クリリアンボブテイルの特徴について

短いポンポン尻尾が可愛らしい猫です。

クリリアンボブテイルは、その名にある通り短い尻尾（ボブテイル）が特徴の猫です。
尻尾はとても短く、ウサギの尻尾やチアリーディングのポンポンのようです。
厳しい環境下で鍛えられた野性味を感じさせつつも美しさを感じさせる容姿をもつ猫種です。

体の大きさは中型、やや長めの四肢に胴はやや短めで、がっしりとして頑丈な胴体は引き締まっています。
体型はセミコビータイプに分類されます。

頭は丸く少し大きめで幅広のくさび型、耳は中くらいの大きさできれいな形の三角形をしており、先端は少し前方に傾いています。
目は少し吊り上がり気味で、色はゴールドやグリーンをはじめ多くの色が存在します。

毛の長さは短毛も長毛（セミロング）もあり、被毛は柔らかくシルクのような滑らかな手触りです。
毛色や被毛のパターンには制限が特になくバリエーション豊富で、ブラック、ブルー、チョコレート、ホワイト、レッドなどあらゆる毛色が存在し、ソリッドタイプやタビー、キャリコなど、ポイント以外のあらゆるパターンが現れます。

最大の特徴である尻尾にはそれぞれ個性があり、長さは短いもので１．５ｃｍ、長いものでも８ｃｍほどで、捻れたりカーブしており、同じ形の尻尾の個体を見つけるのは難しいとも言われています。

クリリアンボブテイルの性格について

穏やかで愛情深い猫です。

クリリアンボブテイルは穏やかでとても愛情深く、飼い主さんにもすぐになれてよく懐くフレンドリーな猫です。

頭が良く遊びが好きで、犬のようにボールを取ってきたりする遊びも覚えます。
社会性・順応性も高く、他の猫や犬、小さな子供とも上手に付き合うことができます。
しつけもよく覚えるため、非常に飼いやすい猫と言えます。

好奇心旺盛で遊ぶのが大好きです。

長い間、野生の環境下でウサギやネズミ、魚を捕って生活してきた歴史があるため、狩りや泳ぎが得意です。
好奇心も強く、動くおもちゃなどを捕まえるような遊びが大好きです。

クリリアンボブテイルの飼い方（日常の世話）について

十分に運動できる環境を整えましょう。

もともと自然環境で狩りをしてきた猫ですので、運動量は多く、室内では運動不足になりがちです。
生活環境はできれば広いスペースを確保してあげ、キャットタワーなどを設置して上下運動できるようにしてあげると良いでしょう。

また、時間のある時にはおもちゃで誘ってたくさん遊んであげましょう。

夏の暑さには注意しましょう。

寒さが厳しい地域が原産の猫ですので寒さには強いですが、夏の暑さ、特に日本のような高温多湿な夏の環境はあまり適していません。
熱中症などになってしまわないように、夏季は室温管理に気を付けるようにしましょう。

水を怖がらないので事故に気を付けましょう。

クリリアンボブテイルは泳ぎが得意で、水をあまり怖がりません。
家庭内ではお風呂や洗濯機、トイレなどの水回りで事故が起こらないように少し配慮する必要があります。
水を張った状態のお風呂や洗濯槽にアクセスできないようにしたり、トイレの蓋やドアを閉め忘れないように気を付けましょう。

クリリアンボブテイルの歴史・起源について

クリル列島（千島列島）に古くから生息していた猫です。

クリリアンボブテイルの名前は原産地であるクリル列島に由来しています。
クリル列島はロシアのカムチャッカ半島南端と北海道北東部の間、オホーツク海と太平洋を隔てるように点在する列島です。

少なくとも２００年以上前からこの地域にクリリアンボブテイルが存在していたと考えられていますが、その存在が明らかになったのは２０世紀の半ばになってからです。
それまでは厳しい気候条件の中で小動物の狩りをして野生生活をしていたため、その中でがっしりとした丈夫な体を持つようになったと考えられています。

その後ロシアの軍人や学者とともにロシア本土に渡り、ヒトと一緒の生活にすぐに慣れ、ペットとして飼われるようになりました。
現在はヨーロッパでも人気が高い猫です。

アメリカに渡ったのはさらにもう少し後で、アメリカの猫種登録機関「TICA」には２０１２年に公認されました。

クリリアンボブテイルの気を付けたい病気について

丈夫な体を持つ猫種です。

クリリアンボブテイルは自然発生種で、人工的に作出された品種ではないため、報告されている遺伝性疾患などはなく、病気の少ない丈夫な猫種といわれています。

しかし、猫に一般的に多く発生する下部尿路疾患や、中高齢期に多く見られる腎臓病などには同様に注意が必要と考えられます。

排尿状態の変化や食欲、飲水量に変化がみられた場合にはできるだけ早く病院を受診するとともに、定期的に健康診断も受けるようにすることをお勧めします。

クリリアンボブテイルの価格相場について

日本ではほとんど出会えない希少な猫種です。

クリリアンボブテイルは日本ではあまり知られておらず、ブリーダーもいないため、国内で手に入れることは難しい猫種です。
家族に迎えたいと考えている場合には海外のブリーダーさんを探して購入するか、ペットショップを介して輸入代行業者などから輸入してもらうことになります。

ブリーダーさんはロシアに多くいるようですが、この猫種は年に1回しか繁殖せず、一度の出産で生まれる子猫の数も少ないため、それぞれの個体数はあまり多くないようです。

海外から輸入する場合には猫の価格に加え、輸入にかかる輸送費、仲介手数料などが加算されますので、高額になることが予想されます。
詳細については、海外からの輸入を斡旋してくれる業者さんに問い合わせてみると良いでしょう。

獣医師から見たクリリアンボブテイルを飼う際のアドバイス

小動物との同居は難しいかもしれません。

社会性や順応性の高い猫種のため、人や他の犬猫などのペットとはうまく関係を築くことができますが、狩りのターゲットになってしまうような小さなペット（小鳥やハムスター、熱帯魚や金魚など）との同居は難しいかもしれません。
事故を防ぐためには一緒には飼わないのが無難と考えられます。

クリリアンボブテイルの飼育チャートについて

人によく慣れ、同居の家族（他の犬猫などのペット）とも仲良くでき、しつけにも苦労することはなさそうです。
運動量はやや多く必要ですので、運動できる環境を整え、時間のある時にはたっぷり遊んであげましょう。

日本では入手自体が困難です。