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Youtube 病気辞典
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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬のホルネル症候群とは

眼の一連の異常をホルネル症候群と呼びます。

眼球とその附属器の交感神経支配が麻痺することによって引き起こされる上眼瞼下垂、眼球陥没、第3眼瞼の突出、縮瞳といった一連の異常をホルネル症候群と呼びます。

犬のホルネル症候群の症状とは

4つの特徴的な症状が見られます。

ホルネル症候群は、通常は片側性で、上眼瞼下垂、眼球陥没、第3眼瞼の突出、縮瞳といった一連の症状が見られます。軽度の結膜充血を伴うこともあります。また、患眼側の耳の皮温が上昇したり、発汗が認められることもあります。

ホルネル症候群は、暗室中で瞳孔不同が顕著で、かつ両眼とも対光反射が正常に観察されます。
血液検査、X線検査、超音波検査、脊髄造影検査、CT・MRI検査、脳脊髄液検査などをおこない、本症候群の原因となりうる異常を探査する必要があります。
薬理学的試験によって障害部位を推定することができます。5%フェニレフリン液を両眼に点眼し、15~20分程度で正常眼よりも早く散瞳すれば節後性障害を、散瞳しなければ中枢性もしくは節前性障害を示唆します。節前性障害であっても、フェニレフリン点眼後、40分以上すれば散瞳することに注意が必要です。この場合、点眼後約40分程度で散瞳すれば節前性障害を、60~90分で散瞳してくれば中枢性障害もしくは正常な交感神経支配を示唆します。

犬のホルネル症候群の原因とは

神経系の異常が原因となります。

ホルネル症候群の原因としましては、視床下部から頸部交感神経系と眼球にまで至る同神経系に異常をもたらす炎症、感染、外傷、椎間板疾患、線維軟骨塞栓症、腕神経叢障害、腫瘍、中耳炎、内耳炎、鼻咽頭ポリープ、球後疾患などが挙げられます。

交感神経系の神経経路は、「視床下部→脳幹→頸髄→T1~T3脊髄分節とその神経根→迷走交感神経幹→交感神経節前線維→交感神経の前頸部神経節→交感神経節後線維→中耳→第V脳神経の眼枝→長毛様体神経→瞳孔散大筋、眼窩骨膜・上眼瞼・第三眼瞼の平滑筋、皮下の血管収縮筋」となっています。この神経路のいずれが障害されてもホルネル症候群が誘発されます。

犬のホルネル症候群の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

犬の場合、4~13歳、雄のゴールデンレトリーバーに多く認められるとの報告もありますが、本症候群の50~90%は特発性であるとされています。

犬のホルネル症候群の予防方法について

早期発見、早期治療をおこないます。

ホルネル症候群は特発性であることが多く、原因疾患も予防が難しいものが多いと言えます。そのため、早期発見、早期治療が重要になります

原因疾患として中耳炎、内耳炎が挙げられていますので、外耳炎を放置せずに早期治療をすることがホルネル症候群の予防につながる可能性があります。

犬のホルネル症候群の治療方法について

原因疾患がある場合

原因疾患が特定できれば、その治療をおこないます。

特発性の場合

特発性のホルネル症候群の場合は、臨床症状を緩和もしくは改善するため、5%フェニレフリンを1日2~4回点眼します。文献によっては2.5%や0.125%のフェニレフリンを用いるとの記載もあります。稀釈には、生理食塩液を用います。

予後は、原因疾患とその重篤度や治療に対する反応性によって異なります。
特発性のホルネル症候群では、回復に4ヶ月程度を要します。

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