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Youtube 病気辞典
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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

バリニーズの特徴について

サイアミーズ(シャム)の長毛種です。

バリニーズはシャムに時々生まれていた長毛の猫を独立させた猫種です。

そのため、基本的な特徴は被毛の長さ以外はシャムとほぼ同じですが、性格はやや穏やかで、鳴き声も小さめです。

体の大きさは中型で、細長くスリムなオリエンタルタイプ、骨格は細いですが筋肉質な体をしています。
四肢も尻尾も細長くしなやかで、尻尾の先はふさふさとして広がっています。

頭の大きさは小さめ~中くらいで直線的なくさび型をしており、耳は大きく先端は尖っています。
瞳はアーモンド型で、色は鮮やかなブルーのみです。

被毛は長毛ですがそれほど長くはなく、きめ細かく光沢のあるシルクのような美しい被毛が体に密着して生えています。
毛色はシールポイント、チョコレートポイント、ブルーポイント、ライラックポイントなどがあります。

アンダーコートが少ないため、長毛種の割に抜け毛は少なめで毛玉もできにくく、お手入れしやすい被毛です。

シャムには頭の形と体型によって2種類のタイプがありますが、バリニーズも同様で、V字型のシャープな顔にスレンダーな体のモダンタイプと、少し丸顔でややがっちりした体のトラッドスタイルのバリニーズがいます。

バリニーズの性格について

シャム同様の甘えん坊です。

シャムと同じように甘えん坊で寂しがり屋です。
飼い主に対する愛情が深く、肩や膝に乗ったり、飼い主さんのそばに常に寄り添うことを好みます。
少しわがままな一面もあるため、構ってもらえないと鳴いてアピールします。

シャムに比べて声はやや小さめなため、鳴き声はそれほど問題にはなりません。

少し繊細な面もあります。

バリニーズは少し臆病で用心深いところがあるため、知らない人には初めは近づこうとしません。
ただし家族として信頼関係が出来上がれば、小さな子供や他の同居動物ともうまく付き合うことができます。

バリニーズの飼い方(日常の世話)について

被毛のお手入れは比較的容易です。

長毛種とはいっても毛の長さはそこまで長くなく、アンダーコートも少ないため、抜け毛はそれほど多くはありません。
毛玉などもできにくい方ですが、美しい毛並みを保つために定期的にブラッシングしてあげると良いでしょう。

運動できる環境を作ってあげましょう。

バリニーズは運動神経がよく、やんちゃでよく遊びます。
走り回れる環境を作ったり、上下運動ができるようにキャットタワーを設置してあげると良いでしょう。
また、時間のある時にはスキンシップとしてたっぷり遊び相手をしてあげましょう。

バリニーズの歴史・起源について

アメリカで確立された猫種です。

シャムから突然変異で時々生まれていた長毛の猫を、アメリカの複数のブリーダーが協力し合って1940年~1950年代に品種として固定化させて誕生した猫です。

1958年にはCFAで公認されました。

その優雅な姿や動きがバリ島の伝統舞踊のダンサーを彷彿とさせることから「バリニーズ」と名付けられましたが、そのルーツにバリ島は関係していません。

バリニーズの気を付けたい病気について

シャムと同様の疾患に気を付けましょう。

基本的にはシャムと同様の特徴を持っており、好発疾患も同じような疾患に注意が必要です。

遺伝性疾患としてはアミロイドーシスという病気に注意したいところです。
アミロイドーシスとはアミロイドという異常な繊維状の蛋白が様々な臓器の細胞間に沈着して臓器障害を起こす病気で、シャムでは家族性アミロイドーシスの発生が報告されています。

また、糖尿病や眼の病気(角膜黒色壊死症や進行性網膜萎縮)、消化管疾患(幽門狭窄、消化管腫瘍など)、皮膚腫瘍などもシャムでは起こりやすく、バリニーズにも同様のリスクがあると考えられます。

こまめに体調をチェックして、異常を感じたらできるだけ早く病院を受診するようにしましょう。

バリニーズの価格相場について

日本では入手が困難な品種です。

日本で割と一般的にみられるシャムと異なり、バリニーズは日本では希少な品種で、ブリーダーさんの情報もほとんどありません。

飼育を希望する場合にはシャムのブリーダーさんに何かしら情報があるかどうか問い合わせてみるのも一つの手かもしれません。

あるいは海外から輸入する方法もありますが、個人で輸入するのは非常にハードルが高いと思いますので、斡旋してくれる業者さんを探してまずは問い合わせをしてみると良いでしょう。

獣医師から見たバリニーズを飼う際のアドバイス

健康管理に気を付けましょう。

シャムやバリニーズは他の猫種に比べると、若干病気にかかりやすい傾向がある猫です。
先に挙げたアミロイドーシスや角膜黒色壊死症、幽門狭窄などの他にも、網膜変性症や眼球振盪、内斜視、先天性の難聴、重症筋無力症などの好発品種としても知られ、また猫に一般的に多い慢性腎臓病や膵炎の発症率も他の猫よりも高いとされています。
皮膚にできる肥満細胞腫や消化管の腫瘍(リンパ腫や肥満細胞腫、腺癌)などもシャムでの発生率が高い傾向があります。

先天性の疾患(難聴や内斜視、眼球振盪など)の場合は、猫自身がその状況に順応してうまく生活できる場合が多いですが、怪我や事故のリスクは高くなりますので、生活環境に少し気を配る必要があります。

また吐き気が続く、便が緩い、なんとなく食が細いなどといった気になる症状がみられる場合はできるだけ早く病院を受診するようにし、病気の早期発見を心がけましょう。

バリニーズの飼育チャートについて

少しわがままだったり繊細な部分のある猫ですが、一度警戒心を解くと非常に甘えん坊になる猫です。
飼い主さんの膝の上にいることも好きで、構ってもらえないと飼い主さんの気を引くためにアピールする可愛らしい猫です。

寂しがり屋なため、留守番の時間があまり長くない家庭での飼育に向いており、猫とのスキンシップに時間を十分とれる飼い主さん向きです。

他の猫に比べ病気の発生率が高いため、体調管理には気を配る必要があります。

初心者  5 初心者には普通程度の飼いやすさ
しつけ  6 しつけのし易さは普通程度
お手入れ  7 お手入れはかなり楽
気性  8 気性はかなり穏やか
多頭飼育  8 多頭飼育はややし易い
運動量  3 運動量はやや多い
病気  1 病気には非常に弱い
抜け毛  7 抜け毛はかなり少ない
鳴き方  3 やや鳴く
におい  7 あまり臭いがない
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