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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

サバンナの特徴について

野性味あふれるワイルドキャットです。

サバンナはアフリカに生息する野生の猫であるサーバルキャットに、イエネコを掛け合わせて生まれた猫で、サーバルキャットの血の濃さによってその特徴は野性味の強いものになります。

サバンナとしてはサーバルキャットの血を引く第七世代までが認められています。
第一世代から第三世代は特に野性味が強く、ヒトにもあまり懐きにくいですが、第五世代になるとイエネコの要素が強くなり、体格や性格もよりイエネコに近いものになります。

体は一般的なイエネコよりも大きめの中型猫で、首が少し長く、体は非常にスリムですが筋肉質です。

頭は小さく逆三角形で、特徴の一つともいえる縦長の大きな耳が目立ちます。
眼はアーモンド型でグリーン、ヘーゼル、イエロー、ゴールドなど多くの色が存在し、目頭から鼻筋に黒いシャドーのような模様が伸びています。

最大の特徴は野性味を強く感じさせる体の美しい斑点模様です。
被毛は短毛でブラウン系のスポッテッドタビーが代表的ですが、他にもシルバースポッテッドタビーやブラックスモークなどがあり、ブラウン系には色の濃さに少し幅があります。

サーバルキャットの血が濃いほどスポットの色は黒く丸いしっかりしたものになり、体格も大きくなります。

日本でも繁殖は行われていますが、非常に希少です。

サバンナの性格について

好奇心旺盛で活発です。

サバンナは好奇心が強く、動きも俊敏で運動能力が高いため、とても活発です。
水を怖がらない個体が多く、水で遊んだり飼い主さんと一緒にシャワーを浴びることもあるようです。

非常に賢く従順な猫です。

野性味の強い見た目をしていますが、非常に知的で賢く、しつけやすい面も持ちます。
飼い主さんには非常に従順で、一度信頼関係が出来上がれば、非常によく甘えて構ってもらいたがります。
逆に構ってもらえない時間が長くなるとストレスをためてしまうこともあります。

サバンナの飼い方(日常の世話)について

大型の猫に対応した飼育環境を整えましょう。

サバンナは猫の中でも大きめで、しかも活発によく遊ぶ猫です。
飼育するにあたっては十分に運動できるような環境を準備できるかどうか、よく検討するようにしましょう。
キャットタワーなどは十分な強度のあるものが必要です。
運動量はかなり必要ですので、時間のある時はできるだけ遊んであげるようにしましょう。

また非常にジャンプ力があり、垂直に2.5mほどもジャンプすることができます。
高いところには猫に落とされると危険な置物などは置かないようにしましょう。
好奇心旺盛なため、危険な場所には入り込めないようにあらかじめ対策しておきましょう。

サバンナの歴史・起源について

アメリカで誕生した比較的新しい猫種です。

サバンナは、1986年にベンガルのブリーダーをしていた女性がアフリカに生息する野生のサーバルキャットと自身が飼育していたシャムを交配させて誕生しました。
このときに生まれた子猫は他のブリーダーに引き取られて「サバンナ」と名付けられ、その名が後に猫種名として定着することになります。

サバンナの子孫はその後、様々なブリーダーの努力と協力によって、イエネコとの交配を重ねることで品種としてのスタンダードを確立され、2001年にTICAによる公認を受けました。

サーバルキャットとの交配に用いられたイエネコとしては、当初ベンガルやエジプシャンマウなどの斑点模様を持つものが好まれましたが、近年はサバンナの個体数が十分増えたことからサバンナ同士の交配が行われるようになってきています。

サバンナの気を付けたい病気について

特定の好発疾患はまだ報告されていません。

サバンナは誕生してからまだ日が浅い品種のため、品種特有の疾患は報告されていません。
しかし、猫に一般的に多く発生する下部尿路疾患や、中高齢期に多く見られる腎臓病などには同様に注意が必要です。

排尿状態の変化や食欲、飲水量に変化がみられた場合にはできるだけ早く病院を受診するとともに、定期的な健康診断も受けるようにすることをお勧めします。

サバンナの価格相場について

ペットショップではあまり出会えない猫種です。

サバンナは日本ではまだあまり認知度が高くなく、飼育頭数も非常に少ないため、ペットショップで出会うことはほぼありません。
飼育を希望する場合には、ブリーダーサイトなどを介してブリーダーさんを探し購入することが多くなりそうです。

価格はサーバルキャットの血をどれぐらい濃く引いているかによって大きく変わるようです。
第一世代に近い個体ほど高価になり、中には300万円を超える価格がついている場合もあります。
一方、第五世代以降では30万円~60万円ほどで販売されていることが多いようです。

獣医師から見たサバンナを飼う際のアドバイス

飼育を決める前に飼育環境や自治体の許可の有無などをよく確認しましょう。

サバンナの第五世代以降ではあまり問題になりませんが、第一世代や第二世代では特にその特徴が野生のサーバルキャットに近くなり、爪や牙も鋭くなります。
飼育経験がない場合には飼育自体をよく検討する必要があるとともに、比較的大型の猫を飼う飼育環境を準備できるかどうか、よく考えて決めましょう。

また自治体によってはサバンナの野生の遺伝子の占める割合によって飼育許可が必要になる場合がありますので、飼育の前に確認しておくようにしましょう。

成長期に合った食事を用意しましょう。

サバンナは一般的な猫に比べて成長期が長い猫種です。
体の大きさ(体高)は1年でほぼ決まりますが、そこからさらに2年ほどかけて体の幅が出てきます。
その間は成長期に適した高タンパク・高栄養の良質なフードを与えるように心がけましょう。

また適度に運動させることも健康的な発育には重要ですので、十分運動させてあげるようにしましょう。

サバンナの飼育チャートについて

飼い主さんには従順でよく甘えますが、入手自体が比較的難しい猫種であるということと、活発なうえに体が大きいということから、飼育スペースが十分広く確保できる家庭に向いていると考えられます。
猫の飼育初心者よりは飼育経験者向きの猫と言えそうです。

初心者  4 初心者には普通程度の飼いやすさ
しつけ  8 しつけはかなり簡単
お手入れ  8 お手入れはかなり楽
気性  5 気性は普通程度
多頭飼育  5 多頭飼育のし易さは普通程度
運動量  0 運動量は非常に多い
病気  7 病気にはかなり強い
抜け毛  7 抜け毛はかなり少ない
鳴き方  5 普通程度に鳴く
におい  7 あまり臭いがない
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