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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の胆のう粘液のう腫とは

胆嚢が粘性の高い粘液が蓄積することで拡張する疾患です。

胆嚢粘液嚢腫とは、ムチン(糖と蛋白質が結合した粘性物質)に富んだ粘性の高い粘液が蓄積することで胆嚢が拡張してしまっている状態のことを言います。無症状であることもありますが、重篤化すると胆嚢を破裂させてしまうこともあります。

犬の胆のう粘液のう腫の症状とは

無症状から重篤な症状まで幅広い症状が見られます。

症状は様々で、嘔吐、食欲不振、元気消失、腹部痛、黄疸などが見られます。20~30%程度は無症状であるとされていますが、過剰な粘液貯留の結果、胆道系の閉塞や胆嚢の裂孔および破裂などの重篤な症状が見られることもあります。重篤化した場合、多臓器不全や播種性血管内凝固を引き起こす可能性があります。
胆嚢破裂などの重篤な症状が見られている場合、開腹手術が必要になります。腹膜炎を起こしている場合、手術中に死亡してしまうこともあります。
胆嚢粘液嚢腫になってしまいますと、超音波検査にてキウイフルーツ様、放射状、などと言われる胆嚢内容物が確認されます。この胆嚢内容物は、胆泥症などと異なり流動性は見られないことが多いようです。

犬の胆のう粘液のう腫の原因とは

はっきりとした原因は解明されていません。

胆嚢粘液嚢腫を引き起こすはっきりとした原因は明らかにされていませんが、胆嚢壁を構成する粘液産生細胞からの過剰な粘液産生によるものと考えられています。胆嚢粘膜には、嚢胞性粘液性過形成が認められ、過剰な粘液産生によって粘液貯留が引き起こされると言われています。
高脂血症、副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症、胆嚢の運動性低下などが、胆嚢粘液嚢腫を引き起こすリスクを高めるとされています。

犬の胆のう粘液のう腫の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

シェットランドシープドッグ、ミニチュアシュナウザー、コッカースパニエルなどの犬種が好発犬種とされています。また、高齢での発症が多いとされています。

犬の胆のう粘液のう腫の予防方法について

低脂肪食を与えることが予防につながります。

胆嚢粘液嚢腫を引き起こすリスクを高める要因として、高脂血症があります。高カロリーの食べ物、高脂肪の食べ物は避けるようにしましょう。さらに低脂肪食の食事療法をおこなうことで胆嚢粘液嚢腫の予防につながると言えます。
また、胆嚢粘液嚢腫は無症状である場合もあるため、定期的な健康診断をおこない、早期発見・早期治療も重要になります。

犬の胆のう粘液のう腫の治療方法について

内科療法、外科療法があります。

胆嚢粘液嚢腫には、確立された内科療法はありませんが、利胆剤、抗生剤などを投与し、低脂肪食を与え食事療法をおこないます。利胆剤を投与することで胆汁の流れを改善し、抗生剤を投与することで細菌感染を抑えます。
同時に見られている臨床症状に応じた対症療法をおこないます。嘔吐、腹部痛などをコントロールします。また、併発している内分泌疾患がある場合は、胆嚢粘液嚢腫のリスクを高めるため、積極的に治療します。胆道系の閉塞が疑われる場合は、利胆剤の投与は避けるべきとされています。内科療法で根治する可能性は非常に低いとされています。

明らかな臨床症状が見られる場合は、外科療法が第一選択とされています。外科療法では、胆嚢摘出術が採用されます。胆嚢は切除しても肝臓から十二指腸への流れは維持されますので、特に問題ありません。また、無症状である場合でも将来的なリスクを考慮したうえで、外科療法が選択されることがあります。

長期的な予後に関しましては、内科療法と比べて外科療法のほうが期待できると言われています。

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