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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

ボルゾイの特徴について

視力に優れた猟犬のサイトハウンドです

サイトハウンドとは優れた視覚を持ち、その視覚によって獲物を追跡捕獲できる能力を持っていたとされています。
ボルゾイはロシアでサイトハウンドとして猟で活躍していました。

優れた視力と脚力を持ち合わせています。

俊足の持ち主です

猟犬として活躍していた歴史を持つように、獲物を見つけると馬のようなギャロップで駆け抜けます。

その際は時速50kmにもなる俊足を持っているとされています。

ボルゾイの性格について

実は穏やかな性格です

猟犬として活躍した歴史を持ち、優れた身体能力を持つボルゾイですが、とても静かで穏やかな性格です。

物静かであるため、大型犬ですが家庭犬としても適していると言われています。

繊細な一面も持ち合わせるため注意が必要です

穏やかですが、繊細で神経質な一面も持ち合わせています。

そのため、警戒心を強く持ったり、観察力や感受性が高さゆえに、恐怖や不安で神経質になる個体も多くいます。

この繊細な性質を理解して接してあげることが大切です。

ボルゾイの飼い方(日常の世話)について

充分な運動をしてあげましょう

体格も大きく、高い運動能力を持つ犬種です。

充分な散歩時間を確保し、体を動かす時間を作ってあげてください。
思い切り走ることが好きな犬種のため、ただ歩く散歩だけではなく、思い切り広い場所で走れる時間も作ってあげるとより良いでしょう。

また、個体の関節の状態などにより、適切な運動量は様々です。

過度の運動になると関節などに負担がかかる恐れもあるので、かかりつけの先生と相談しながら適切な運動量を維持するよう心がけましょう。

安心できる環境づくりを

繊細な部分があるため、小さな音や変化が気になってしまう傾向もあります。

体の大きなボルゾイが落ちついて過ごすには広いスペースが必要ですが、それだけではなく、あまり周りのことを気にせず落ちつける場所を選んであげましょう。

ボルゾイの歴史・起源について

猟犬として作出されました

ロシアの貴族階級の人々によって何百年もの間愛されたロシアン・ウルフハウンドというイヌがボルゾイのルーツです。

スポーツとして行なわれていた野ウサギ狩りが、オオカミ狩りの流行へと移り変わり、その過程で、体を大型化させたり、被毛の量を多くしたりといった改良が行われ、現在のボルゾイの原型が誕生したといわれています。

1900年代に世界へ

その後も改良は加えられ、「俊敏」を意味するボルゾイという名前が付けられました。

そして、ヨーロッパやアメリカでもその高貴な容姿から人気を得て、世界へと広がったとされています。

ボルゾイの気を付けたい病気について

胃拡張胃捻転症候群に注意

ボルゾイのように胸が深い犬種は、胃拡張胃捻転症候群に注意が必要です。

食事の際に空気を一緒にたくさん吸い込んだり、食後すぐに激しい運動をした場合などに起こりやすくなるとされています。

手術の必要な病気で、ひどい場合死につながる危険性もあります。

日常的な行動の中で予防を行い、腹部の膨満感や呼吸の異常、行動の変化など見られたらすぐに受診してあげてください。

外耳炎に注意してあげてください

ボルゾイは垂れ耳であるため、外耳炎になりやすいと言われています。

こまめなケアや、耳を気にして頭を振ったり、前足でこすろうとするなどの仕草が見られた場合は受診をするなどして、外耳炎に早期に気づいてあげられるよう心がけましょう。

ボルゾイの価格相場について

25万円から40万円くらいの価格になります

大型犬であるため価格は高めです。

血統によっては価格相場よりも高くなる個体もいます。
また、毛色によっては価格が高くなる場合もあります。

ペットショップよりもブリーダーからの購入の方が一般的

ほとんどペットショップで出会える可能性は低い犬種です。

大型犬種のため、繁殖に要するスペースも必要なため、ボルゾイに限らず大型犬種を繁殖する場合、郊外を繁殖場にするブリーダーが多い傾向があります。

繁殖を行なっているブリーダーを探して、見学や購入に行く流れになるケースが多いです。

獣医師から見たボルゾイを飼う際のアドバイス

大型犬種を飼育する準備が必要です

体格が大きいため、飼育に必要なスペースも、食べるごはんの量も、かかる医療費も小型犬と比較すると倍以上になります。

飼育することを決める前に、充分な準備が出来るのか、大型犬の生活を維持することが可能なのかなどをしっかりと考えて決める必要があります。

同時に犬と向き合う時間や手間も多くかかる傾向があります。

大型犬種と暮らせる生活なのか充分に考えたうえで迎えてあげてください。

しつけは充分に行いましょう

攻撃的な犬種ではありませんが、警戒心や恐怖が攻撃に代わってしまう場合もあります。

その場合、大型犬のため、力も強く顎も大きく、けがが大きな問題につながってしまう危険性があります。

飼い主さんが制御できるよう、普段から厳しくしつけをおこないましょう。

また、どんなにやさしい愛犬であっても、社会には大型犬が怖いと感じてしまう人もいます。

犬が苦手な人のことも配慮しながら生活することが大切です。

ボルゾイの飼育チャートについて

優れた身体能力を持つボルゾイは、必要な運動量も多く、被毛も優雅さを維持するために、自宅でのシャンプーやブラッシングなどこまめなケアが必要です。
ボルゾイのために要する時間は多い可能性が高く、しつけも時間を要する可能性が高いため、しっかりと犬と向き合う時間を作れる人に向いた犬種と言えるでしょう。

繊細な性格などもあり、初めて犬と暮らす飼い主さんでは難しさも多い可能性が高いです。

犬のケアや接し方も慣れていて、犬のための時間が多く作れる飼い主さんには、ダイナミックな走りや、大きな体の愛犬と心を通じ合わせられる楽しみを感じられる犬種です。

初心者  0 初心者には非常に飼いづらい
しつけ  1 しつけは非常に難しい
お手入れ  1 お手入れは非常に難しい
気性  6 気性は普通程度
多頭飼育  4 多頭飼育のし易さは普通程度
散歩  1 必要な散歩量は非常に多い(2.5~3時間程度)
病気  5 病気への強さは普通程度
抜け毛  5 抜け毛の量は普通程度
吠え方  2 やや吠える
におい  5 臭いは普通程度
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