ドーベルマンの特徴について
本来は垂れ耳です
ドーベルマンというと、ピンと立った細い耳のイメージを持つ人が多いかもしれません。
この形は断耳という耳の手術によって形作られたものであり、若齢の頃に麻酔をかけたうえで耳を細く形作り、尾を短くする手術を行うことが一般的でした。
現在は動物愛護の点などからも行われていない個体も多いです。
本来は尾が長く、耳は垂れた容姿を持ちます。
実は2つのタイプが存在します
実はドーベルマンには、アメリカンタイプとヨーロピアンタイプの2種類が存在します。
ヨーロピアンタイプは、もともと警護犬としてドイツで誕生したドーベルマンです。
その後、アメリカの一般家庭でも飼いやすいように改良されて生まれたのがアメリカンタイプとなります。
アメリカンタイプは、「ショードッグ」としても活躍しています。
性格の違いは大きくありません。
特徴としてアメリカンタイプは家庭で飼うことを目的にしているため、ヨーロピアンタイプよりも一回りほど体が小さいということが挙げられます。
ドーベルマンの性格について
警戒心が強く知的です
ドーベルマンは警察犬や護衛として活躍していることからもわかるように、警戒心や防衛本能が高い犬種です。
また、使役犬として活躍できるほどに知的能力が高く、物事に適応して判断する力を持っています。
警戒心が強いことから攻撃などにつながる危険性も充分にありえますが、きちんとしつければ理解をして制御することが可能です。
信頼した相手には愛情深く接します
警戒心が強い一面を持つドーベルマンですが、信頼関係が築けると、愛情深く、従順です。
怖いイメージがありますが、心を開いた相手には忠誠心を持って愛情深く接します。
家族に対しては甘えん坊な個体も見られます。
一方で飼い主を危険から守ろうと勇敢な行動をとることもあるため、愛情がトラブルにつながらないよう注意が必要です。
ドーベルマンの飼い方(日常の世話)について
しつけは充分に行いましょう
興奮や警戒などで人や周りの犬に与える影響が大きくなってしまいがちなのが大型犬です
大型犬のため、軽い飛びつきや甘噛みでも、力も強く顎も大きいために、けがが大きな問題につながってしまう危険性があります。
飼い主さんが制御できるよう、普段から厳しくしつけをおこないましょう。
また、どんなにやさしい愛犬であっても、社会には犬が嫌いだったり、大型犬が怖いと感じてしまう人もいます。
犬が苦手な人のことも配慮しながら生活することが大切です。
充分な運動をしてあげましょう
体格も大きく、高い運動能力を持つ犬種です。
約1時間程度など充分な散歩時間を確保し、体を動かす時間を作ってあげてください。
思い切り走ることが好きな犬種のため、ただ歩く散歩だけではなく、思い切り広い場所で走れる時間も作ってあげるとより良いでしょう。
信頼関係が築けると愛情深いドーベルマンとは、一緒に体を使って遊ぶアジリティなど、飼い主さんと楽しめるスポーツなども、使役犬として人と一緒に何かをして達成感を得る習性を活かして、より絆を深めることもできる可能性が高いです。
ドーベルマンの歴史・起源について
19世紀後半にドイツで誕生した犬種です
フリードリッヒ・ルイス・ドーベルマンという人によって、19世紀後半に繁殖が行われました。
繁殖者の名前が犬種の名前の由来と言われています。
ジャーマンピンシャーをベースにロットワイラーの初期のタイプを経て、現在のシェパードの形に近づけてきたとされています。
警察犬や軍用犬としての活躍
警戒心があるばかりでなく、訓練性能と運動神経が高さ、肉体的に力強く、筋肉質であることや優雅かつ高貴であることなどの多くが求められ、それぞれが優れていることが認められ、警察犬や軍用犬、家庭犬として活躍してきました。
20世紀の初めにはドーベルマンは警察犬として正式に認められました。
現在では使役犬としてだけでなく家庭でのコンパニオンドッグとして愛されています。
ドーベルマンの気を付けたい病気について
胃拡張胃捻転症候群に注意
ドーベルマンのように胸が深い犬種は、胃拡張胃捻転症候群に注意が必要です。
