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Youtube 病気辞典
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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

シャルトリューの特徴について

「フランスの宝」とも呼ばれるブルーの猫です。

シャルトリューはふわふわのブルーグレーの毛に覆われた美しい猫です。

最大の特徴はその美しい被毛です。
被毛の色はブルーのソリッドタイプのみで、撥水性のあるオーバーコートの下に緻密なアンダーコートが生えているため羊毛のように密度が高く、暖かでふわふわです。
そのため、かつては優秀な毛皮として取引された歴史も持つほどです。

丸みを帯びた幅広の頭で頬が発達していますがマズルが小さく、いつも微笑んでいるかのように見える愛嬌のある顔立ちです。
瞳は大きくて丸く、色はイエロー、オレンジ、カッパーなどがありますが、より濃いオレンジ色が好まれる傾向があります。

体はやや大きめでがっしりしていますが体に対してやや短めで細い脚が伸びています。
その姿から、フランスでは「ジャガイモに爪楊枝を刺したような猫」などと表現されることがありますが、体は全体的に筋肉質で俊敏に動き、活発に遊びます。

雄と雌の体格差が比較的ある猫種で、大きな雄では10kg近くになる個体もいます。

シャルトリューの性格について

おっとりとして頭の良い猫です。

シャルトリューは非常に穏やかな性格で、鳴き声も小さく無駄鳴きをしません。
犬のように従順で甘えん坊ですが独立心もあり、飼い主さんに常にべったり甘えるというよりはさりげなくそばにいるタイプの猫です。

落ち着いた優しい性格ですので、子供のいる家庭でも飼いやすい猫で、多頭飼育にも向いています。

また頭がよくしつけにも苦労することはありません。

シャルトリューの飼い方(日常の世話)について

被毛はこまめにお手入れが必要です。

シャルトリューの毛は密に生えたダブルコートで、皮脂の分泌がやや多めです。
こまめにブラッシングをして美しい毛並みを保てるようにしましょう。

皮脂によるべたつきや臭いが気になる場合にはシャンプーも必要です。
猫はシャンプーがあまり得意ではない子が多いので、子猫の時から慣らしておくと良いでしょう。

大きな体でも運動できる環境づくりをしましょう。

シャルトリューはもともとネズミ捕りをしていたハンター気質を持っているため、俊敏に動きよく遊びます。
運動不足、肥満にならないように、走り回れるスペースや上下運動ができるような環境を整えてあげると良いでしょう。

雄では比較的大きくなる個体もいますので、キャットタワーなどを設置する場合には強度のあるものを選ぶようにしましょう。

シャルトリューの歴史・起源について

フランスで古くから愛されてきた猫です。

正確な起源はわかっておらず、十字軍が持ち込んだという説やシリアや地中海沿岸の土着猫が商人によってフランスに持ち込まれたなど、諸説あります。
また名前は「シャルトリュー派の修道院」で飼育されていたことに由来するとも言われています。

16世紀ごろの文献には登場しており、ネズミを捕るワーキングキャットとしてフランス国内へ広まりました。

第二次世界大戦に加え、美しく暖かい撥水性のある被毛が優秀な毛皮として取引された時代があり、乱獲により一時は絶滅の危機に直面しましたが、ブリティッシュショートヘアやペルシャと交配との交配により品種の保護が行われ、その危機を乗り越えました。

現在では日本を含めた世界中で愛され、同じくブルーの被毛を持つロシアンブルーやコラットと合わせて「ブルー御三家」とも呼ばれます。

シャルトリューの気を付けたい病気について

多発性嚢胞腎に注意が必要です。

多発性嚢胞腎は腎臓に多数の嚢胞が形成されて正常な腎臓の組織が徐々に減少してしまう遺伝性の疾患です。
発症は比較的若い内からみられ、発症してしまった場合には治す方法はありません。

いくつかの品種がその発症に関わる遺伝子を持つことがわかっていますが、ペルシャの発症が最も多く、品種存続のための交配によってペルシャが用いられたシャルトリューでも発症がみられることがあります。

この病気は腎機能の低下に伴って多飲多尿、食欲不振、嘔吐などの症状が現れ、最終的には腎機能不全を起こしてしまう病気です。
発症した場合には症状を緩和し、残っている腎臓の組織をできるだけ保護するために、食事療法や内服薬での治療、点滴などを行います。

肥大型心筋症にも注意が必要です。

肥大型心筋症は心臓の筋肉が肥大して心臓の内腔が狭くなり、体へうまく血液を送ることができなくなる病気です。
猫の心臓疾患では最も多く認められます。

重症化すると心不全、呼吸不全、動脈血栓塞栓症などを発症し命に関わるため、早期発見してできるだけ進行を抑制する治療を始めることが重要です。

夏は熱中症に注意が必要です。

シャルトリューは密度の高い被毛で覆われているため、冬の寒さには強いですが、高温多湿な日本の夏では熱中症になる可能性も高く、注意が必要です。

暑い時期にはエアコンなどで室温管理を徹底し、熱中症を予防しましょう。

シャルトリューの価格相場について

15万円~30万円ほどが相場です。

シャルトリューは日本でも人気の猫種ですが、飼育頭数はそこまで多くはなく、ペットショップでは常に出会えるとは限りません。
シャルトリューを家族に迎えたい場合には、ペットショップだけでなくブリーダーさんを探す必要も出てくるでしょう。

一般的な価格としては15~30万円ほどが相場のようですが、血統などによってはさらに高額になることもあります。

獣医師から見たシャルトリューを飼う際のアドバイス

成長がゆっくりめの猫です。

シャルトリューは成長が少しゆっくり進み、成長が完了するまでに2年ほどかかります。
そのため成長期の間は筋肉質な体をしっかりサポートできるように、良質なたんぱく質を十分に含んだ高栄養のフードを与える必要があります。

肥満に注意しましょう。

肥満にも注意が必要です。
がっしりした体に細めの短い脚のシャルトリューが太ってしまうと、ケガをしたり将来的に関節に問題が起こりやすくなります。

必要な栄養はしっかり取らせつつ、適度に運動を促して健康的な体を維持してあげましょう。

シャルトリューの飼育チャートについて

おとなしく賢いため飼いやすい猫です。
被毛のお手入れや肥満の予防には少し気を付ける必要があります。

初心者  6 初心者には普通程度の飼いやすさ
しつけ  9 しつけは非常に簡単
お手入れ  3 お手入れはやや難しい
気性  9 気性は非常に穏やか
多頭飼育  9 多頭飼育は非常にし易い
運動量  2 運動量はやや多い
病気  7 病気にはかなり強い
抜け毛  5 抜け毛の量は普通程度
鳴き方  9 ほとんど鳴かない
におい  4 臭いは普通程度
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