スノーシューの特徴について
靴下をはいたような白い脚先が最大の特徴です。
スノーシューの最大の特徴は、名前の由来にもなっている靴下をはいたような白い脚先です。
雪の上を歩いたかのような白い手足を、雪の上を歩く履物「スノーシュー」になぞらえて名付けられたとされています。
もとはサイアミーズ(シャム)をベースに開発された品種であるため、サイアミーズ譲りのポイントカラーとブルーの瞳を持ちますが、毛色はシール(ダークブラウン)、チョコレート、シナモン、レッド、ブルー、ライラック、フォーン、クリームなど、様々な色が存在し、被毛は短毛で密集して生えています。
生まれたときには全身が白く、生後2~3週間から徐々に被毛に色が現れ始めます。
体型はやや長めの体に平均的な骨格を持つセミフォーリンタイプで、筋肉は発達していますが比較的ほっそりした体つきです。
頭は丸みを帯びたくさび型が多いですが、サイアミーズ譲りの逆三角形の場合もあり、耳は中くらいの大きさで付け根が広く先はやや尖っています。
顔の模様も特徴的で、鼻の周りは白く目の周りには有色の被毛があるハチワレが代表的な模様です。
尻尾の長さは中くらいでまっすぐです。
全体的にバランスの取れた体つきをしており、活発によく遊ぶ猫です。
スノーシューの性格について
甘えん坊な猫です。
人懐こく、活発で遊びが大好きな飼いやすい猫です。
飼い主には忠実で愛情深く、遊んでほしいと訴えることも多い甘えん坊な性格のため、逆に一人でいることはあまり好きではなくお留守番は苦手なタイプです。
長時間のお留守番はストレスになってしまうこともあり、ストレスをためすぎると反抗的になってしまうこともあるようです。
ただし基本的には大らかな性格で、他の猫とも仲良くできるため多頭飼育にも向いています。
おしゃべりな猫です。
スノーシューはサイアミーズ同様、要望があると鳴いてアピールするおしゃべりな猫です。
そのため、集合住宅などで飼育する場合には少し注意が必要です。
ただし鳴き声はそれほど大きくなく優しい声で鳴く品種です。
スノーシューの飼い方(日常の世話)について
運動できる環境を作りましょう。
スノーシューは活発な猫です。
走りまわれる環境を整えてあげることが理想的ですが、スペースの確保が難しい場合はキャットタワーを設置したり、家具の配置を工夫して上下運動ができるようにしてあげましょう。
飼い主さんとの触れ合いが好きな猫ですので、時間のある時にはおもちゃでたくさん遊んであげると喜びます。
被毛のお手入れは容易です。
短毛種で抜け毛量もあまり多くないため、被毛のお手入れはそれほど神経質になる必要はありません。
シャンプーも数か月に一回程度で大丈夫です。
スノーシューの歴史・起源について
偶然生まれた脚先の白いサイアミーズがルーツです。
1960年代にアメリカのペンシルバニア州のブリーダーの元に偶然生まれた3匹の脚先が白いサイアミーズ(シャム)の子猫がルーツです。
靴下をはいたような可愛らしい模様に魅せられたブリーダーは、この猫とアメリカンショートヘアを交配させ、意図的に四肢の先端が白い猫種を開発しようと試み、その結果誕生したのがスノーシューです。
しかし、サイアミーズのブリーダーの間ではホワイトの模様が入っていることは好まれず、キャットショーなどでは認められないものであったため、当初はスノーシューを品種として確立することに強い反発を受けなかなか認められませんでした。
また、スノーシューの脚先が白くなる模様は劣性遺伝によって発現するものであるため思うように白い模様が現れず、うまく繁殖が進まないこともあって、一度はスノーシューの固定化をあきらめてしまいます。
しかしその後、他のブリーダーによって繁殖が続けられ、1980年代にはブリーダーもすこしずつ増え、1994年にようやく猫の登録団体であるTICAで公認されました。
現在でも個体数は少なく希少品種です。
スノーシューの気を付けたい病気について
歯周病などの口腔内トラブルが起こりやすい品種です。
シャムと同様、歯肉炎や歯周病など口腔内のトラブルが起こりやすい品種といわれています。
そのため、日頃からデンタルケアに努めるようにしましょう。
猫の歯磨きは実際には難しいことも多いため、デンタルケア効果のある食事やデンタルリンス、歯磨き効果のあるおもちゃやおやつをうまく活用すると良いでしょう。
下部尿路疾患にも注意が必要です。
他の猫同様、下部尿路疾患にも注意が必要です。
猫の下部尿路疾患は特発性膀胱炎や尿石症が多く、尿石症ではストルバイト結晶やシュウ酸カルシウム結晶が代表的ですが、スノーシューでは尿酸塩結晶の発生数が多いという海外の報告もあります。
いずれの場合も水分摂取を促したり、バランスの良い食生活、適度な運動によって発症のリスクを下げることができます。
万が一膀胱炎のような症状が見られた場合には様子を見ずにできるだけ早く病院を受診するようにしましょう。
スノーシューの価格相場について
ペットショップではほとんど見かけません。
スノーシューは希少種で、日本国内でもブリーダーが少ない品種です。
そのため、ペットショップで見かけることはあまりありません。
スノーシューを家族に迎える場合の多くはブリーダーを探して購入することになるでしょう。
なかなか出会えない場合には登録団体などに問い合わせるとブリーダーを紹介してもらえることがあるようです。
それでも見つからない場合はアメリカなど海外から個人輸入するという方法もありますが、実際に子猫を見ることができず、迎えるまでにある程度の期間を要することになります。
価格帯は月齢、被毛の色や脚先の白い靴下の出方によるところが大きいようですが、約20~30万円が相場のようです。
海外から迎える場合は手数料や輸送量などがさらに追加になるため、40~50万円ほどになることもあります。
獣医師から見たスノーシューを飼う際のアドバイス
猫との時間をある程度確保できる飼い主さんに向いている猫です。
スノーシューは非常に甘えん坊な性格で、鳴いておしゃべりしたり遊びに誘ったりと飼い主さんとのコミュニケーションが好きな猫ですので、猫とのふれあいを楽しみたい飼い主さんにおすすめの猫です。
逆に一人ぼっちで過ごすことは好きではないため、一人になる時間があまり長くない家庭での飼育をお勧めします。
事故に気を付けましょう。
スノーシューは賢いので、ドアや窓の開け方を見て覚えてしまうことがあります。
知らないうちに外に出てしまったり、高層階では窓からの転落の危険もありますので、窓には鍵をかけるなど対策をしっかりとっておきましょう。
また水を怖がらない個体が多いようですので、お風呂など水場での事故にも気を付けるようにしましょう。
スノーシューの飼育チャートについて
非常に人懐こく賢いうえに基本的に大らかな性格のため、とても飼いやすい猫です。
希少品種のため入手がなかなか困難ではありますが、猫とのコミュニケーションを楽しみたい飼い主さんには最適な猫です。
初心者 | 7 初心者でもかなり飼いやすい |
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しつけ | 8 しつけはかなり簡単 |
お手入れ | 7 お手入れはかなり楽 |
気性 | 7 気性はかなり穏やか |
多頭飼育 | 8 多頭飼育はややし易い |
運動量 | 3 運動量はやや多い |
病気 | 5 病気への強さは普通程度 |
抜け毛 | 6 抜け毛の量は普通程度 |
鳴き方 | 2 やや鳴く |
におい | 8 あまり臭いがない |