アメリカンボブテイルの特徴について
アメリカで生まれた短い尻尾の猫です。
アメリカンボブテイルは、ジャパニーズボブテイル同様、短い尻尾が特徴の猫です。
尻尾の切れ方や形に優劣はなく、折れていても、切れていても、捻じれていてもそれが個性として認められ愛されています。
日本のジャパニーズボブテイルは劣性遺伝であるのに対し、アメリカンボブテイルの短い尻尾は優性遺伝で、この2つの猫種に関連はなく遺伝子的に別の猫種であることがわかっています。
体は中型~大型で、筋肉質でがっしりした骨格のロング&サブスタンシャルタイプです。
頭は丸みのあるくさび型でやや横長の楕円形、鼻筋が通った顔立ちをしており、ピンと立った美しい三角の耳の先にはリンクスと呼ばれる飾り毛があることもあります。
眼はアーモンド型で、色はすべての色が存在します。
毛の長さはミディアムショート、セミロングからロングまであり、ダブルコートでやや硬めの触り心地です。
毛色はあらゆる色とパターンが存在します。
アメリカンボブテイルの性格について
温和な性格の猫です。
アメリカンボブテイルの性格は基本的には穏やかです。
がっしりした体つきはワイルドな印象を与えますが、人懐っこく甘えん坊で、他のペットや子供を含めた家族にも上手に優しく接することができる猫です。
時には猫らしい気まぐれな一面を見せることもあります。
アメリカでは温厚な性格からアニマルセラピーでも活躍することが多い猫です。
好奇心が強い一面もあります。
穏やかな反面、好奇心が非常に強く、興味を持ったものを追いかけて捕まえようとするハンターのような一面も持っています。
非常に賢い猫です。
アメリカンボブテイルは非常に賢く、犬のようにリードを付けて散歩をすることができたり、教えるとボールを取ってきたりするようになります。
しつけにはあまり苦労しませんが、物覚えが良い上に好奇心が強いため、いたずらや脱走には注意が必要です。
アメリカンボブテイルの飼い方(日常の世話)について
運動量の多い活発な猫です。
アメリカンボブテイルは非常に活発で体力もあるため、一日の運動量はかなり多めです。
また食欲旺盛なため、運動不足になると太りやすい傾向があります。
食事管理をしっかりしつつ適度に運動させることで肥満にならないように気を付けましょう。
被毛のお手入れをこまめにしてあげましょう。
アメリカンボブテイルは長毛種のわりに毛はもつれにくい方ですが、被毛はダブルコートのため、美しい毛並みを維持するためにできるだけこまめにブラッシングしてあげましょう。
アメリカンボブテイルの歴史・起源について
アメリカの土着の猫から誕生した猫です。
アメリカには古くからボブテイルの猫は存在していましたが、日本ほど多くはなく、比較的珍しい猫とされていました。
その起源は明らかにはなっておらず、アメリカ大陸に昔から存在するボブキャットという野生のオオヤマネコが祖先であるとか、イエネコの中で突然変異で生まれたものなどといわれています。
この土着のボブテイルの猫が繁殖されるきっかけになったのは、1960年代アイオワ州に住んでいたサンダース夫妻とその友人のブリーダーたちです。
サンダース夫妻が訪れたアリゾナで出会った短い尻尾を持つ子猫を家に連れ帰り、もともと飼っていた猫と交配したところ、同じように短い尻尾の子猫が生まれました。
それを見た友人のブリーダーは子猫を譲り受け、育種を始めます。
しかし、近親交配を繰り返したことによって遺伝性疾患が多発し、ボブテイルの育種は一度廃れてしまいます。
その後1980年代に、繁殖家のリーハ・エヴァンスが異系交配・異種交配によって遺伝子のプールを広げたことで遺伝性疾患の発生を抑えた結果、1989年にアメリカンボブテイルとしてTICAに登録されました。
アメリカンボブテイルの気を付けたい病気について
遺伝性疾患などは少ない品種です。
アメリカンボブテイルは育種段階で遺伝性疾患を回避するために慎重に交配を重ねた品種のため、遺伝性疾患はほとんど報告されていません。
一般的な尿路疾患や腎疾患に気を付けましょう。
病気が比較的少ない猫種とは言え、一般的に猫に多い泌尿器の疾患(尿石症など)や高齢時の腎疾患などには同様に注意が必要です。
定期的な健康診断(血液検査や尿検査)を受け、中高齢期頃からは腎機能に配慮したフードを与えるなど、健康管理には気を付けるようにしましょう。
骨盤周囲の疾患に気を付けましょう。
マンクスなど尻尾の短い猫は神経の分布異常などによって便秘や尿路疾患になりやすい傾向があるとも言われています。
毎日の排尿・排便状況には少し気を付けるようにしましょう。
アメリカンボブテイルの価格相場について
日本ではまだ認知度の低い猫です。
アメリカンボブテイルは日本ではまだあまり知られていない猫種で、繁殖もほとんどされていないため、国内で入手することはなかなか難しい猫種です。
飼育を希望する場合は海外のブリーダーやペットショップを探すことになりますが、海外から輸入する場合は子猫を実際に見ることができないうえに、輸入にかかる手数料や輸送費などが加算され高額になることが予想されます。
価格はおおよそ25万円以上はかかると考えられます。
獣医師から見たアメリカンボブテイルを飼う際のアドバイス
成長がゆっくりなタイプの猫です。
アメリカンボブテイルの成長は他の一般的な猫に比べるとゆっくりで、成長が完了するまでに3年ほどかかります。
その間は成長に必要な栄養がしっかり摂れるよう食事管理に気を付け、さらに肥満を予防し健康的に骨や筋肉が成長するように運動も十分させてあげましょう。
脱走には特に注意しましょう。
アメリカンボブテイルは好奇心旺盛で活発な猫のため、一度脱走してしまうとほぼ帰って来ないといわれています。
室内飼育をすることは基本ですが、不意に外に出てしまうことがないように生活環境を見直しておくことも重要です。
アメリカンボブテイルの飼育チャートについて
穏やかな性格で子供にも他のペットにも優しくできる性格の上、病気も多くないため、初めて猫を飼う家庭でも非常に飼いやすい猫です。
甘えん坊で飼い主さんにもよく懐くため、猫とのスキンシップを楽しみたい方にお勧めです。
ただし日本ではなかなか入手が難しい猫種です。
初心者 | 8 初心者でもかなり飼いやすい |
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しつけ | 8 しつけはかなり簡単 |
お手入れ | 8 お手入れはかなり楽 |
気性 | 9 気性は非常に穏やか |
多頭飼育 | 9 多頭飼育は非常にし易い |
運動量 | 2 運動量はやや多い |
病気 | 8 病気にはかなり強い |
抜け毛 | 7 抜け毛はかなり少ない |
鳴き方 | 7 あまり鳴かない |
におい | 8 あまり臭いがない |