ラ・パーマの特徴について

パーマをかけたような巻き毛の猫です。

ラ・パーマの最大の特徴は、その名の通りパーマをかけたようにカールした巻き毛です。
被毛は体から立ち上がるようにカールしており、毛質も柔らかく、歩くだけでフワフワと揺れます。

体は中型でほっそりとしたセミフォーリンタイプです。
四肢は中くらいの長さで、筋肉はついていますが比較的細く、体に対してバランスがよく取れています。
尻尾の長さも中くらいで先端に向かって細くなります。

頭は丸みを帯びたくさび型、マズルは丸みがあり幅広で顎はしっかりしています。
中くらいの大きさの耳はカップ状で顔のラインの延長線上に位置します。
眼はやや吊り上がり気味のアーモンド型で大きく、色はブルー、グリーン、イエロー、ゴールド、カッパーなど多くの色が存在します。

被毛は長毛と短毛のどちらも存在し、毛の色やパターンはほぼすべて存在するためそのバリエーションは非常に豊富です。
見た目にはフワフワな毛ですが、シングルコートで抜け毛が少ないため、お手入れも比較的容易です。

非常に特徴的な被毛ですが、生まれたときには毛は無毛～薄毛で、成長しながら約１年かけて生えそろいます。
また、ラ・パーマの中にはストレートの被毛の個体もいます。

ラ・パーマの性格について

好奇心旺盛で行動力があります。

ラ・パーマは非常に好奇心旺盛な猫で、興味を持ったものに触れるためにあの手この手でチャレンジする行動派タイプです。
ハンターの気質も持ちつつ賢さもあるため、飼い主さんが思いもよらない行動をすることがあります。

危険が伴う場所には近づけないように予防策をとる必要があります。

犬のように飼い主さんについて歩きます。

飼い主さんに対する愛情も深く、家の中では飼い主さんの後についていくような犬のような一面もあります。
賢いため、しつけもしやすい猫です。

ラ・パーマの飼い方（日常の世話）について

被毛のお手入れはそれほど大変ではありません。

ふわふわの毛は一見絡まりやすいように見えますが、シングルコートで軽やかな毛は比較的絡まりにくく、抜け毛も少ない方です。

長毛の場合は毎日粗めのコームで梳かしてあげるとフワフワな毛を保てます。
ショートヘアーの場合は毎日お手入れしなくても大丈夫です。

ラ・パーマの歴史・起源について

偶然生まれたカールヘアーの猫です。

ラ・パーマは突然変異によって生まれた新しい巻き毛の品種です。

１９８２年、アメリカのオレゴン州の農家で６匹の子猫が生まれ、そのうちの１匹が無毛に近い薄毛でした。
その猫は成長とともにカールした毛が生え始め、生後１年ほどまでに全身がパーマをかけたような巻き毛に覆われました。
「カーリー」と名付けられたこの猫はやがて子猫を生みますが、生まれた子猫達も同じような巻き毛の猫が多かったことから、近隣の繁殖家の目に留まり人気が出始め、飼い主が繁殖を開始します。

キャットショーでは、同じく縮れた毛を持つコーニッシュレックスなどとは異なる遺伝子を持つ縮れ毛の猫として注目され、オシキャットやバーミーズなど他の猫種を含めたブリーディングにより本格的な繁殖が始まります。

名前は見た目の通り、パーマをかけたような巻き毛にちなんで「ラ・パーマ」（パーマをかけたような）と名付けられました。
２００３年にはアメリカのＴＩＣＡに公認されています。

ラ・パーマの気を付けたい病気について

ピルビン酸キナーゼ欠損症の遺伝子をもっていることがあります。

ピルビン酸キナーゼとは、細胞のエネルギーを作るのに必要な酵素の一つです。
この酵素が生まれつき欠損して生まれてくることがあり、その場合は血液中の赤血球の寿命が短くなってしまうため、若齢から慢性的な貧血を繰り返します。

根本的に治療することは難しく、貧血が重度になった場合には輸血を繰り返す等、対症療法を行いますが、肝臓に徐々に鉄分が沈着して機能障害が起こり、短命になってしまうことが多い病気です。

この病気は遺伝性の疾患で常染色体の劣性遺伝によって発症します。
アメリカの大学とイギリスの検査機関で収集された猫のＤＮＡサンプルに対して、ピルビン酸キナーゼ欠損症の保有率を調査したところ、ラパーマでは保有率１４％という高い数値の結果が出たという報告があります。

発症していないキャリア猫の場合も遺伝子検査による繁殖リスクの判断が可能ですので、繁殖を計画する場合には念のために一度検査しておくことが推奨されています。

ラ・パーマの価格相場について

日本ではまだ珍しい品種です。

ラ・パーマは日本ではまだまだ珍しい品種です。
ペットショップで出会えることはほとんどありませんが、ブリーダーさんはいますので、飼育を希望する場合には、ブリーダーさんを探して購入することが多くなりそうです。

価格は１５～３０万円ほどが相場です。

獣医師から見たラ・パーマを飼う際のアドバイス

ブラッシングは適度に行いましょう。

ラ・パーマの巻き毛は一見もつれやすそうですが、櫛で軽く梳かすだけで十分です。
念入りに長時間お手入れしすぎるとせっかくのカーリーヘアが伸びやすくなりますので、短時間でほどほどに行うのがおすすめです。

運動は十分にさせてあげましょう。

ラ・パーマは農家でネズミを捕るワーキングキャットとして働いていた猫から生まれました。
そのためハンターとしての気質を残しており、好奇心旺盛で体を動かしたり遊ぶことが好きな猫です。
十分運動できるように環境を整えてあげ、時間のある時にはおもちゃで一緒に遊んであげましょう。

ラ・パーマの飼育チャートについて

性格的にも穏やかで、他の動物や子供にも優しくできる猫のため、比較的飼いやすい猫です。
飼い主さんに甘えたいときにはしっかりと愛情表現してくれる猫ですので、猫との濃密な時間を過ごしたい方にもおすすめの猫です。