セルカークレックスの特徴について
羊のようなもこもこの巻き毛が特徴の猫です。
セルカークレックスは全身がもこもこの巻き毛で覆われた猫です。
体は中型~大型で、がっしりした筋肉質なボディに中くらい長さの四肢と尻尾をもつセミコビータイプの猫です。
四肢も筋肉質でがっしりしており、尻尾までもこもこの巻き毛で覆われています。
頭は幅広で丸く、鼻はやや低め、頬が発達しており、中くらいの大きさの耳は付け根は幅広で先は尖っており、耳と耳の間隔は広めです。
眼は大きく丸い眼で、全ての色が存在します。
被毛は短毛・長毛のどちらもあり、カールして密度が高く、厚みがあります。
手触りはビロードの様で柔らかく、色やパターンはブラックやホワイト、ブルーの単色から、キャリコ、タビー、ポインテッドなどほぼすべての色とパターンが存在します。
毛は生まれたときから巻いていますが、生後半年くらいまでに一度すべて抜け落ち、その後成猫になるまでに再びしっかりとした巻き毛が生えそろいます。
巻き毛の程度は個体差がありますが、首回りや尻尾に強く出る傾向があります。
セルカークレックスの性格について
穏やかでのんびりした性格の猫です。
セルカークレックスは育種の過程でペルシャの血が入り、その穏やかな性格を色濃く受け継いでいます。
活発に遊ぶこともありますが、基本的にはリラックスした状態で静かに過ごすことが好きです。
飼い主への愛情も深い優しい寛容な性格の猫で、我慢強いため、初めて会う人や子供にもうまく接することができます。
セルカークレックスの飼い方(日常の世話)について
被毛のお手入れが必要です。
特徴である巻き毛はやや絡まりやすく、抜け毛も他の長毛種に比べると少なめですが、比較的抜けるため、できれば一日1~2回はブラッシングやコーミングを行いましょう。
また、やや皮脂が多い傾向があるため、必要に応じてシャンプーもするようにしましょう。
セルカークレックスの歴史・起源について
保護施設で見つかった巻き毛の猫がルーツです。
セルカークレックスのルーツになった猫は、アメリカで突然変異によって誕生したとされています。
1987年、アメリカのモンタナ州にある保護施設で、1匹の巻き毛の猫が生まれました。
この猫はブリーダーのジェリー・ニューマンに引き取られ、ジェリーが飼育していたペルシャと交配されます。
するとその半分に巻き毛の子猫が生まれたため、ジェリーはこの巻き毛は遺伝的な素因であると考え、本格的なブリーディングを始めました。
巻き毛の猫はペルシャ以外にもブリティッシュショートヘアやエキゾチックショートヘアと交配され、改良を重ねた結果、現在のセルカークレックスが誕生しました。
「セルカーク」は保護施設の近くにあった山脈から、「レックス」は他の巻き毛種の猫(デボンレックス・コーニッシュレックス)と同様、ウサギのレッキス種に由来しています。
アメリカの猫種登録団体TICAには1992年に公認され、CFAに公認されたのは2000年と、誕生してから日の浅い猫種です。
セルカークレックスの気を付けたい病気について
ペルシャで多くみられる遺伝性疾患に気を付けましょう。
セルカークレックスは育種の過程でペルシャの血を受け継いでいるため、ペルシャで比較的多くみられる遺伝性疾患である多発性嚢胞腎症や肥大型心筋症などの発症に警戒する必要があります。
特に多発性嚢胞腎症には注意が必要です。
腎臓に嚢胞という液体の溜まった袋がたくさんできて徐々に正常な腎機能が損なわれていく病気で、発症してしまうと治療する方法はなく、常染色体優性遺伝によって50%の確率で遺伝子が子供に受け継がれてしまいます。
この病気は遺伝子検査も可能ですので、特に交配を考えている場合には一度は検査しておくことをお勧めします。
皮膚疾患にも注意が必要です。
皮脂の分泌がやや多めの体質のため、ブラッシングやシャンプーなどの被毛のケアを怠ると毛玉ができたり皮膚の状態が悪化したりする可能性が高くなります。
特に皮膚病の多い夏場にはケアとチェックを怠らないように気を付け、異常がみられた場合にはできるだけ早く病院を受診するようにしましょう。
セルカークレックスの価格相場について
ペットショップではまだあまり出会えない猫種です。
セルカークレックスは日本ではまだ認知度が低い猫ではありますが、ブリーダーさんは少しずつ増えてきています。
ペットショップで出会える可能性は低いですが、ブリーダーサイトを介して検索すると全国に何か所かブリーダーさんがいるため、希望の子猫に出会えるでしょう。
価格帯は月齢や毛色などによって変動しますが、10~30万円が相場のようです。
中には直毛の個体もいますので、巻き毛を希望する場合には事前に確認しておきましょう。
獣医師から見たセルカークレックスを飼う際のアドバイス
成長がゆっくりなタイプの猫です。
セルカークレックスの成長は他の一般的な猫に比べるとゆっくりで、成長が完了するまでに3年ほどかかります。
その間は成長に必要な栄養がしっかり摂れるよう食事管理に気を付け、さらに肥満を予防しつつ健康的に骨や筋肉が成長するように運動も十分させてあげましょう。
肥満を予防しましょう。
成猫になった後は運動不足による肥満に注意が必要です。
基本的には静かに過ごすことが好きなおっとりした猫ですが、遊びに誘うと活発に遊ぶため、一日に10~15分程度でも遊びに付き合ってあげ、運動を促すようにしましょう。
セルカークレックスの飼育チャートについて
性格が穏やかで多頭飼育や子供のいる家庭でも飼いやすい猫です。
抜け毛はやや多く、皮膚の定期的なお手入れが必要です。
肥満を予防するために遊びに誘って運動させるようにしましょう。
初心者 | 6 初心者には普通程度の飼いやすさ |
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しつけ | 8 しつけはかなり簡単 |
お手入れ | 4 お手入れのし易さは普通程度 |
気性 | 10 気性は非常に穏やか |
多頭飼育 | 9 多頭飼育は非常にし易い |
運動量 | 8 運動量はやや少ない |
病気 | 5 病気への強さは普通程度 |
抜け毛 | 4 抜け毛の量は普通程度 |
鳴き方 | 7 あまり鳴かない |
におい | 5 臭いは普通程度 |