バーマンの特徴について
靴下を履いた青い眼の長毛猫です。
バーマンはポイントカラーにサラサラのミディアムヘアと、サファイアブルーの青い目が特徴の気品のある長毛種です。
四肢の先端は白いのも特徴で、靴下を履いているかのようです。
体は少し大きめの中型で、比較的がっしりとした体型のロング&サブスタンシャルタイプです。
体はやや長く、比較的筋肉質で重量感があります。
四肢は中くらいの長さで太く、尻尾もまた中くらいの長さで体とのバランスが良く、フサフサの毛に覆われています。
頭は幅広で大きく丸みを帯びており、鼻は高く(ローマンノーズと呼ばれる)、顎が発達しています。
目は大きくほぼまん丸で、眼の色はサファイアブルーのみです。
耳は中くらいの大きさで耳と耳の間隔は広く、先端には丸みがあります。
被毛は長毛で厚みがありますが、シングルコートでウサギの毛のようにサラサラとした質感です。
また夏には毛が生え変わり、少し短めの毛になります。
生まれたばかりのころは真っ白ですが、成長に伴って生後6週間頃から徐々に毛に色が現れます。
被毛のパターンは鼻周辺や耳、四肢の先の部分、尾などが濃い色になる「ポインテッド」のみで、毛色はクリーム色の被毛にシール、チョコレート、ブルー、ライラック、レッドなどのポイントカラーが現れます。
四肢の先端は白い(ミテッド)のが特徴で、前足は「グローブ」、後ろ足は「レース」と呼ばれます。
バーマンの性格について
落ち着いた優しい性格の猫です。
バーマンは子猫の時は活発でよく動き回りますが、大人になると落ち着きが出る穏やかで優しい性格の猫です。
他のペットや子供に対してもうまく付き合うことができ、多頭飼育や子供のいる家庭にも向いています。
特定のお気に入りの人には特に愛情が深く、常について回るほどです。
長時間構ってもらえなかったり、自分の思い通りにならないことがあると拗ねてしまうことがあります。
鳴くことは少なく、賢いため、しつけのしやすい飼いやすい猫です。
バーマンの飼い方(日常の世話)について
被毛のお手入れをこまめにしましょう。
バーマンの毛は長毛ですが、サラサラしたシングルコートです。
もつれにくく被毛のお手入れは難しくありませんが、抜け毛はある程度ありますので、週に1~2回はブラッシングやコーミングをして抜け毛を取り除き、美しい毛並みを保ってあげましょう。
バーマンの歴史・起源について
古くからミャンマーで愛されてきた猫です。
バーマンのルーツは、古くからビルマ(現在のミャンマー)の寺院で飼育されていた猫ではないかとされていますが、詳細は分かっていないところもあります。
古い記録では9世紀から15世紀までのクメール王朝時代の記録の中にバーマンに似た特徴の猫が記されています。
バーマンの目や毛の色は、ある位の高い僧侶が亡くなった際にその魂が宿って今の姿になったとする物語もあり、ミャンマーでは神聖な猫として愛されています。
20世紀の初めころ、ミャンマーの国内外で治安の乱れが生じた際に、襲撃された寺院を警護していたイギリスの軍人が2頭のバーマンを持ち帰り、フランスに持ち込んだことでヨーロッパにバーマンが渡りました。
このバーマンが生んだ子猫とその母猫を基礎に、ヨーロッパでバーマンの繁殖がすすめられ、1925年にはフランスの猫血統登録団体に公認されました。
しかしその後、世界大戦の影響によってバーマンをはじめとする純血種の猫たちは激減し、残った純粋なバーマンはわずか2匹だけになってしまいます。
バーマンを再興させるために、生き残った2匹のバーマンと、毛色の似ているシャムやポイントのあるペルシャなどと交配をし、計画的にバーマンの繁殖が行われました。
その中で当初はシールポイントのみであった毛色に新しくブルーポイントなどが加わり、1966年にイギリスで、1967年にはアメリカで公認を受けました。
バーマンという名前はビルマ「Burma」に由来するとされています。
バーマンの気を付けたい病気について
貧毛症と胸腺低形成が報告されています。
バーマンは比較的丈夫な猫と言われていますが、遺伝性疾患も報告されています。
それは貧毛症と胸腺の低形成が起こる遺伝性疾患で、「先天性貧毛症」や「nude/SCID症候群」とも呼ばれます。
貧毛症の症状として生まれたときから地肌が見えるほど極端に被毛が少なく、また免疫器官である胸腺が正常に形成されないことによって極度の免疫力低下が起こり、ほとんどのケースで短命(生後8か月程度)となってしまう疾患です。
この病気の発症に関わっているのは被毛の成長と胸腺上皮の機能維持に関わる「FOXN1」という遺伝子の変異で、常染色体劣性遺伝によって発症するため、両親からこの遺伝子を受け継いだ場合に発症します。
発症していなくても遺伝子を持ったキャリア猫の場合があるため、繁殖を考えている場合には交配する前に遺伝子検査を受けておくことをお勧めします。
新生子溶血が起こることがあります。
日本にいる猫の血液型はA型が多いのですが、バーマンはB型の個体が比較的多い猫種です。
新生子溶血とは、母猫と子猫の血液型が異なる場合(母猫がB型、子猫がA型など)、初乳を飲んだ際に母猫の初乳に含まれる血漿成分と子猫の血液にミスマッチが生じて拒絶反応が起こり、赤血球が破壊(溶血)されてしまう現象で、最悪の場合には命を落としてしまいます。
これを防ぐためには、あらかじめ母猫・父猫の血液型を調べておき、同じ血液型同士で交配させるように配慮することが必要です。
バーマンの価格相場について
ペットショップではあまり見かけない猫です。
世界で人気のある猫ですが、まだ日本での認知度は高くなく、飼育頭数も繁殖を行っているブリーダーも限られるため、ペットショップではほとんど出会えません。
家族に迎えたいという場合には、ブリーダーさんを探して購入することが多くなりそうです。
価格は月齢や毛色、血統などにもよりますが、大体10~25万円程度が多いようです。
獣医師から見たバーマンを飼う際のアドバイス
肥満に気を付けましょう。
バーマンは子猫の時期には非常に活発ですが、成長するにつれて徐々に落ち着いた性格となり、小さい時ほどやんちゃに走り回って遊ばなくなります。
そのため運動不足になりやすく、肥満にならないように少し気を付ける必要があります。
もともと少し大きめの体の猫ですが、肥満になると関節や心臓などに負担がかかりやすくなる他、糖尿病や尿路疾患なども起こりやすくなってしまいます。
飼い主さんに構ってもらうのが大好きな猫種ですので、甘えてきたときにはおもちゃで一緒に遊んで運動を促してあげ、食事管理にも気を付けて太らせすぎないようにしましょう。
バーマンの飼育チャートについて
穏やかで優しい性格の甘えん坊な猫です。
他のペットや小さな子供とも仲良くすることができ、どんな家庭でも比較的飼いやすい猫といえます。
日本ではあまり見かけない品種ですので、入手がやや困難です。
初心者 | 10 初心者でも非常に飼いやすい |
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しつけ | 9 しつけは非常に簡単 |
お手入れ | 7 お手入れはかなり楽 |
気性 | 9 気性は非常に穏やか |
多頭飼育 | 9 多頭飼育は非常にし易い |
運動量 | 8 運動量はやや少ない |
病気 | 9 病気には非常に強い |
抜け毛 | 7 抜け毛はかなり少ない |
鳴き方 | 9 ほとんど鳴かない |
におい | 8 あまり臭いがない |