ウィズぺティ
初めての方へ会員登録ログイン買い物かご
TOP > 犬の病気辞典 > 犬のジアルジア症
Youtube 病気辞典
Youtube 病気辞典

監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬のジアルジア症とは

主に腸に寄生する原虫が原因となる消化器疾患です。

ジアルジアと呼ばれる寄生虫の1種である原虫が主に小腸に寄生することで引き起こされます。
ジアルジアはシスト(嚢子:8~12×6~8μm)とトロフォゾイト(栄養体:9~20×6~10μm)の2つの形態があります。シストは直接的に宿主に病害をもたらすことはありませんが、外界に排泄された時点ですでに感染力があり、新たな宿主による経口摂取を待ち受けている状態です。
シストは環境や消毒薬に耐性があり、外界で長期間の生き残りが可能です。そのため、多頭飼育場の環境が一旦シストによって汚染されるとそれらを完全には排除するのは容易ではありません。実際にペットショップ、繁殖施設、保護施設の犬で感染率が高く、とくに仔犬では高率であるとされています。

犬のジアルジア症の症状とは

仔犬に消化器症状を引き起こします。

症状が見られるのはほぼ仔犬に限定され、成犬が症状を示すことは少ないと言われています。また、仔犬であっても不顕性感染が非常に多いようです。
仔犬が発症すると、一過性の軟便や下痢、粘液便などを示す程度で、多くは重症化することなく回復します。他の消化管内病原性寄生虫や微生物の影響で悪化することはあります。

犬のジアルジア症の原因とは

原虫であるジアルジアが原因になります。

ジアルジアのトロフォゾイトが犬に病害をもたらすステージです。
トロフォゾイトはシスト内に収納された状態で存在していますが、経口摂取(糞ー口感染)された後にシストかた脱出して犬の体内で2分裂を繰り返すことで増殖します。トロフォゾイトは鞭毛を利用して腸管腔内を移動することが可能であり、腸管上皮細胞内に侵入することはないが、腹側にある吸着盤で細胞に付着することで様々なシグナルを伝達し、上皮細胞のアポトーシスや細胞間結合の障害を誘導して犬に下痢などの病害をもたらすことが知られています。
また、虫体が放出する分子や宿主の低栄養、免疫低下、さらには腸内細菌叢の変化がジアルジア症の発症に関与しているお考えられています。

犬に寄生するジアルジアは、Giardia duodenalis(同義語:G.lamblia、G.intestinalis)ですが、人間をはじめとした他の哺乳類に寄生するものと同一です。しかしながら、人間に寄生するジアルジアの遺伝子型はAまたはBですが、犬から分離される遺伝子型の多くはCまたはDとされています。G.duodenalisは遺伝子型によって宿主特異性が異なるため、犬から人間への感染の可能性は低いと考えられています。ただし、遺伝子型AとBは、いずれも人獣共通感染症の遺伝子型であり、しばしば犬からも検出されることから、注意が必要です。

犬のジアルジア症の好発品種について

全犬種で好発します。

感染症であるため、どの犬種でも発症する可能性があります。免疫の低下した状態ではリスクが高まることに注意が必要です。

犬のジアルジア症の予防方法について

感染源から遠ざけましょう。

ジアルジアは感染犬の糞便から感染するため、散歩や犬の集まるドッグランなどに行った際は、他の犬の糞便に接触させないようにしましょう。

また、ジアルジアに感染している可能性がある犬の糞便があった場合は、グローブを装着して速やかに処理し、シスト殺滅のために熱湯処理をすると良いでしょう。

犬のジアルジア症の治療方法について

駆虫薬を投与します。

ジアルジアの単独感染の場合は不顕性感染であることが多く、症状が発現しても1週間程度の一過性の下痢で終わることから、重篤な状態に陥る可能性は低いと言えます。しかしながら、他の病原微生物との混合感染などによって重症化した場合は、輸液などの対象療法が必要になります。

ジアルジアの駆虫薬として一般的に用いられるものは、ニトロイミダゾール系薬剤、ベンズイミダゾール系薬剤などが挙げられます。1日2回の投薬を5日間おこなうことを1クールとして、完全に駆虫できるまで3~4クール必要になる場合が多いと言われています。

ナンバーサプリのウィズメディカ
ページ先頭へ SSL グローバルサインのサイトシール