ボクサーの特徴について
アメリカでは家庭犬としても人気です
筋肉質の体格と少し怖そうな風貌から、攻撃的な犬種と思いがちですが、信頼関係が築けると友好的で無邪気にふるまってくれる犬種です。
日本ではあまり飼育頭数は多くありませんが、アメリカでは家庭犬として飼育されています。
断耳・断尾をしている子もいます
ピンと立った細い耳を持つ子もいます。
この形は断耳という耳の手術によって形作られたものであり、若齢の頃に麻酔をかけたうえで耳を細く形作り、尾を短くする手術を行うこともあります。
現在は動物愛護の点などからも行われていない個体も多いです。
本来は尾が長く、耳は垂れた容姿を持ちます。
ボクサーの性格について
警戒心が強いです
ガードドッグとしても活躍する一面もあるため、警戒心が強く、見知らぬ人やものに対して注意深く接します。
勇敢で決断力もあるので、警戒心や恐怖心が攻撃につながらぬよう注意が必要です。
体も大きく力が強いため、警戒心や恐怖心からとった行動で、周りの人や犬が大きなけがをしてしまい、トラブルにつながる可能性も考えられます。
社会に適応できるよう、早期からしつけることや、けがなどにつながる可能性のある危険なことは絶対に行わないように厳しくしつけるなどの飼い主さんの配慮も必要です。
聡明で優しい犬種です
攻撃的な犬種に思われがちですが、信頼関係が築けた相手には愛情深く、友好的に接します。
非常に聡明な犬種のため、適切にしつけるとたくさんのことを覚え、愛すべきパートナーとなり得ます。
普段から良好な信頼関係が築けるよう、ボクサーに向き合う時間を多く作る必要があります。
ボクサーの飼い方(日常の世話)について
充分な運動をしてあげましょう
体格も大きく、高い運動能力を持つ犬種です。
約1時間程度など充分な散歩時間を確保し、体を動かす時間を作ってあげてください。
思い切り走ることが好きな犬種のため、ただ歩く散歩だけではなく、思い切り広い場所で走れる時間も作ってあげるとより良いでしょう。
信頼関係が築けると愛情深いドーベルマンとは、一緒に体を使って遊ぶアジリティなど、飼い主さんと楽しめるスポーツなども、使役犬として人と一緒に何かをして達成感を得る習性を活かして、より絆を深めることもできる可能性が高いです。
食事の管理を行なってあげましょう
胃拡張・胃捻転症候群を起こしやすい犬種です。
空気を一緒に吸い込むような食べ方は、胃を拡張させ、胃捻転につながりやすくなる危険性があります。
空気を一緒に吸い込むような早食い行動が見られる場合、早食い防止の食器を使用するなど工夫するようにしてください。
また、肥満になると、四肢に大きな負担をかけてしまう可能性があります。
食事の質や量は個体によって適切なものに調節して与えましょう。
ボクサーの歴史・起源について
祖先は猟犬です
ボクサーの直接の祖先はブレンバイサーと呼ばれている小型の犬と言われています。
この犬種はドイツで「牛噛み犬」という意味を持ち、猟師が到着し、止めを刺すまでそれをしっかりと獲保することがこの犬たちの仕事でした。
この犬種にマスティフやブルドッグなどの噛む力の強い犬種を交配して作られたとされています。
警察犬としての活躍も
警戒心の強さや身体能力の高さから、ドイツでは初めての警察犬となりました。
現在では、家庭犬としても愛されていますが、多くの国で警察犬として活躍している犬種です。
ボクサーの気を付けたい病気について
胃拡張胃捻転症候群に注意
ボクサーのように胸が深い犬種は、胃拡張胃捻転症候群に注意が必要です。
食事の際に空気を一緒にたくさん吸い込んだり、食後すぐに激しい運動をした場合などに起こりやすくなるとされています。
手術の必要な病気で、ひどい場合死につながる危険性もあります。
日常的な行動の中で予防を行い、腹部の膨満感や呼吸の異常、行動の変化など見られたらすぐに受診してあげてください。
潰瘍性大腸炎に注意です
ボクサーは遺伝的背景がある潰瘍性大腸炎が見られることが多いと言われています。
慢性的な鮮血の混じった便や、粘液便、下痢などが見られる場合、注意が必要です。
続くことで、栄養吸収が上手くいかず、栄養失調にいたり、体重の減少やさらなる食欲低下、嘔吐や貧血などにもつながる危険があります。
疑わしい場合は重症化する前に受診をするよう心がけましょう。
ボクサーの価格相場について
40万円から60万円くらいの価格になります
大型犬であるため価格は高めです。
血統によっては価格相場よりも高くなる個体もいます。
ただし、珍しい犬種であるため、あまり価格や性格、容姿などで比較できる選択肢は少なくなる可能性が高いです。
ペットショップよりもブリーダーからの購入の方が一般的
ペットショップで出会える可能性は低く、繁殖を行なっているブリーダーも限られる犬種です。
大型犬種で繁殖に要するスペースも必要なため、ボクサーに限らず大型犬種を繁殖する場合、郊外を繁殖場にするブリーダーが多い傾向があります。
繁殖を行なっているブリーダーを探して、見学や購入に行く流れになるケースが多いです。
日本国内で飼育頭数もあまり多くない犬種であるため、繁殖しているブリーダーも人気犬種と比較すると少なめです。
獣医師から見たボクサーを飼う際のアドバイス
大型犬種を飼育する準備が必要です
体格が大きいため、飼育に必要なスペースも、かかる医療費も小型犬と比較すると倍以上になります。
日常を普通に過ごすだけでも、体の大きさと被毛の薄さから、小型犬ではできないような床ずれが、できやすく床材にも配慮するなどの大型犬特有のトラブルも起こり得ます。
飼育することを決める前に大型犬の性質を理解した上で、配慮しながら生活維持をすることが可能なのかなどをしっかりと考えて決める必要があります。
同時に犬と向き合う時間や手間も多くかかる傾向があります。
大型犬種と暮らせる生活なのか充分に考えたうえで迎えてあげてください。
健康面でのこまめなケアが大切です
体も大きく、ボクサー特有の遺伝的な背景のある病気も多いです。
日常的な健康チェックやこまめなケアが欠かせません。
スキンシップの一環として体に触れることも併せて、食欲や排泄などの状態をチェックする習慣をつけましょう。
ボクサーの飼育チャートについて
犬種ならではの性質をよく勉強してきちんと理解しながら一緒に生活することが求められます。
ケアや散歩、しつけなどで犬と向き合う必要がある場面は多いですが、良好な関係が築ければ飼い主さんに対しては従順な姿勢を見せてくれる可能性が高く、愛犬との充実した生活が送れるでしょう。
特にしつけでは、大きなトラブルにつながる危険性もあるので、徹底して行なう必要がありますが、個人では難しいことも専門家に相談しながら飼育することで飼い主さんの負担を軽減しながら生活を送れる可能性が高いです。
初心者 | 1 初心者には非常に飼いづらい |
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しつけ | 1 しつけは非常に難しい |
お手入れ | 3 お手入れはやや難しい |
気性 | 2 気性はやや荒い |
多頭飼育 | 2 多頭飼育はやや難しい |
散歩 | 2 必要な散歩量はやや多い(2~2.5時間程度) |
病気 | 3 病気にはやや弱い |
抜け毛 | 5 抜け毛の量は普通程度 |
吠え方 | 2 やや吠える |
におい | 5 臭いは普通程度 |