ターキッシュアンゴラの特徴について
トルコで古くから愛される長毛猫です。
ターキッシュアンゴラはトルコ政府が「国の宝」として保護している猫で、ターキッシュバンと並び長毛種としては最も古い歴史を持つ猫と言われています。
体は中型で細身のフォーリンタイプ、四肢も細くて長く、全体的にスタイルが良いその優雅な立ち姿は「バレリーナ」と称されることもあります。
尻尾は長くまっすぐで、付け根は太めですが先端に向かって細くなり、フサフサの毛に覆われています。
頭は体に対してやや小さめで平面のあるくさび型をしており、アーモンド型の大きな目はわずかに吊り上がっており、眼の色はブルー、グリーン、イエロー、オレンジ、オッドアイなど様々な色があります。
耳は大きく先端が尖っており、頭の高い位置に垂直に付いています。
体を覆う被毛はシングルコートの長毛で、シルクのような光沢があり、長毛種のわりに抜け毛が少なくお手入れしやすい特徴があります。
毛色はもともとはホワイトだけでしたが、交配の過程で様々な色とパターンが誕生し、ホワイトの他にブラック、ブルー、レッド、クリームなどの毛色にソリッドタイプ、タビー、キャリコ&バイカラー、パーティカラー、スモーク&シェーデッドなど様々なパターンがあるため、その組み合わせは非常に豊富です。
ターキッシュアンゴラの性格について
アクティブで運動好きです。
「バレリーナ」の異名を持つほど細く繊細な印象の見た目とは裏腹に、非常に活発でエネルギッシュによく遊ぶ猫です。
アンゴラ地方の山岳地帯で長く生活していた歴史があるため、高い場所に上ることやハンティングも大好きです。
少し神経質な面があります。
飼い主さんに対する愛情が深く、肩に乗って飼い主さんのすることを見ていることも多い猫ですが、少し神経質な一面を持っており、自分が気に入った人にだけしか心を開かず、知らない人に対してはなかなか触れあおうとしません。
そのため、小さな子供がいる家庭や来客の多い家では少し慣れるまでに時間がかかってしまいそうです。
ただしその気質にも個体差が大きいようで、中にはフレンドリーで比較的社交的な個体もいるようです。
狭い場所に閉じ込められることを嫌うため、ケージに入れた状態のお留守番などはストレスになってしまいます。
知的で好奇心も旺盛です。
ターキッシュアンゴラは非常に賢く、しつけに苦労することはありません。
しかし飼い主さんの行動をよく観察してドアや戸棚の扉の開け方を覚えたり、思いもよらないようないたずらをすることがあります。
冒険心も強いので、一度外に出てしまうと帰って来なくなってしまう可能性もあります。
さらに水をあまり怖がらない個体が多いので、事故を防ぐために浴槽や洗濯槽、トイレなど、水場には自由に入れないようにしたり、脱走を防止するような対策が必要になることもあります。
ターキッシュアンゴラの飼い方(日常の世話)について
被毛のお手入れは比較的容易です。
ターキッシュアンゴラは美しい長毛が特徴の猫ですが、シングルコートで抜け毛もあまり多くなく、長毛種にしてはお手入れのしやすい猫です。
また水を怖がらないため、シャンプーもしやすいとされています。
十分に運動できるスペースを確保しましょう。
非常に活発に遊ぶ猫で、高い場所に上ることが大好きです。
狭い場所にいることは好きではないため、生活空間はできるだけ広いスペースを確保して運動できるようにしてあげましょう。
また上下運動できるようにキャットタワーなどを設置してあげると良いでしょう。
ターキッシュアンゴラの歴史・起源について
トルコに古くから存在する猫です。
ターキッシュアンゴラは長毛種の中では最古の種といわれるほど長い歴史を持つ猫ですが、詳しいルーツはよくわかっていません。
16世紀の文献にもその存在が記されており、16世紀の初期に商人によってフランスに持ち込まれ、マリーアントワネットに愛された猫としても有名です。
しかしその後、ペルシャとの交配が盛んにおこなわれたことによって、徐々にターキッシュアンゴラの特徴が失われていき、純粋なターキッシュアンゴラが激減、一時は絶滅の危機に瀕してしまいます。
そのため、トルコ政府はターキッシュアンゴラを「国の宝」として保護することを開始します。
