柴犬の特徴について
国の天然記念物に指定されている日本を代表する犬種です。
柴犬は縄文時代から日本人とともに生き、1936年に国の天然記念物にされた日本を代表する犬種と言えます。
柴犬の最大の特徴は、飼い主の命令に対して従順に従おうとする献身的な性質です。見知らぬ人には警戒心が強く、飼い主や家族には愛情深い性格です。
体高は35~41cm、体重は7~14㎏程度になります。
頭は前頭部が幅広く、額に浅い溝があります。マズルは根本が太く先細りした形状です。耳は少し小さめの三角形で、わずかに前傾しています。被毛は硬くてまっすぐな上毛とやわらかい下毛のダブルコートです。しっぽは太くて力強く、つけ根の位置が高いです。背中の上で久留里と巻かれるか、鎌のように湾曲しています。首周りや四肢は太く、胸周りはアバラがほどよく張って筋肉量が豊富です。
柴犬の性格について
警戒心が強く、家族には愛情深いです。
飼い主の命令に対して従順に従おうとする献身的な性質があり、信頼する飼い主の指示ならばいかなることにも忍耐強く取り組みます。また、リラックスした時間は、飼い主や家族のそばに寄り添い愛情深く接してくれます。
飼い主に対する服従が強過ぎるあまり、他の人を強く警戒する傾向があります。初対面の相手には心を許すことは少なく、そっけない態度をとることがあります。攻撃的になってしまうこともありますので、仔犬の頃から社会性を身につけ、見知らぬ人や動物に対して警戒し過ぎないようになれると良いでしょう。
柴犬の飼い方(日常の世話)について
短毛ですが、抜け毛は多いです。
短毛ですがダブルコートですので、乾きにくいなどお手入れで大変なところもありますが、基本的には毎日のブラッシングで充分です。ただし、換毛期には大量に毛が抜けるので、この時期にはしっかりブラッシングをする必要があります。
抜け毛を放置してしまいますと、毛玉ができたり、皮膚病の原因になってしまうことがありますので注意が必要です。
豊富な運動が必要です。
柴犬には、毎日の豊富な運動が必要です。運動が足りていないと、ストレスを溜めてしまい問題行動を引き起こすことがあります。
柴犬は分類は小型犬ですが、持久力に優れているため、中型犬や大型犬並みの運動量を必要としています。毎日の散歩に加え、ボール遊びを取り入れたり、安全な場所で自由に遊ばせたりしましょう。また、頭の良さを活かしてドッグスポーツに挑戦することもお勧めです。
柴犬の歴史・起源について
縄文時代から日本人とともに生きています。
柴犬のルーツは、縄文時代以前に南方から来た犬にあると言われています。
日本海に面する山岳地帯に生息し、鳥や小動物の猟に使われていました。明治時代になると外来犬との交雑が進み、純血種の数が減少してしまいました。
昭和になってから、ハンターや知識人の手によって純粋な血統を守る運動が起こりました。
柴犬の気を付けたい病気について
皮膚疾患、眼疾患などがよく見られます。
柴犬は皮膚疾患が多い犬種の一つと言えます。膿皮症、アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎などが見られますが、とくにアトピー性皮膚炎の好発犬種であり、注意が必要です。
・膿皮症
細菌感染が原因となる皮膚疾患を膿皮症と呼びます。膿皮症は、細菌感染の深さにより表在性膿皮症と深在性膿皮症に区別されます。犬でよく見られる皮膚疾患の一つです。
・アレルギー性皮膚炎
アレルギーの原因物質(アレルゲン)に反応して発症する皮膚炎で、強い痒みを引き起こします。犬のQOLを著しく下げるため、早期の治療が必要です。アレルゲンの種類や発症機序などにより、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、ノミアレルギー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎の4種類に大別されます。
・アトピー性皮膚炎
遺伝的素因を背景とした、慢性の痒みが見られる皮膚疾患です。アトピー性皮膚炎の発症には多くの要因がありますが、室内飼育の犬ではハウスダストマイトが最も認められる要因です。
発症年齢は一般的に6ヶ月~3歳頃が多いとされています。痒みから誘発された自傷により脱毛、糜爛、潰瘍、苔癬化、色素沈着などを引き起こします。
・緑内障
緑内障とは、何らかの原因によって眼圧が上昇することで、眼の痛みや視覚障害を引き起こす疾患です。
緑内障になると強結膜の充血、角膜浮腫、散瞳が見られます。散瞳している状態で、眼球内の眼房水がたまっている状態ですと、眼が緑がかってしまいます。
・白内障
白内障は眼球内の水晶体蛋白質が不可逆性の変化を受けて、不透明化することによって起こります。その原因は加齢、遺伝、外傷性、代謝性など多岐にわたります。
白内障はステージによって、初発白内障、未熟白内障、成熟白内障、過熱白内障に分類されます。
・膝蓋骨内方脱臼
膝のお皿である膝蓋骨が正しい位置からずれてしまう疾患です。パテラと呼ばれることがあります。後肢を挙上する、触ると嫌がる、後肢を引きずって歩くなどの症状が見られます。
柴犬の価格相場について
10~40万円程度になります。
10~40万円程度で、平均20万円前後のようです。
コロナの関係でここ2年ほどで犬の価格が上がっています。
獣医師から見た柴犬を飼う際のアドバイス
柴犬特有の性格、皮膚疾患に注意しましょう。
柴犬は前述の通り、警戒心が強い子が多いです。また、繊細な心の持ち主が多いと言えます。音に敏感であったり、環境の変化に敏感であったり、時に反抗的になってしまうこともあります。柴犬の性格をよく理解した上で飼育していただくと良いかと思います。
また、皮膚疾患が多い犬種です。アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎は、完治を目指すと言うよりも維持していく疾患です。病気と上手に付き合うつもりでいていただくと良いかと思います。
柴犬の飼育チャートについて
柴犬は非常に人気犬種であると言えますが、初心者には大変な部分も多いです。
抜け毛が多く、運動量が必要です。また、気が荒い子は扱いが難しくなる場合もあります。
初心者 | 5 初心者には普通程度の飼いやすさ |
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しつけ | 3 しつけはやや難しい |
お手入れ | 4 お手入れのし易さは普通程度 |
気性 | 5 気性は普通程度 |
多頭飼育 | 5 多頭飼育のし易さは普通程度 |
散歩 | 4 必要な散歩量は普通程度(1~1.5時間程度) |
病気 | 5 病気への強さは普通程度 |
抜け毛 | 2 抜け毛はやや多い |
吠え方 | 5 吠え方は普通程度 |
におい | 5 臭いは普通程度 |