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Youtube 病気辞典
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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

バーミーズの特徴について

シャムの血を引くミャンマー原産の猫です。

バーミーズはミャンマー原産のブラウンカラーの猫とシャムとの交配で生まれた美しい被毛を特徴とする猫です。

体型は中型のコビータイプで、胴体をはじめ体は筋肉質、下半身が発達してがっしりした体格をしています。

顔も体も全体的に丸みを帯びており、特に顔は丸く、どの角度から見ても平らな部分がありません。
真ん丸な目は少し吊り上がり気味でやや離れており、眼の色はゴールドのみです。
耳の間隔はあいており、耳の大きさは中くらいで付け根は幅広く、先端は丸みを帯びています。

被毛は短く密生しており、アンダーコートのないシングルコートですが、サテンのように光沢があり滑らかな手触りです。
被毛の色は濃いブラウン、シャンパン(透明感のある黄金色)、ブルー、プラチナ(明るめの黄褐色がかった色合いのシルバーグレー)の4色が存在し、被毛のパターンは背中から脇腹、腹部にかけて徐々に色が薄くなるシェーディングのみです。

バーミーズには2つのタイプがあり、先に示した特徴は主にバーミーズの中でもアメリカで開発されたバーミーズ(アメリカンバーミーズと呼ばれることもある)です。

一方、ヨーロッパでのちに誕生したバーミーズはヨーロピアンバーミーズと呼ばれ、バーミーズとは被毛の色や体型が少し異なります。
被毛はレッドの遺伝子を持つようになり、よりカラフルとなり、体型もバーミーズに比べるとやや細身でスラリとしています。

日本にいるバーミーズのほとんどはアメリカンバーミーズです。

バーミーズの性格について

愛嬌のあるおしゃべり上手な猫です。

バーミーズは基本的には穏やかな性格の、愛嬌のある陽気な猫です。
甘えん坊でおしゃべり好きなため、飼い主が話しかけると嬉しそうに寄ってくる個体が多いのですが、鳴き声は小さく静かです。

とても賢く社交性にも優れているため、来客などの環境の変化にも柔軟に対応でき、小さな子供がいる家庭でも飼いやすい猫です。

バーミーズの飼い方(日常の世話)について

被毛のお手入れは容易な方です。

バーミーズは短毛種でシングルコートのため抜け毛はあまり多くなく、毛玉もあまりできません。
そのため、ブラッシングに神経質になる必要はあまりありません。

ブラッシングはスキンシップを兼ねて週に2~3回程度でも十分ですが、美しい被毛を保つためには毎日してあげるとより良いでしょう。

バーミーズの歴史・起源について

ミャンマー原産の猫とシャムの交配種です。

バーミーズの先祖はミャンマーの土着猫です。

1930年にアメリカ人の医師がミャンマーの寺院で飼われていたブラウンの雌猫を持ち帰り、サイアミーズ(シャム)を交配して生まれた猫をもとに、サイアミーズやアメリカンショートヘアなどと掛け合わせて改良して生まれたのがバーミーズです。

バーミーズがイギリスに渡ると毛色や体型の少し異なるタイプのヨーロッパオリジナルのバーミーズが誕生し、そちらは猫種登録機関によってはヨーロピアンバーミーズとして別の猫種と区別されました。

バーミーズの気を付けたい病気について

糖尿病が起こりやすいとされています。

遺伝的な要因などは発見されてはいませんが、バーミーズは糖尿病の発症が多いという調査報告があります。

糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンの不足、あるいは分泌されたインスリンが効きにくくなることによって高血糖の状態が続いてしまう病気で、治療を行わなければ様々な臓器に障害が起こるとともに体はエネルギー不足となり、命を落としかねない病気です。
発症すると多飲多尿や初期には異常な食欲、進行すると急激に痩せ、重度の脱水や食欲低下がみられ、昏睡状態に陥ることもあります。
治療は食事療法やインスリンの投与(注射)を行います。

水を急にたくさん飲むようになった場合などにはすぐに病院で検査を受けるようにしましょう。

遺伝性の低カリウム血症が起こることがあります。

低カリウム血症とは、血液中のカリウム濃度が低下し、筋肉が正常に収縮しなくなってしまう病気です。
詳しい病気のメカニズムはわかっていませんが、腎臓からのカリウム排泄が過剰になり発症すると考えられています。

発症には遺伝子が関与しており、変異した遺伝子の常染色体劣性遺伝と考えられています。

治療はカリウムの補充による正常化を行います。

緑内障にも注意が必要です。

バーミーズはシャムの血筋を引くため、シャムと同様に緑内障の発症に注意が必要です。
緑内障は目の中にある眼房水の循環が悪くなり、眼圧が上昇してしまう病気で、進行すると網膜や視神経にダメージを与え失明してしまいます。

緑内障には原発性緑内障と、他の疾患に伴って起こる続発性緑内障があり、猫の緑内障のほとんどは続発性といわれていますが、バーミーズでは原発性緑内障の発症が多くなっています。

治療は視覚喪失を回避するために、眼圧を下げるための点眼治療などを行います。

バーミーズの価格相場について

ほとんどがアメリカンバーミーズです。

日本で販売されているバーミーズはほとんどがアメリカンバーミーズで、価格は20~30万円ほどです。

獣医師から見たバーミーズを飼う際のアドバイス

十分に運動させてあげられる環境づくりをしましょう。

バーミーズは小柄で静かな猫ですが、体は筋肉質で運動量は豊富です。
運動不足になるとストレスがたまるため、上下運動ができるようにキャットタワーを設置したり、おもちゃで誘いたくさん遊んであげましょう。

寒さには弱い傾向があります。

暖かい地域が原産のバーミーズは、寒さにはあまり強くありません。
冬場は寒くなりすぎないように室内温度を設定してあげましょう。
寒い地域の場合にはペット用のヒーターなどを活用するといいかもしれません。

バーミーズの飼育チャートについて

穏やかな性格で鳴き声も静かなため、共同住宅や子供のいる家庭でも飼いやすい猫です。
飼い主への依存心はそこまで強くありませんが甘えん坊なタイプの猫ですので、スキンシップの時間をたくさんとってあげられる飼い主さん向きです。

初心者  9 初心者でも非常に飼いやすい
しつけ  10 しつけは非常に簡単
お手入れ  9 お手入れは非常に楽
気性  9 気性は非常に穏やか
多頭飼育  9 多頭飼育は非常にし易い
運動量  3 運動量はやや多い
病気  5 病気への強さは普通程度
抜け毛  9 抜け毛は非常に少ない
鳴き方  8 あまり鳴かない
におい  5 臭いは普通程度
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