マンチカンの特徴について
短い脚でちょこちょこ歩く可愛らしさが人気の猫です。
マンチカンの特徴は何といっても短い足です。
猫界のダックスフントとも呼ばれ、体高は猫の中で一番低く、ギネスブックにも認定されています。
しかしマンチカンの中には「長足」や短足と長足の中間の「中足」の個体もおり、短足で生まれる確率は2~3割程度とされています。
体は小柄ですが骨格は頑丈で筋肉質、運動は比較的得意な猫です。
小回りを利かせて素早く動き、ジャンプが得意な一面もあり、他の長足の猫と比較しても運動能力は引けを取りません。
顔は少し丸みを帯びており、眼はクルミ型でやや吊り上がり気味、耳は中くらいの大きさで先端は少し丸みがあります。
体と同じぐらいのまっすぐな長い尻尾を持ち、尾をよく動かしてバランスを取りながらちょこちょことかわいらしく歩きます。
毛色や眼の色は様々なパターンがあり、短毛・長毛のどちらも存在します。
マンチカンの性格について
好奇心旺盛であまり人見知りをしません。
マンチカンは好奇心旺盛で甘えん坊、社交的な性格をしています。
あまり人見知りをせず、ヒトにもよく懐く傾向があります。
初めて猫を飼う人や既に他の犬や猫など他のペットを飼っている人にもおススメの品種です。
マンチカンの飼い方(日常の世話)について
関節に負担がかからないように気を付けましょう。
マンチカンは脚は短いですが運動能力は高く、遊び好きで運動量は豊富です。
しかし、骨軟骨異形成症や変形性関節症などの関節疾患や椎間板ヘルニアに注意が必要な品種でもあります。
太りすぎると体重の負荷によって関節や腰を痛めやすいため、肥満にならないように体重管理に気を付けましょう。
また、激しく運動する際に滑ったり着地に失敗したりすると思わぬ怪我をすることがあります。
フローリングには滑りにくい敷材を敷くなどといった環境整備をして怪我のリスクを減らしましょう。
適度にブラッシングをしてあげましょう。
マンチカンには短毛、長毛どちらのタイプもあります。
抜け毛の量はあまり多くなく、毛は柔らかく絡まりにくいためお手入れは比較的簡単ですが、全く手をかけないと長毛種では毛玉ができてしまうことがあります。
時々ブラッシングしてきれいな毛並みを維持してあげましょう。
マンチカンの歴史・起源について
突然変異で生まれた短足の猫です。
マンチカンは突然変異で生まれた短い足の猫を繁殖して確立した品種です。
短い足の猫は昔から世界各国で発見されていましたが、繁殖がうまくいかずなかなか品種として確立しませんでした。
その後、1983年にアメリカで発見された短足の雌猫が生んだ子猫の半数が同じく短足であったことから計画的な交配が行われ、短足の猫を固定化することに成功しました。
当初は骨や脊椎に問題があるのではないかと疑われ、品種として認定されませんでしたが、
その後様々な検査や研究が行われ、短い足は奇形や病気ではなく、健康上問題がないことが確認され、1995年に品種として認定されました。
マンチカンという名前は映画「オズの魔法使い」に登場する小柄な体躯が特徴の種族「マンチキン族」に由来してつけられたそうです。
マンチカンの気を付けたい病気について
椎間板ヘルニアに気を付けましょう。
極端に体が長いわけではありませんが、体全体のバランスとして腰に負担がかかりやすく、さらに活発に運動するため、椎間板ヘルニアには注意が必要です。
ヘルニアを発症すると後躯麻痺や痛みが生じて立てなくなったり、自力排尿ができなくなってしまうことがあります。
軽度なものでは消炎剤の投薬で改善することがありますが、重度なものでは外科手術が必要になります。
骨軟骨異形成症や変形性関節症などの関節疾患も起こりやすい傾向があります。
四肢の関節が瘤のように腫れて動きが悪くなる骨軟骨異形成症や、慢性的な関節への刺激・負担によって関節の構造が変形してしまう変形性関節症などの関節疾患にも注意が必要です。
これらの疾患によって関節が変形してしまうと根治することはできず、痛みをとる緩和的な治療しかできません。
マンチカンの価格相場について
短足のマンチカンの方が価格が高くなります。
マンチカンの価格は10~40万円ほどです。
子猫であればあるほど値段は高く、また長足よりも短足の方が値段が高めになっています。
また、毛色や血統、ブリーダーから購入するか、ペットショップで購入するかによっても価格は変わります。
獣医師から見たマンチカンを飼う際のアドバイス
肥満にならないように気を付けましょう。
関節疾患や椎間板ヘルニアは肥満によって関節や腰に負担がかかることによっても起こりやすくなります。
食事管理には気を付け、体重が増えすぎないように気を付けましょう。
マンチカンはもともと好奇心旺盛で遊び好きです。
時間があるときにはおもちゃでたっぷり遊んであげましょう。
体を適度に動かすことで体を支える筋肉を維持でき、肥満の予防にもつながります。
また、若い内はあまり問題になりませんが、加齢に伴って関節の動きや筋力が低下してくると、高いところからのジャンプなどによって思わぬ怪我をすることにつながります。
キャットタワーなどへの上り下りが少し負担になってきたと感じたら、ステップを増やしたり段差の緩やかなタワーに変えるなど、体への負担を考慮した生活環境に少しずつシフトしていきましょう。
いたずらによる事故に気を付けましょう。
マンチカンは好奇心が強いことからいたずらも多いといわれています。
異物の誤食などが起こらないように細かいものやひも状の物は蓋のついた容器などに片付け、猫の手が届かないように管理しましょう。
繁殖する場合には慎重に計画しましょう。
繁殖についてですが、マンチカンの短足は優性遺伝することがわかっています。
しかし短足同士の交配では死産の可能性が高まることから、長足との交配や雑種猫との交配が行われています。
短い足のマンチカンは人気が高いですが、短足のマンチカン同士の掛け合わせやスコティッシュフォールドやアメリカンカールなど耳の形が特徴的な品種との掛け合わせは骨や軟骨の遺伝病などを惹起し、拡散すると懸念されてもいます。
将来的に病気で苦しむ猫を増やさないためにも、モラルのある交配を心がけましょう。
マンチカンの飼育チャートについて
初めて猫を飼う方や既に他のペット(犬や猫)を飼っている場合、小さなお子さんがいる家庭でも飼いやすい猫種です。
お手入れもあまり難しくなく、社交的な性格で、しつけもよく覚えてくれます。
初心者 | 9 初心者でも非常に飼いやすい |
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しつけ | 9 しつけは非常に簡単 |
お手入れ | 7 お手入れはかなり楽 |
気性 | 8 気性はかなり穏やか |
多頭飼育 | 8 多頭飼育はややし易い |
運動量 | 3 運動量はやや多い |
病気 | 7 病気にはかなり強い |
抜け毛 | 6 抜け毛の量は普通程度 |
鳴き方 | 8 あまり鳴かない |
におい | 8 あまり臭いがない |