オリエンタルの特徴について
すらりと細長いカラフルな被毛を持つ猫です。
オリエンタルはサイアミーズ(シャム)を祖先に持つスレンダーな猫ですが、サイアミーズとの違いはその被毛の色やパターンが豊富で、短毛種だけでなく長毛種も存在するという点です。
スリムでスタイルの良い体の特徴はサイアミーズと共通するところが多いですが、小柄なサイアミーズと比べると体の大きさは一回り大きくなります。
体全体はすらりとして細く、首も四肢も尻尾も長くほっそりしていますが、筋肉は発達しています。
頭は少し長い先細りしたくさび型で、おでこから鼻先まではまっすぐに鼻筋が通っており、大きな耳が目立ちます。
眼の大きさは中くらいのアーモンド型で、色はグリーンを基本にブルー、オッドアイなどが存在します。
被毛は短毛と長毛がいますが、長毛の場合も被毛は短めでセミロング程度です。
それぞれを「オリエンタルショートヘアー」「オリエンタルロングヘアー」と呼ぶこともあります。
被毛の色はサイアミーズと異なり非常に豊富で、エボニー(ブラック)、ホワイト、チョコレート、シナモン、レッド、ブルー、ラベンダー、フォーン、クリームなどほぼすべての色が存在し、模様のパターンもソリッド、タビー、ティップド、パーティカラー、キャリコ&バイカラー、ポインテッドなど組み合わせも豊富です。
被毛はシルキーで艶やかなシングルコートで、滑らかな手触りです。
オリエンタルの性格について
非常に甘えん坊です。
オリエンタルの性格はサイアミーズと似ており、人懐こく甘えん坊です。
見た目はクールな印象を与えますが、飼い主に対する愛情が深く、常にそばに寄り添い、自分に注目を集めようとします。
構ってほしい時には大きな声で鳴いてアピールすることもあります。
好奇心旺盛でいろいろなものに関心を示しますが、知らない人には人見知りするため、来客時には隠れて出てこないことが多くなります。
お留守番は苦手です。
甘えん坊なため、一人で過ごす時間が長いのは苦手です。
お留守番の時間が長いとストレスになってしまう可能性があります。
また、飼い主さんが自宅にいるときに構ってもらえないと拗ねてしまう子供のような一面も持っています。
オリエンタルの飼い方(日常の世話)について
十分に運動できる環境を整えましょう。
オリエンタルは非常に運動量が多い猫です。
身体能力も高く活発なので、十分に体を動かせる環境を整えてあげましょう。
広いスペースが確保できない場合はキャットタワーなどを設置し、上下運動できるようにすると良いでしょう。
被毛のお手入れは容易です。
オリエンタルはシングルコートのため、被毛のお手入れにそれほど神経質になる必要はありません。
抜け毛は少なめですが、美しい艶を保つために定期的にブラッシングしてあげましょう。
オリエンタルの歴史・起源について
サイアミーズを祖先に持つ猫です。
オリエンタルはその見た目が示す通りサイアミーズを祖先に持つ猫で、1950年代、イギリスで誕生しました。
第二次世界大戦により犬や猫などのペットの数が激減していた頃、やはり数が激減していた純血のサイアミーズを保護するためにブリティッシュショートヘアやロシアンブルー、アビシニアンなどの短毛種と異種交配を行った結果、数世代経た後にサイアミーズの姿をした様々なカラーやパターンを持つ猫が誕生しました。
その猫たちがオリエンタルの元となります。
当時はサイアミーズと区別するためにサイアミーズの毛色以外の猫はフォーリンショートヘアと呼ばれ、それぞれ繁殖が続けられました。
その後、ポイントを持たないサイアミーズによく似た特徴を持った猫たちはオリエンタルショートヘアと呼ばれるようになり、その後アメリカで突然変異によって誕生した長毛タイプもオリエンタルロングヘアーとして認められるようになりました。
1977年には猫種登録団体CFAで新しい品種「オリエンタル」として公認されています。
オリエンタルの毛色と模様のパターンは非常に豊富で、その組み合わせは150種類以上です。
ちなみにポイントを持つオリエンタルショートヘアについては、サイアミーズとして登録しなおすという団体もあります。
