあります。
全てのスコティッシュフォールドが折れ耳になるわけではなく立ち耳の個体もあり、その場合は『スコティッシュストレート』と呼ばれ、アメリカの猫種公認機関ではスコティッシュフォールドとは別の猫種として公認されています。

遺伝的な問題から折れ耳同士の交配は禁止されているため、折れ耳のスコティッシュフォールドが生まれる確率は30%程度です。

スコティッシュフォールドの性格について

穏やかでおっとりした猫です。

概ね穏やかでのんびりした性格をしています。
人懐こく甘えん坊で環境の変化にも比較的順応しやすく、他の猫や子供とも仲良くなれる性格の子が多い猫種です。
また知的で家庭内のルールもよく覚えるため、猫を初めて飼う方でも飼いやすいでしょう。

スコティッシュフォールドの飼い方(日常の世話)について

耳のケアを心がけましょう。

折れ耳の特徴として、耳の中が蒸れやすく汚れがちなため、月に2~3回程度は耳のチェックをしてあげましょう。
表面が汚れている場合はイヤークリーナーで湿らせたコットンなどで優しくふき取り、耳の奥が汚れている場合や耳を痒がる場合には、早めに病院へ連れて行きましょう。

関節に負担がかからないようにしましょう。

遺伝的な要因から手足の関節に問題が起こりやすい品種でもあります。
関節に負担がかからないように体重管理に気を付け、滑りにくいマットやカーペットを敷く、爪はこまめに切る、パッド(肉球)を伸びた毛が隠している場合は肉球が出るようにカットすることなどを心がけましょう。

ブラッシングを習慣にしましょう。

長毛のスコティッシュフォールドでは毛球症や全身にできる毛玉にも少し注意が必要です。
こまめにブラッシングして抜け毛を取り除き、毛玉のないきれいな被毛を保ってあげましょう。

スコティッシュフォールドの歴史・起源について

突然変異で生まれた猫です。

猫種名スコティッシュフォールドの「フォールド」とは折りたたまれたものという意味です。

イギリス北部の地域スコットランドで発見された突然変異の1匹の猫が起源です。
1961年にスコットランドの納屋で発見された折れ耳の白猫のスージーが最初のスコティッシュフォールドと言われています。
スージーはやがて同様に折れ耳の子猫を産み、その子孫はブリティッシュショートヘアやアメリカンショートヘアと交配されながら種として確立しました。

繁殖が始まった当初は骨格や聴力に異常を持つ猫が続発してしまったため、繁殖は一時ストップし、猫種の血統登録団体への登録も中止された経緯がありますが、その後アメリカへわたり、アメリカンショートヘアやブリティッシュショートヘアとの異種交配を行うことで遺伝的な問題を最小限にできると結論付けられました。
現在生きているスコティッシュフォールドは全てスージーの遺伝子を受け継いでいるとされています。

折れ耳はとてもかわいらしいですが、折れ耳のスコティッシュフォールド同士で交配すると遺伝的に関節などに重大な問題が起こる可能性が高いことから、折れ耳同士の交配は禁止されています。
そのため立ち耳の猫との交配を行うことが鉄則となっており、折れ耳のスコティッシュフォールドが生まれる確率は約30%です。

生まれたときは全ての子猫の耳が立っていますが、折れ耳になる子は生後2~3週間くらいから耳が折りたたまれます。

スコティッシュフォールドの気を付けたい病気について

外耳炎を起こしやすい傾向があります。

耳の形が特殊なため、外耳道が汚れやすく外耳炎が好発します。
定期的に耳のケアをすることが予防や早期発見につながります。

遺伝性の疾患に注意が必要です。

遺伝的な要因によって以下に示すような疾患が起こることがあります。

・骨軟骨異形成症
 遺伝的な要因によって、手首や足首など主に四肢の関節に骨瘤という瘤ができ、痛みや関節の動きの制限などを起こす疾患です。
 発症してしまうと治す方法はなく、痛み止めなどで症状を緩和する治療しかできません。

