ターキッシュバンの特徴について
泳ぎが得意なスイミング・キャットです。
ターキッシュバンはトルコ原産の猫で、猫には珍しく泳ぎが得意で、「スイミング・キャット」の異名を持ちます。
体は大きめ中型でロング&サブスタンシャルタイプ、がっしりとたくましいボディに長くて筋肉質な四肢、長くまっすぐでフサフサの毛に覆われた尻尾を持ちます。
頭は幅が広く丸みを帯びたくさび型です。
眼は楕円形でやや大きく、眼の色はブルーやアンバー、オッドアイなどがあります。
耳は比較的大きく付け根は幅広で頭の高い位置に離れてついており、マズルと顎は丸みを帯びています。
被毛はシングルコートのセミロングで水をよく弾くため、泳ぎに適しています。
毛色は全身の多くがホワイトで、頭部と尻尾だけに色がついている特徴的なパターン(バンパターン)をしており、有色部の色はブラック、クリーム、レッド、ブルーなどがあり、その発色パターンはタビー&ホワイトあるいはキャリコ&バイカラーなどがあります。
「バンパターン」は優性遺伝のため、ターキッシュバン同士を交配すると必ず子猫もバンパターンとなります。
ターキッシュバンの性格について
賢い知性派の猫です。
ターキッシュバンは飼い主さんに対する愛情が深い猫です。
知性が高いためしつけには苦労しませんが、時に飼い主さんが思いもよらないようないたずらをすることがあります。
しつけをしっかりと行うことで事故を防ぐようにしましょう。
活発によく遊びます。
ターキッシュバンは遊ぶことが大好きです。
走り回ったり高いところに上ったりすることも好きですので、キャットタワーなどを設置して上下運動できるようにしてあげると良いでしょう。
体が比較的大きいため、キャットタワーも強度が十分なものを設置する必要があります。
また水を怖がらず水遊びする個体も多いため、お風呂や洗濯槽など、水回りの事故が起こらないように気を付けましょう。
ターキッシュバンの飼い方(日常の世話)について
被毛のお手入れをしっかりしてあげましょう。
ターキッシュバンの毛は水を弾きますが、その分皮脂の分泌が多いため、毛ももつれやすい傾向があります。
こまめにブラッシングして美しい毛並みを保つとともに、必要に応じてシャンプーも定期的にしてあげましょう。
また夏の暑い時期には毛が抜け変わり、毛量が減って少し短めの被毛になります。
換毛時には激しく毛が抜けますので、特にお手入れを念入りにしてあげましょう。
ターキッシュバンの歴史・起源について
トルコに古くから生息する猫です。
ターキッシュバンはその名の通りトルコ原産の猫で、バンはトルコ東部にあるバン湖に由来しています。
もともとバン湖の周辺の山岳地帯に古くから生息していた猫で、ターキッシュアンゴラ同様、最古の種の一つとされており、紀元前1200年頃の宝飾品にもターキッシュバンのような尾に模様のある猫がデザインされているといいます。
イエネコとして確立したきっかけは1995年、トルコを旅していたイギリスのブリーダーが猫には珍しく水遊びをしたり泳いでいる猫を見つけ、そのペアをイギリスに持ち帰ったことに端を発します。
1969年にはイギリスで公認され、1980年代にはアメリカにもわたって本格的な繁殖が始まり、TICAやCFAでも公認されました。
トルコではターキッシュバンは国宝級の貴重な猫とみなされており、トルコ農業大学とアンカラ動物園によって血統が保全されています。
ターキッシュバンの気を付けたい病気について
遺伝性疾患などは報告されていません。
ターキッシュバンは比較的丈夫な猫とされており、遺伝性疾患などは報告されていません。
しかし一般的に猫に多いとされる下部尿路疾患や中高齢から起こりやすい腎臓病などには同様の注意が必要と考えられます。
排尿状態や飲水量の変化、食欲の変化などに気を付け、体調に異変がみられた場合にはできるだけ早く病院を受診するようにしましょう、
聴覚障害を発症することがあります。
ターキッシュバンに限った話ではありませんが、白い被毛でブルーの目やオッドアイの猫では時折聴覚障害を発症することがあります。
ターキッシュバンは体の大部分が白い被毛で覆われ、ブルーの目やオッドアイの個体も比較的多いため注意が必要です。
この聴覚障害は先天性のため予防や治療は行うことができませんが、室内飼育をする上では猫自身がうまく順応するため大きな問題になることは多くありません。
しかし外に出てしまうと車の音などの危険を察知することができませんので、完全室内飼育を心がけましょう。
ターキッシュバンの価格相場について
日本ではまだまだ希少な猫です。
ターキッシュバンは日本ではまだまだ希少で、なかなか出会えない猫です。
ペットショップにいる確率は限りなく低いため、家族に迎えたいと考えている場合にはブリーダーさんを探して購入することになります。
価格は30~40万円ほどのようですが、そもそも個体数が少ないため、タイミングによってはなかなか手に入らないこともあるでしょう。
どうしても見つからない場合には海外から輸入する方法もありますが、輸入にかかる手続きや輸送費などが加算され、さらに高額になることが予想されます。
詳細については、海外からの輸入をあっせんしてくれる業者さんに問い合わせてみると良いでしょう。
獣医師から見たターキッシュバンを飼う際のアドバイス
狭いところが苦手です。
ターキッシュバンは当初、独立心が強く自由奔放で、ケージなど狭い場所に入れられるのを嫌った猫でした。
今では若干その気質は薄まったものの、やはり長時間狭い空間に閉じ込められたりすることは苦手です。
生活環境はできるだけ広いスペースを確保してあげるようにしましょう。
ただし、予防接種などで病院に受診する必要がある際にはキャリーバッグに入れるようにしておくことも必要ですので、普段からキャリーバッグを出して開いて置いておき、中に入ることに慣れさせておくと良いでしょう。
成長が少しゆっくりめの猫です。
ターキッシュバンは他の猫種に比べて成長がゆっくりで、完全に成熟するまでに3年~5年ほどかかります。
その間は良質なたんぱく質を十分含んだ栄養価の高い食事を与えるとともに適度に運動させ、健康的な発育をサポートしてあげましょう。
血液型はB型が多い猫です。
ターキッシュバンは、日本で飼われている猫では少ないB型の個体が多いとされています。
輸血が必要な事態はあまり多くありませんが、万が一に備えて、機会があれば一度血液検査をしておくといいかもしれません。
ターキッシュバンの飼育チャートについて
飼い主さんにはよく懐き忠実な猫ですが、比較的大きめな体でよく遊び、飼育には少し広めのスペースを確保してあげることが好ましい猫です。
長毛種にしては抜け毛は少ない方ですが、換毛期にはしっかりとお手入れをしてあげる必要があります。
日本では入手すること自体がなかなか困難な猫種です。
初心者 | 5 初心者には普通程度の飼いやすさ |
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しつけ | 7 しつけはかなり簡単 |
お手入れ | 2 お手入れはやや難しい |
気性 | 7 気性はかなり穏やか |
多頭飼育 | 5 多頭飼育のし易さは普通程度 |
運動量 | 4 運動量は普通程度 |
病気 | 8 病気にはかなり強い |
抜け毛 | 4 抜け毛の量は普通程度 |
鳴き方 | 7 あまり鳴かない |
におい | 6 臭いは普通程度 |