オリエンタルの気を付けたい病気について
糖尿病に気を付けましょう。
遺伝的な要因などは発見されてはいませんが、オリエンタルは糖尿病の発症リスクが高いという調査報告があります。
糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンの不足、あるいは分泌されたインスリンが効きにくくなることによって高血糖の状態が続いてしまう病気で、治療を行わなければ様々な臓器に障害が起こるとともに体はエネルギー不足となり、命を落としかねない病気です。
発症すると多飲多尿や初期には異常な食欲を示し、進行すると急激に痩せ、重度の脱水や食欲低下がみられ、重症例では昏睡状態に陥ることもあります。
治療は食事療法やインスリンの投与(注射)を行います。
水を急にたくさん飲むようになった場合などにはすぐに病院で検査を受けるようにしましょう。
また肥満傾向の猫は糖尿病を発症しやすいため、肥満にならないように気を付けましょう。
進行性網膜萎縮が起こることがあります。
進行性網膜萎縮という病気は、視覚の要となる網膜に存在する視細胞が変性・萎縮してしまう進行性の病気で、最終的には視覚を喪失してしまう病気です。
この疾患の多くは遺伝性に起こると考えられており、発症を予防する効果的な方法や治療方法は残念ながらありません。
他には、緑内障やブドウ膜炎、中毒、高血圧などによって網膜に変性が起こることで発症することもあるようです。
進行性網膜萎縮を発症した猫のほとんどが白内障を続発してしまいます。
視覚はすでに喪失していますが、白内障の進行によってブドウ膜炎などを起こすと、目の痛みや水晶体脱臼、またそれに伴う角膜穿孔などが起こる可能性もあるため、視覚を喪失してしまった後も目の定期的な検査や適切な白内障の管理が必要になります。
オリエンタルの価格相場について
ペットショップではなかなか出会えない猫種です。
オリエンタルは日本でも繁殖されていますが、他の猫種に比べるとまだまだブリーダーも少ない品種です。
そのため、一般的なペットショップで出会える可能性はあまり高くありません。
なかなか見つからない場合にはブリーダーさんを探して譲ってもらうことも検討すると良いでしょう。
価格帯は子猫の月齢や毛色、模様などによりますが、15~30万円位が多いようです。
獣医師から見たオリエンタルを飼う際のアドバイス
スキンシップをたくさんとってあげましょう。
オリエンタルはサイアミーズの気質を継ぐだけあって非常に甘えん坊で、飼い主さんの気を引こうと膝に乗ったりおしゃべりをするように鳴いたりと、積極的にアピールしてくれる猫です。
時間のある時はたくさんスキンシップをとり、愛情をたっぷり注いであげましょう。
留守番は苦手でストレスになりやすいので、留守にする時間が長くて寂しがるような場合は多頭飼育を検討してみてもいいかもしれません。
ただし猫同士あるいは他の動物の場合も相性が大事ですので、安易に決めず、同じく多頭飼育に向いているタイプの子猫などをじっくりと検討するようにしましょう。
オリエンタルの飼育チャートについて
オリエンタルは非常に甘えん坊な猫です。
飼い主さんの膝の上にいることも好きで、遊びに誘ったり飼い主さんの気を引こうと大きな声で鳴いたりすることもあります。
集合住宅での飼育には少し配慮が必要になります。
寂しがり屋なため、留守番の時間があまり長くない家庭での飼育に向いており、猫とのスキンシップに時間を十分とれる飼い主さん向きです。
初心者 | 5 初心者には普通程度の飼いやすさ |
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しつけ | 6 しつけのし易さは普通程度 |
お手入れ | 8 お手入れはかなり楽 |
気性 | 7 気性はかなり穏やか |
多頭飼育 | 8 多頭飼育はややし易い |
運動量 | 2 運動量はやや多い |
病気 | 5 病気への強さは普通程度 |
抜け毛 | 7 抜け毛はかなり少ない |
鳴き方 | 1 非常に鳴く |
におい | 7 あまり臭いがない |