国外への持ち出しを禁じ、アンカラ動物園で品種を保護する中で、スリムな体型に白い被毛、青や金色の目を持つ本来のターキッシュアンゴラの姿を取り戻しました。
1962年には国外への持ち出しが再び許可され、アメリカで繁殖プログラムがスタートし、再び世界へと広まっていきました。
1970年代にはCFAやTICAで公認されています。
ターキッシュアンゴラの気を付けたい病気について
遺伝性疾患などは報告されていません。
ターキッシュアンゴラは比較的丈夫な猫とされており、遺伝性疾患などは報告されていません。
しかし一般的に猫に多いとされる下部尿路疾患や中高齢から起こりやすい腎臓病などには同様の注意が必要と考えられます。
排尿状態や飲水量の変化、食欲の変化などに気を付け、体調に異変がみられた場合にはできるだけ早く病院を受診するようにしましょう、
聴覚障害を発症することがあります。
ターキッシュアンゴラに限った話ではありませんが、白い被毛でブルーの目やオッドアイの猫では時折聴覚障害を発症することがあります。
ターキッシュアンゴラは伝統的なホワイトの個体が人気で、ブルーやオッドアイの個体も比較的多いため注意が必要です。
この聴覚障害は先天性のため予防や治療は行うことができませんが、室内飼育をする上では猫自身がうまく順応するため大きな問題になることは多くありません。
しかし外に出てしまうと車の音などの危険を察知することができませんので、完全室内飼育を心がけましょう。
ターキッシュアンゴラの価格相場について
日本ではまだまだ希少な猫です。
ターキッシュアンゴラは日本ではまだまだ希少で、なかなか出会えない猫です。
ペットショップにいる確率は限りなく低いため、家族に迎えたいと考えている場合にはブリーダーさんを探して購入することになります。
価格は30~40万円ほどのようですが、そもそも個体数が少ないため、タイミングによってはなかなか手に入らないこともあるでしょう。
どうしても見つからない場合には海外から輸入する方法もありますが、輸入にかかる手続きや輸送費などが加算され、さらに高額になることが予想されます。
詳細については、海外からの輸入をあっせんしてくれる業者さんに問い合わせてみると良いでしょう。
獣医師から見たターキッシュアンゴラを飼う際のアドバイス
狭いところが苦手です。
ターキッシュアンゴラはケージなど狭い場所に入れられるのを嫌います。
生活環境はできるだけ広いスペースを確保してあげ、ケージなどに長時間入れておくことは避けるようにしましょう。
ただし、予防接種などで病院に受診する必要がある際にはキャリーバッグに入れるようにしておくことも必要ですので、普段からキャリーバッグを出して開いて置いておき、中に入ることに慣れさせておくと良いでしょう。
血液型はB型が多い猫です。
ターキッシュアンゴラはターキッシュバンと同様、日本で飼われている猫では少ないB型の個体が多いとされています。
輸血が必要な事態はあまり多くありませんが、万が一に備えて、機会があれば一度血液検査をしておくといいかもしれません。
ターキッシュアンゴラの飼育チャートについて
飼い主さんにはよく懐き忠実な猫ですが、少し神経質な面も持つ猫で、知らない人にはすぐには懐きません。
アクティブで狭いところは好まないため、飼育には少し広めのスペースを確保してあげましょう。
長毛種にしては抜け毛は少ない方ですが、換毛期にはしっかりとお手入れをしてあげる必要があります。
日本では入手すること自体がなかなか困難な猫種です。
初心者 | 5 初心者には普通程度の飼いやすさ |
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しつけ | 7 しつけはかなり簡単 |
お手入れ | 4 お手入れのし易さは普通程度 |
気性 | 7 気性はかなり穏やか |
多頭飼育 | 4 多頭飼育のし易さは普通程度 |
運動量 | 4 運動量は普通程度 |
病気 | 8 病気にはかなり強い |
抜け毛 | 6 抜け毛の量は普通程度 |
鳴き方 | 7 あまり鳴かない |
におい | 6 臭いは普通程度 |