・多発性嚢胞腎
 腎臓にたくさんの嚢胞ができ、正常な腎臓の組織が徐々に失われていく疾患です。
 発症してしまうと治す方法はなく、腎臓の負担を少しでも軽減するような治療を行うことしかできません。

・肥大型心筋症
 心臓の筋肉が分厚く肥厚して心臓の内腔が狭くなってしまうために、心臓から全身にうまく血流が流れなくなってしまう病気です。
 進行すると循環不全、呼吸困難、血栓塞栓症など命に関わる状態に陥ってしまいます。

これらの疾患は発症すると根治することはできません。
早期発見に努め、症状や進行を抑制する治療をできるだけ早くから行ってあげましょう。
また、これらを発症した猫を交配させることは控えましょう。

尿路疾患(尿石症や尿管結石、膀胱炎)も比較的多く起こります。

尿の中にストルバイトやシュウ酸カルシウムなどの結晶・結石が形成され、膀胱炎や排尿障害などを起こす疾患です。
これらによって尿道閉塞を起こしてしまうと尿毒症を起こし命に関わることがあります。
食事療法によって予防・治療しますが、場合によっては結石を摘出する手術が必要になることもあります。

スコティッシュフォールドの価格相場について

折れ耳のスコティッシュフォールドほど値段が高い傾向があります。

スコティッシュフォールドの価格は、ブリーダーから購入するかペットショップで購入するかによっても変わりますが、7、8万円~40万円程度とかなり幅があります。
子猫であればあるほど、また耳の折れ曲がりがはっきりとしている猫ほど高額になる傾向があります。

獣医師から見たスコティッシュフォールドを飼う際のアドバイス

病気のサインを見落とさないようにしましょう。

非常に人懐こく、かわいらしい見た目から人気の高い品種ですが、いくつかの疾患の好発品種でもあります。
特に心臓、腎臓、関節、耳、尿の問題が起こることが多いため、比較的元気のある若い内からでも健康診断を定期的に受けるようにし、これらの病気が起こってしまった場合にも早期発見できるようにしましょう。

腎臓の病気や尿の異常(尿石症など)では、尿の出具合や尿の量、臭いに変化が見られたり、トイレに入っている時間が長い、水を飲む量が増えたなどといった変化が病気のサインとして現れます。
異常が見られたらできれば尿を持参して一度病院を受診しましょう。

おじさんのようでかわいらしいと話題になった「スコ座り」は、実は関節の痛みを軽減するための座り方であるとも言われています。
毛づくろいの途中などでスコ座りになっている場合もありますが、頻繁にスコ座りをする、歩き方がゆっくりになった、ジャンプしなくなったなどという場合には、念のため一度レントゲン検査を受けてみることをお勧めします。

繁殖については慎重に判断しましょう。

多発性嚢胞腎や骨軟骨異形成症は遺伝性の疾患です。
これらの疾患は発症してしまうと進行を止める方法はなく、症状を緩和させる治療しかできません。
遺伝する可能性のある疾患が見つかった場合には不幸な猫を増やさないためにも交配することは控えましょう。
多発性嚢胞腎については遺伝子検査も行われているため、交配を考えている場合には一度検査してみるといいでしょう。

また、折れ耳同士の猫で繁殖を行うと子猫が将来的に骨軟骨異形成症などを発症しやすい傾向があることから禁止されています。
将来的に遺伝性の疾患に苦しむ猫を増やさないためにも、モラルのある繁殖を心がけましょう。

スコティッシュフォールドの飼育チャートについて

穏やかな性格でしつけもよく覚えてくれるため、初めて猫を飼う飼い主さんにも飼いやすい品種といえます。

初心者  9 初心者でも非常に飼いやすい
しつけ  10 しつけは非常に簡単
お手入れ  8 お手入れはかなり楽
気性  9 気性は非常に穏やか
多頭飼育  9 多頭飼育は非常にし易い
運動量  8 運動量はやや少ない
病気  5 病気への強さは普通程度
抜け毛  8 抜け毛はかなり少ない
鳴き方  8 あまり鳴かない
におい  8 あまり臭いがない
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