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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫のワクチンアレルギーとは

ワクチンに含まれるタンパク質等に過敏反応が起こります。

ワクチンは病気を予防するためのものですが、時には好ましくない副反応として、アレルギー症状が起こることがあります。

ワクチンアレルギーは、人でも犬でも猫でも起こります。
ワクチンに含まれるタンパク質等に体の免疫が過剰反応することによって、顔の腫れや痒み、呼吸困難などといった症状を示すことがあり、最も重度なものではアナフィラキシーショックを起こして命に関わることもあります。

しかし、ワクチンアレルギーを起こす頻度はそれほど高いわけではありません。
特にアナフィラキシーを起こすことは比較的稀です。

これらの反応は生まれ持った体質や接種当日の体調が悪かった、などといった要因によっておこりやすくなる場合があります。

むやみに怖がらず、正しい知識を持って、できるだけ安全にワクチン接種を受けましょう。

猫のワクチンアレルギーの症状とは

アナフィラキシーショックを起こした場合は危険な状態です。

アナフィラキシーとは、アレルギー症状が急激に生じることで命の危険が生じる状態です。

初期には、アレルギー症状(顔の腫れや痒み、全身の蕁麻疹など)がみられ、その後呼吸器症状や循環器症状、消化器症状が現れます。
・全身の力が抜けてぐったりする
・涎を大量にたらす
・低血圧
・チアノーゼ
・呼吸促拍
・呼吸困難
・意識障害
・痙攣

アナフィラキシーは急性の反応で、ワクチン接種後数分から1時間以内に発生し、症状が進むと喉の粘膜が腫れて気道狭窄を起こし、呼吸困難になります。
発生は稀ですが、緊急処置をしなければ、30分~1時間で死亡してしまうこともある緊急事態です。
しかし、適切に対応できれば決して死亡率は高くありません。

ワクチン接種後は病院内でしばらく様子を観察し、症状が現れたらすぐに対応してもらえるようにしましょう。

アレルギー反応症状の多くは数時間後に現れます。

アレルギー反応はアナフィラキシー症状とは異なり、比較的ゆっくり現れます。
接種後数分で現れることもありますが、多くの場合は数時間~24時間後に現れます。

症状としては、主に顔や粘膜に浮腫(むくみ)や痒みが起こります。
・ムーンフェイス(顔全体がむくんだように腫れる)
・目の周り、口の周りが腫れる
・体に蕁麻疹や赤みが出る
・体の痒み
・吐き気
・下痢
・元気消失
・食欲低下
・発熱

アレルギー症状がみられた場合も、必ずワクチンを接種した病院を再度受診し、治療を受けましょう。
アナフィラキシーほど強い症状は出ませんが、やはり喉の粘膜に腫れなどが起こると呼吸困難を起こすことがあります。
適切な治療を受け、速やかに症状を改善させてあげましょう。

また、病院側にもワクチンに対してアレルギーが起こったという事実を認識してもらうことは、今後のワクチン接種をどうするかという点で重要なポイントとなります。

猫のワクチンアレルギーの原因とは

ワクチンに含まれる成分に対してアレルギーが起こります。

ワクチンには、製造過程で牛の血清などを使用し、そのタンパク質が含まれます。
これらのタンパクや添加されている成分に対して体が過剰反応してしまった結果、ワクチンアレルギーが起こります。

つまり、一度ワクチンアレルギーを起こした猫は、同じワクチンに対して再びアレルギーをおこす可能性が高くなるということになります。

猫のワクチンアレルギーの好発品種について

好発する品種はありません。

特にありません。

猫のワクチンアレルギーの予防方法について

体調のいい日の午前中にワクチンを接種しましょう。

ワクチン接種は、体調のいい日に受けるようにしましょう。
ワクチンは、体の中に異物を注射することですので、程度に差はあっても、体には何らかの変化が起こります。
もともと体調が悪い状態でワクチン接種をすると、副反応が強く現れたり、ワクチンによる反応なのか、体調不良の延長としての症状なのかの判断もつかず、適切な治療を受けられなくなる場合もあります。

また、上記のようにアレルギー反応は半日以上経ってから現れることもあります。
夜間アレルギー症状が見られても、病院の診療時間外の場合は受診することができません。

万が一、反応がみられた場合にすぐに処置してもらえるように、ワクチン接種はできるだけ午前中に受けましょう。

ワクチン接種回数を必要最低限に減らことも検討しましょう。

一度ワクチンアレルギーを起こしたことがある猫ちゃんの場合は、毎年の追加接種をするかどうか、獣医師とよく相談しましょう。

ワクチンは病気に対する抵抗力をつけるための注射です。
接種後は1年以上その効果が持続し、その効果が持続しているかどうかは血液検査で病原体に対する抗体価を測定することで把握できます。
病院によっては3年おきの追加接種を推奨している病院もあります。

病気の予防ももちろん大事ですが、特にアナフィラキシーを起こしたことのある猫では、命の危険があるため、抗体価チェックを受けて本当に追加接種の必要があるのかどうかを慎重に検討することをお勧めします。

接種日当日は安静を心がけましょう。

ワクチン接種を受けた当日は、元気そうに見えても自宅で安静にするようにしましょう。
ペットホテルに預ける、どこかへ連れていく、というようなストレスがかかるようなイベントは避けるべきです。

また飼い主さんも、一日猫ちゃんの様子を見られるような日にワクチン接種を受けるようにしましょう。

猫のワクチンアレルギーの治療方法について

アナフィラキシーに対しては緊急治療を行います。

アナフィラキシーには緊急治療が必要です。
処置が遅くなればなるほど、死亡の危険性があるため、すぐに病院へ行きましょう。

治療としてはアドレナリンの注射、酸素吸入、ステロイド剤・抗ヒスタミン剤の注射などが行われます。
気道狭窄による呼吸困難の場合は気管支拡張剤を使用しますが、重度の場合は気管挿管を行って気道を確保しなければなりません。

また、血圧が低下していることが多いため、静脈点滴を行い、全身の循環を改善してあげる必要もあります。
点滴だけで反応が悪い場合には、昇圧剤の点滴を行います。

これらの治療を迅速に、適切に行うことができれば、多くの場合は順調に回復します。

アレルギー症状を抑える治療を行います。

アレルギー症状として皮膚症状や消化器症状が現れている場合は、ステロイド剤や抗ヒスタミン剤を投与します。

出ている症状の程度によって回復までの時間は異なりますが、通常はその日のうちに徐々に症状は消失します。
次の日も症状が続いている場合は、数日間投薬を行うこともあります。

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