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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

キンカローの特徴について

短い脚とカールした耳が特徴的な猫です。

キンカローの最大の特徴はその短い脚と後ろにくるんと反り返った耳の形です。
これらは品種の作出時に交配されたマンチカンとアメリカンカールからそれぞれ受け継いだ特徴です。

体は足が短いために小柄なだけでなく、体長自体も短い小型の猫です。
しかし体は筋肉質で肩や腰の幅は広めでがっしりしています。
尻尾はまっすぐで長い個体が多く、体長が短いため体よりも尻尾の方が長いこともあります。

キンカローの被毛は短毛から少し長めの被毛で、やわらかくシルクのような手触りです。
毛色はクリーム、ホワイト、オレンジ、ブラック、グレーなど多くの色が存在し、そのパターンもソリッドやタビー、キャリコなど多くのパターンがあります。

頭は丸く、特徴の一つである耳は生まれたときは通常の耳の形をしていますが、生後2週間位から徐々に後ろへと反っていきます。
目は丸くて大きく、色はゴールド、グリーンなど多くの色が存在します。

小柄で短足ですが、運動神経は決して悪くはなく、短い脚ながら足を小刻みにちょこちょこと動かして活発に遊ぶ姿が可愛らしい猫です。

キンカローの性格について

社交的で明るい性格の猫です。

キンカローは好奇心旺盛で明るい性格の猫です。
お客さんが来ても人見知りすることはなく、平気で顔を見に行き挨拶をする社交的な猫で、犬のような性格ともいわれます。
小さな子供や他の同居動物とも仲良くできる穏やかな性格の持ち主です。

頭が良いためしつけにも苦労することはありません。
個体によっては芸を教えると覚えることもあります。

遊びが大好きな活発な猫で甘えん坊でもあるため、一人遊びよりは飼い主さんと一緒に遊びたがります。
寂しがり屋な面もあるため、一人でお留守番をすることはあまり得意ではありません。

キンカローの飼い方(日常の世話)について

肥満に気を付けましょう。

キンカローは足が短いため、ジャンプや段差の上り下りの際に関節や腰などに負担がかかりやすい猫種です。
活発に動いて筋肉がしっかりしている若い内はあまり問題にならないことが多いですが、極端に肥満になったり加齢に伴って筋肉が減少してくるとその影響が顕在化してくることがありますので、まずは若い内から太らせすぎないように食事管理に気を付け、適度に運動させることで筋肉が落ちないように気を付けましょう。

生活環境を整えましょう。

活発に遊ぶ猫ですが、関節に負担がかかりやすいため、怪我にも注意が必要です。
滑りやすいフローリングには滑りにくい敷物やマットを敷き、激しく走り回った時に勢い余って転ぶことがないように予防策を講じておきましょう。

キャットタワーなども年齢が上がってきたらステップを増やしたり段差を緩やかにするなど工夫して、腰や関節にかかる負担を減らす工夫をすると良いでしょう。

定期的に被毛や耳のお手入れをしましょう。

キンカローは短毛種~長毛種が存在します。
抜け毛はそれほど多い品種ではありませんが、定期的にブラッシングすることで美しい毛並みを保ってあげましょう。

またアメリカンカール同様、耳のトラブルが起こりやすい品種でもあります。
ブラッシングの際に耳のチェックを同時に行い、汚れている場合はイヤークリーナーなどで拭きとってあげ、腫れや赤みがある時は早めに病院を受診するようにしましょう。

キンカローの歴史・起源について

アメリカで誕生した比較的新しい品種です。

キンカローは1990年代頃、アメリカの繁殖家によって人為的に作られた品種です。
短い脚が特徴のマンチカンと耳の形がくるんと後ろに反ったアメリカンカールを異種交配して誕生しました。

名前は「kinky(縮れた)」と「lowlegs(短い脚)」を組み合わせてキンカローと名付けられたとされており、アメリカの猫種登録機関TICAには1997年に実験的な猫種として登録されています。

誕生してからまだ30年弱しかたっておらず、猫種としての歴史は比較的浅いため、寿命や遺伝性疾患の発生リスクなどについてはまだ未知の部分が多い猫種です。

日本ではまだメジャーな猫種ではありませんが、「マンチカール」と呼ばれることもあり、少しずつ飼育頭数が増えてきています。

キンカローの気を付けたい病気について

外耳炎に気を付けましょう。

アメリカンカール同様、独特な耳の形のため耳の軟骨が固く、耳垢が生理的に排泄されにくい傾向があります。
そのため耳が汚れがちで細菌や真菌の増殖が起こりやすいため、外耳炎に注意が必要です。

