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Youtube 病気辞典
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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫のざ瘡(あごニキビ)とは

顎にある皮脂腺で起こる炎症です。

猫の体には、顔の一部や尻尾の付け根など、皮脂腺が多く分布している部分があります。
猫はこの部分を木や壁などにこすりつけることによって、自分の臭いを付け、縄張りを主張します。

ざ瘡(あごニキビ)は、主に下顎にある皮脂腺に詰まりや細菌感染、炎症などを起こした状態です。
毛に黒い粒状の汚れが付着したり、毛穴がボコボコと膨らんだようになり、細菌感染を伴うと表面が白く化膿したりします。

適切に治療することで良くなりますが、再発も多いため、一度発症した場合は継続したケアが必要です。

猫のざ瘡(あごニキビ)の症状とは

下顎や口の周りの汚れ・炎症が見られます。

ざ瘡では、主に下顎に以下のような症状がみられます。
・毛に黒い粒状の汚れが多く付着する
・ニキビの様に毛穴が詰まり、毛の付け根がボコボコと膨らんでいる
・毛が抜ける
・皮膚が赤く腫れる
・皮膚に痒みがある
・皮膚がただれて臭いがする

皮脂腺は口や眼、耳の周りに多く分布していますが、症状がみられるのは主に下顎です。
稀に上口唇や口角、目の周りなどにも発症します。

初期には黒いツブツブの汚れが毛に付着する程度で、皮膚には明らかな炎症は見られません。

症状の進行に伴って皮膚の症状は強くなり、適切に治療されず悪化してしまうと、口角や下顎の広い範囲に重度の炎症を起こします。
さらに細菌感染を起こすと化膿し、臭いがするようになります。

痒がって後ろ足で掻くために皮膚に傷がつき、出血がみられる場合もあります。

猫のざ瘡(あごニキビ)の原因とは

皮脂の過剰分泌とグルーミング不足が原因です。

下顎は元々皮脂の分泌が多い部分ですが、体の他の部位に比べると猫自身がグルーミングしづらい場所である上に、食事や飲水で最も汚れが付着しやすい場所です。
そのため、不衛生になりやすく、毛穴が分泌物や汚れで詰まりやすくなり、皮膚炎が起こりやすいと考えられます。
また、高齢になったり、手のケガなどでグルーミングの頻度が落ちることでも発症します。

感染症も原因になります。

下顎は不衛生な状態になりやすいために、細菌などが増殖しやすく、皮膚炎に発展しやすい部位です。
それ以外にも、ニキビダニやマラセチアなどの増殖によっておこる場合もあります。

アレルギー反応が根底にあるケースもあります。

発症の根底に、アトピー性皮膚炎や食器などに対する接触性アレルギー反応がある場合があります。

猫のざ瘡(あごニキビ)の好発品種について

好発する品種はありません。

特にありません。
どんな猫でも発症します。

猫のざ瘡(あごニキビ)の予防方法について

定期的にブラッシングをしましょう。

定期的にブラッシングすることを習慣化しましょう。
その際に顔周りもチェックし、汚れている場合はきれいにふき取り、清潔に保つことで細菌の増殖などを防ぐことができます。

食器や水は清潔に保ちましょう。

フードの食器や水をきれいな状態に保つようにしましょう。
特にフードを食べた後に水を飲むと、水飲みの中にフードのかけらなどが落ちて汚れがちです。
こまめに取り換え、きれいな水をいつでも飲めるようにしてあげましょう。

下顎を清潔にしてあげましょう。

食事の後や飲水の後、下顎や口の周りが汚れたり濡れていることが多いですよね。
皮膚が湿った状態でいると、細菌などの増殖が起こりやすくなります。
気付いたときはこまめに拭いてあげ、皮膚が乾いた状態をキープしてあげましょう。

シャンプーの後も同様です。
できるだけタオルドライした後、できればドライヤーで熱すぎない風を当て、水気を残さないようにしましょう。

猫のざ瘡(あごニキビ)の治療方法について

軽症の場合はシャンプーや外用薬で治療します。

毛に皮脂汚れが付着し、皮膚にはあまり強い炎症を起こしていない場合は、毛についた粒状の汚れを温めたタオルで清拭して拭き取ったり、部分的にシャンプーしてきれいに乾かすことで症状が改善します。

また、炎症が軽度の場合は塗り薬などで局所的に治療します。

炎症が強い場合は内服薬で治療します。

顎が赤く腫れたり、皮膚がボコボコと腫れ痒みが強い場合、化膿している場合などは、抗生物質を内服投与します。
また、皮膚の衛生状態を保つために下顎の毛を短くカットし、薬用シャンプーでの洗浄や外用薬の塗布を行います。

ニキビダニやマラセチアの増殖がみられる場合にはそれぞれに対応した内服薬や外用薬が必要です。

アレルギーに対する対策を行います。

アレルギー反応が疑われる場合には、フードの変更や、住環境の整備、食器の変更などが必要になります。
アレルギーの診断・治療は難しく、時間がかかることも多いため、かかりつけの病院とよく相談しながら根気強く続けましょう。

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