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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

ヒマラヤンの特徴について

シャムの色合いをしたペルシャです。

ヒマラヤンはペルシャとシャムの血を継ぐ通り、ペルシャ特有の短い鼻を持つポイントカラーの長毛種の猫です。

ペルシャの最大の特徴である短くつぶれた鼻を受け継ぎ、頭は幅広で丸く耳は小さく丸みがあります。
眼はまん丸で大きく見開かれ、眼の色はサファイヤブルーのみです。

フサフサの長毛に覆われた体は中型のコビータイプで、骨格ががっしりしていて実は筋肉質です。
四肢は短めで太くしっかりしており、尻尾も体に対してやや短めですまっすぐ伸びています。

被毛の色はシャムでみられるシール(ブラック)、チョコレート、ライラック、ブルーに加え、レッド、フォーン、クリームなどが存在し、模様のパターンはポインテッドのみで四肢の先端と耳、尻尾、顔にのみ濃い色が発色しています。

艶のある柔らかな被毛はダブルコートで、抜け毛も多く、毛玉ができやすいため、こまめなお手入れが必要です。

ヒマラヤンの性格について

穏やかで温厚な性格の猫です。

ヒマラヤンはペルシャと同様におっとりした平和主義の性格の猫です。

体は筋肉質ですがあまり激しく走り回ったり活発にジャンプすることはなく、飼い主さんの膝の上でのんびりと過ごすことが多い傾向があります。

飼い主にはよく懐き甘えることもありますが、適度に自立しているため、べったりと依存するようなこともありません。

おしゃべりする個体も多いようですが、鳴き声は小さく、飼育しやすい猫です。

ヒマラヤンの飼い方(日常の世話)について

被毛のお手入れは必須です。

被毛はダブルコートでボリュームも多く、抜け毛量も多めのため、お手入れを怠るとすぐに毛玉ができてしまいます。

できれば毎日ブラッシングしてあげ、シャンプーも定期的にしてあげる必要があるので、小さいころからシャンプーに慣れさせておくと良いでしょう。

こまめにお手入れすることで美しい毛並みを保つことができます。

目の周りのケアを行いましょう。

鼻が短いために流涙症になりやすく、目の周りが汚れがちです。
そのままにしていると皮膚炎を起こしてしまうため、こまめにふき取り、目やになども除去してあげましょう。

また、生理的に出る少量の目やには問題ありませんが、目やにの量が多い時や黄色~緑がかった目やにが出ている時、あるいは目を気にしてこすっている時などは、感染症や眼に傷がついていることが疑われますので、早めに病院へ連れて行きましょう。

ヒマラヤンの歴史・起源について

人為的に作られたポイントカラーのペルシャです。

ヒマラヤンは、スウェーデンのブリーダーがシャムのようなポイントカラーのペルシャを作ろうと、シャムとペルシャの交配を行い研究・開発を始めたことに端を発します。

その後、アメリカやイギリスでも研究・開発が行われるようになり、試行錯誤の末、15年ほどかけてようやくヒマラヤンが誕生しました。

猫種登録機関によっては、ヒマラヤンはペルシャの毛色の一部門として位置づけられています。

ヒマラヤンの気を付けたい病気について

多発性嚢胞腎の好発品種です。

多発性嚢胞腎は腎臓に多数の嚢胞が形成されて正常な腎臓の組織が徐々に減少してしまう遺伝性の疾患です。
発症は比較的若い内からみられ、発症してしまった場合には治す方法はありません。

いくつかの品種がその発症に関わる遺伝子を持つことがわかっていますが、ペルシャの発症は最も多く、ペルシャの血を強く受け継ぐヒマラヤンもまた発症リスクが高いため注意が必要です。

この病気は腎機能の低下に伴って多飲多尿、食欲不振、嘔吐などの症状が現れ、最終的には腎機能不全を起こして命を落としてしまう病気です。
発症した場合には症状を緩和し、残っている腎臓の組織をできるだけ保護するために、食事療法や内服薬での治療、点滴などを行います。

肥大型心筋症にも注意が必要です。

肥大型心筋症は心臓の筋肉が肥大して心臓の内腔が狭くなり、体へうまく血液を送ることができなくなる病気です。
猫の心臓疾患では最も多く認められますが、その発症には遺伝的な要因が関与しています。

重症化すると心不全、呼吸不全、動脈血栓塞栓症などを発症し命に関わるため、早期発見してできるだけ進行を抑制する治療を始めることが重要です。

流涙症がよく見られます。

鼻が短いという顔の構造上、目から鼻に涙を流す鼻涙管の形成異常や閉塞が起こりやすく、目の周りが涙で汚れがちとなる「流涙症」が頻発します。

しかし中には鼻涙管の問題ではなく、目の周りの被毛が目に常に刺激を与えて角膜に炎症や傷ができていたり、ヘルペスウイルスなどの感染症によって涙が増えているケースもあります。

眼の周りや眼の開き具合などにいつもと違う様子が見られた場合にはできるだけ早く病院を受診するようにしましょう。

ヒマラヤンの価格相場について

顔立ちや血統によって価格が異なります。

ヒマラヤンは日本でも比較的飼育頭数の多い猫種で、ペットショップでもブリーダーからでも購入可能な猫種です。

どこから購入するか、月齢、顔立ち(鼻のつぶれ具合)、シールポイントの入り方、血統などによって価格は変動しますが、15~25万円前後で販売されていることが多いようです。

獣医師から見たヒマラヤンを飼う際のアドバイス

健康診断を活用しましょう。

ペルシャ同様、遺伝性疾患のリスクが高いヒマラヤンでは、腎臓疾患や心臓疾患に注意が必要です。

これらの遺伝性の疾患の発症を予防することは難しく、比較的若い内に発症することもあるため、まだまだ若いから大丈夫と思っていたら気づいた時には病気が進行してしまっていることもあります。

このような疾患に対しては早期発見に努め、進行を抑制するために早期治療を開始することが重要です。

ワクチン接種などで病院を受診する際には尿検査や血液検査などを受け、必要に応じてレントゲン検査や超音波検査も追加するなど、健康に対する意識を高く持つようにしましょう。

肥満に注意しましょう。

ヒマラヤンはおっとりとしてあまり運動量が多くない猫種の上、全身が長く厚い被毛に覆われているために体型が分かりにくく、肥満になりやすい傾向があります。

肥満は糖尿病や関節疾患などの原因にもなりますので、食事管理に気を付け、たまに遊び相手になって運動を促すことで肥満にならないように気を付けましょう。

ヒマラヤンの飼育チャートについて

性格的には非常におだやかで飼いやすい猫です。
大きな声で鳴くこともほとんどなく、お留守番も上手にしてくれますので、家を空ける時間が長めの方でも飼いやすい猫です。

ただし、飼育する際には被毛のお手入れを念入りにしてあげる必要があり、健康管理にもやや気を付ける必要があります。

初心者  8 初心者でもかなり飼いやすい
しつけ  9 しつけは非常に簡単
お手入れ  1 お手入れは非常に難しい
気性  10 気性は非常に穏やか
多頭飼育  7 多頭飼育はややし易い
運動量  9 運動量は非常に少ない
病気  2 病気にはやや弱い
抜け毛  1 抜け毛が非常に多い
鳴き方  10 ほとんど鳴かない
におい  8 あまり臭いがない
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