耳の中が赤くはれている、臭いがする、耳を気にしてしきりに掻く、頭を頻繁に振る、などという症状は外耳炎のサインです。
そのような症状やしぐさが見られたら一度病院で耳の中を見てもらいましょう。

関節や腰の疾患にも注意しましょう。

短足の猫種に共通して言えることですが、短い脚で体の体重を支えているため四肢の関節や腰に負担がかかりやすい傾向があり、さらにキンカローは活発に運動するため、椎間板ヘルニアや関節炎の発症に注意が必要です。

椎間板ヘルニアが起こると背部(特に腰での発症が多い)の痛みや重症度によっては四肢の麻痺、排泄障害などが起こり、立てなくなってしまうことがあります。

マンチカンで起こりやすい、四肢の関節が瘤のように腫れて動きが悪くなる骨軟骨異形成症や、慢性的な関節への刺激・負担によって関節の構造が変形してしまう変形性関節症などの関節疾患にも注意が必要です。
これらの疾患によって関節が変形してしまうと根治することはできず、痛みをとる緩和的な治療しかできません。

発症の頻度など詳しくはまだわかっていない部分もありますが、リスクを減らすために肥満を予防し、キャットタワーの段差にはステップを多めにつけるなど、関節や腰にかかる負担を減らす工夫をしておきましょう。

ざ瘡が起こりやすい猫種です。

ざ瘡とは皮膚にある皮脂腺が感染・炎症を起こしてしまう皮膚病で、猫では顎に起こりやすく、「あごニキビ」とも呼ばれることがあります。

初期には顎のあたりに黒い粒のような汚れがついている程度ですが、細菌感染によって炎症を起こして赤く腫れたり痒みが出ると、掻いて傷つけ、出血することがあります。

顎の部分が黒っぽく汚れている、痒がっているなどといった症状が見られたら、悪化する前に病院を受診するようにしましょう。

キンカローの価格相場について

まだ飼育頭数が少ない猫種です。

キンカローは猫種としての歴史が浅く、まだ認知度が低いため飼育頭数が少ないですが、その可愛らしいルックスから徐々に人気が上昇しつつある猫種です。

ペットショップで出会えることもありますが、近隣のお店で見つからない場合はブリーダーさんを探して購入することが多くなりそうです。

価格は月齢や耳の形、足の短さなどによって変動しますが、10~30万円が多いようです。
血統によっては50万円ほどになる場合もあります。

獣医師から見たキンカローを飼う際のアドバイス

病気の発生に関しては未知の部分が多い品種です。

キンカローは他の猫種に比べ、まだ誕生してから日が浅い品種です。
その為、遺伝的な疾患の発生リスクなどについてはまだ十分に検討されていません。

特に短足の遺伝子や特殊な耳の形の遺伝子は、全身の骨格異常に影響を与えることがあり、無理な交配により生まれてくる子猫の中には半身不随の猫や死産になってしまう可能性も高いことが懸念されています。
こうした背景があるため、キンカローの交配や繁殖は慎重に行われており、今後はより健全な品種として改良されていくためにどのような交配が行われるべきなのかが検討され続けています。

品種の作出に使用されたアメリカンカールやマンチカンに起こりやすい病気や、その他の猫全般に発生しやすい尿路疾患などをはじめ、加齢性疾患についても常に気を配り、体調の変化を見逃さないようにしましょう。

キンカローの飼育チャートについて

賢く社交的で人懐こいため、初めて猫を飼う方や既に他のペット(犬や猫)を飼っている場合、小さなお子さんがいる家庭でも飼いやすい猫種です。

耳の定期的なチェックなどは必要ですが、お手入れもそれほど難しくありません。
病気の発症に関しては未知の部分も多いため、日頃から体調変化に気を付けてみてあげる必要があります。

初心者  8 初心者でもかなり飼いやすい
しつけ  9 しつけは非常に簡単
お手入れ  7 お手入れはかなり楽
気性  8 気性はかなり穏やか
多頭飼育  8 多頭飼育はややし易い
運動量  3 運動量はやや多い
病気  5 病気への強さは普通程度
抜け毛  6 抜け毛の量は普通程度
鳴き方  8 あまり鳴かない
におい  8 あまり臭いがない
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