食事の際に空気を一緒にたくさん吸い込んだり、食後すぐに激しい運動をした場合などに起こりやすくなるとされています。
手術の必要な病気で、ひどい場合死につながる危険性もあります。
日常的な行動の中で予防を行い、腹部の膨満感や呼吸の異常、行動の変化など見られたらすぐに受診してあげてください。
股関節形成不全などの関節の病気に注意
先天的な股関節形成不全などの股関節の形状が異常になる疾患が起こりやすいとされています。
歩き方や座り方に変化を感じたら受診をしましょう。
また、日常生活の中でも、肥満やすべりやすいフローリングの床などの環境は関節への負担をかけます。
後天的な靭帯の異常などにつながる可能性も高いです。
肥満にならぬよう、食事量をコントロールし、滑りにくい床にするなどの配慮をしてあげてください。
ドーベルマンの価格相場について
40万円から60万円くらいの価格になります
大型犬であるため価格は高めです。
血統によっては価格相場よりも高くなる個体もいます。
ただし、珍しい犬種であるため、あまり価格や性格、容姿などで比較できる選択肢は少なくなる可能性が高いです。
ペットショップよりもブリーダーからの購入の方が一般的
ほとんどペットショップで出会える可能性は低く、繁殖を行なっているブリーダーも限られる犬種です。
大型犬種のため、繁殖に要するスペースも必要なため、ドーベルマンに限らず大型犬種を繁殖する場合、郊外を繁殖場にするブリーダーが多い傾向があります。
繁殖を行なっているブリーダーを探して、見学や購入に行く流れになるケースが多いです。
獣医師から見たドーベルマンを飼う際のアドバイス
食事の管理を行なってあげましょう
胃拡張・胃捻転症候群を起こしやすい犬種です。
空気を一緒に吸い込むような食べ方は、胃を拡張させ、胃捻転につながりやすくなる危険性があります。
空気を一緒に吸い込むような早食い行動が見られる場合、早食い防止の食器を使用するなど工夫するようにしてください。
また、肥満になると、四肢に大きな負担をかけてしまう可能性があります。
食事の質や量は個体によって適切なものに調節して与えましょう。
大型犬種を飼育する準備が必要です
体格が大きいため、飼育に必要なスペースも、かかる医療費も小型犬と比較すると倍以上になります。
日常を普通に過ごすだけでも、体の大きさと被毛の薄さから、小型犬ではできないような床ずれが、できやすく床材にも配慮するなどの大型犬特有のトラブルも起こり得ます。
飼育することを決める前に大型犬の性質を理解した上で、配慮しながら生活維持をすることが可能なのかなどをしっかりと考えて決める必要があります。
同時に犬と向き合う時間や手間も多くかかる傾向があります。
大型犬種と暮らせる生活なのか充分に考えたうえで迎えてあげてください。
ドーベルマンの飼育チャートについて
ドーベルマンは精神面でも犬種ならではの性質をきちんと理解しながら一緒に生活することが求められます。
体も大きく力も強いため、飼い主さんが精神的にも肉体的にも制御できるようになる必要があります。
また、攻撃力の高さから、相手を死に至らしめる事故を起こすこともある犬種です。
飼い主さんには大きな責任が伴うことを理解し、自分自身の飼育の適正を慎重に判断たうえで決断してから迎えましょう。
犬の性質やしつけについて正しい知識を頭に入れ、訓練士など信頼できる専門家に頼れる環境かどうかもよく考えた上で、家族に迎えることが大切です。
初心者 | 1 初心者には非常に飼いづらい |
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しつけ | 1 しつけは非常に難しい |
お手入れ | 1 お手入れは非常に難しい |
気性 | 3 気性はやや荒い |
多頭飼育 | 2 多頭飼育はやや難しい |
散歩 | 1 必要な散歩量は非常に多い(2.5~3時間程度) |
病気 | 5 病気への強さは普通程度 |
抜け毛 | 5 抜け毛の量は普通程度 |
吠え方 | 1 非常に吠える |
におい | 5 臭いは普通程度 |