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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬のコクシジウム症とは

コクシジウムと呼ばれる原虫の寄生による消化器疾患です。

コクシジウムの範疇には多種の原虫が含まれ、種の分類が未解明な部分もあります。一般的に犬のコクシジウム症とは、以前はIsospora属に分類され、現在はCytoisospora属に移されたC.canisやC.ohioensisの寄生によって引き起こされる下痢を主徴とする消化器疾患のことを言います。

犬のコクシジウム症の症状とは

軟便や下痢などの症状をひきおこします。

主な臨床症状としましては、下痢、粘液便、血便、嘔吐、脱水、体重の減少などが挙げられます。感染の成立、臨床症状の有無は、免疫の関与があり、感染の中心は仔犬になります。また、症状を示さない不顕性感染例が多く存在します。

コクシジウム症を診断する上で、下痢や軟便などの臨床症状とともに、疫学的背景が重要となります。症例が仔犬であること、ペットショップや繁殖施設から入手した個体であることが重要な手がかりになります。

犬のコクシジウム症の原因とは

原虫であるコクシジウムの経口感染が原因となります。

C.canisは、オーシストのサイズが32~42×27~33μmの大型種であり、C.ohioensisは、オーシストのサイズが19~27×18~23μmの中型種であるとされています。
コクシジウムの感染経路は、経口感染になります。感染犬の糞便中に排泄されたC.canisまたはC.ohioensisのオーシストが環境中で成熟したものを摂取するのが一般的と言えます。
その他の感染経路としましては、環境中のオーシストを摂取し、組織内にシストを形成したマウスなどの待機宿主となる動物の肉を生で摂取することでも感染が成立します。しかしながら、このようなケースは犬においてはまれであると言われています。

C.canisとC.ohioensisは、小腸に寄生して絨毛の萎縮や絨毛上皮細胞の傷害を誘導し、下痢などの症状発現に関与していると考えられています。

犬のコクシジウム症の好発品種について

全犬種で好発します。

感染犬の糞便から感染するため、散歩や犬の集まるドッグランなどに行った際は、他の犬の糞便に接触させないようにしましょう。

また、ジアルジアに感染している可能性がある犬の糞便があった場合は、グローブを装着して速やかに処理し、シスト殺滅のために熱湯処理をすると良いでしょう。

犬のコクシジウム症の予防方法について

感染源からの隔離をおこないます。

コクシジウムは感染犬の糞便などの汚物から感染を広げます。散歩中に糞に接触させないように気をつけてください。

愛犬がコクシジウム感染症に罹患してしまった場合、同居犬に感染が広がる可能性があります。コクシジウムが含まれる糞便は、排出直後は感染力を持たないという特徴があり、すみやかに処理することで同居犬への水平感染のリスクを下げることができます。

犬のコクシジウム症の治療方法について

駆虫薬を投与します。

一般的にC.canisやC.ohioensisの感染のみで重篤な症状を示すことは少ないですが、継続する下痢によって脱水が見られる症例には、輸液などの対症療法が必要となります。また、C.canisとC.ohioensisの同時感染や他の病原微生物との重複感染によって症状が重篤化する可能性が指摘されていることから、併発感染症のへの適切な対応も必要になります。

C.canisやC.ohioensisに対する駆虫薬としましては、多くの薬剤が使用されてきましたが、現在、その有効性から推奨される薬剤は、トルトラズリルと線虫駆虫薬であるエモデプシドの合剤か、トルトラズリルの単剤となります。
トルトラズリルは、糞便へのオーシスト排泄を現象させたり停止させたりする効果が認められ、臨床症状の改善にも効果的なことが示されています。
基本的には宿主細胞内寄生ステージ全般に対して広く作用することから、1回の投与で有効とされていますが、2~3回の投与が必要とされる例もいます。

C.canisおよびC.ohioensisの感染では免疫が成立するため、再感染はまれです。ただし、互いに交差免疫は成立しないことから、C.canis感染から回復した個体が、次にC.ohioensisに感染する可能性があります。

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